Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューWho the Bitch×ヒダカトオル(MONOBRIGHT)

名うてのポップ・マエストロの助力を得て完成させた
キャッチでエモーショナルなオモチャ箱のような音楽

2011.06.02

身に染みて感じたフル・アルバムを出す苦労

──3人ともヒダカさんの力量に目から鱗の連続でしたか。

ehi:もうホントに勉強になりましたね。

Nao★:ホワイトボードが常に置いてあって、そこでいろいろと解説してもらって。

──さすが中州産業大學教授ですね(笑)。

ヒダカ:いろいろと箇条書きにしましたからね。「間奏でじらせ」とか「サビは開いた感じで」とか。

Nao★:コードを変えずに音階の慣用的なメロディ・ラインを作ることをクリシェって言うんだよ、とか(笑)。

ヒダカ:そういう音楽用語までね。プロデュース料以外に授業料としてもっとギャラをくれてもいいんじゃないかと思いましたけど(笑)。

yatch:リズムも細かくヒダカさんに教えてもらったんですよ。「こう叩けばBOOM BOOM〜っぽくなるよ」とか。

ヒダカ:yatchは一番BOOM BOOM〜っぽくないもんね、キャラも含めて(笑)。

yatch:そうなんです(笑)。でも、実際にヒダカさんがイメージでドラムを叩いてくれたので凄く判りやすかったですね。「俺が叩いてみせるから、そこで立って見てて」って言われて(笑)。

ヒダカ:横に立たせて、直立不動でね(笑)。

──WtBに限らず、ヒダカさんはこれまでも数々のアーティストのプロデュースで過不足なくスパイスを投与して対象の資質を引き出してきたじゃないですか。その秘訣みたいなものは何なのでしょう?

ヒダカ:MONOBRIGHTの場合はギャグで乗っ取られちゃった感みたいなものを出してみたんですけど、どのバンドでも要は聴こえ方の問題だと思うんですよね。どういうふうに聴かせたいかっていう具体的な方法論を当人たちが判っていないことが多い。WtBもスキルがないぶん(笑)どうやって聴かせようかとずっと迷っていたと思うんですよ。この2、3年は特に。かと言って演奏的に全然ダメというわけでもないし、歌も上手いから歌力だけは異常にあった。でも、演奏を含めた総合的な説得力に乏しかったから、そこに俺が手を加えてみたというわけです。

──『ベクトル』のこれまでになく凄味を利かせた男勝りなヴォーカルは大きな聴き所のひとつですよね。

ehi:いやぁ、あれは大変でした。Nao★ちゃんがド頭でオラオラな感じで唄い始めて…。

ヒダカ:あの辺は敢えてL7みたいにしようと思ったんですよ。

ehi:「舌を巻くくらいでちょうどいい」ってヒダカ君に言われて。

ヒダカ:そう、ちょっと怒ってるくらいの感じで唄ってくれと。でも、普段のNao★ちゃんは全然怒らない優しい子なので「ブス!」だの「バカ!」だの言うことにしました(笑)。

Nao★:「ヘタクソ!」だの「痩せろ!」だのね(笑)。

──『ベクトル』が顕著なんですけど、作品を追うごとにehiさんとNao★さんの声が似てきたように思えて、どっちがどっちだか判らなくなる瞬間が個人的にはあったんですよね。

ehi:私、だんだん声が低くなってるかもしれないんですよね。

ヒダカ:年々ドスが利くようになってきたと(笑)。

ehi:Nao★ちゃんとのハモりはパッと聴きだとどっちがどっちか判らないかもしれない。一緒に唄うと割と重なるんですよ。

ヒダカ:普通は逆だよね。最初は似ていて、だんだん個性が出てくるものだけど。

Nao★:その辺は意識してますね。私個人で唄う時はパキッと唄うけど、ehiちゃんと一緒に唄う時はニュアンスを合わせてるんですよ。

ehi:私、後で唄うのイヤですもん。Nao★ちゃんのヴォーカルにニュアンスを合わせるのは大変やし(笑)。

ヒダカ:メンバーなんだから合わせようよ(笑)。まぁ、その辺は年功序列な感じですね(笑)。

──それにしても、結成から7年目にして初のフル・アルバム発表とはなかなか感慨深いものがあるんじゃないかと思いますけど。

ehi:いや、ホントに。感無量ですよ。

yatch:フル・アルバムを出すことの苦労を身に染みて感じましたね。今までやってきたバンドは結成して1年くらい経ったら普通にアルバムを出していましたけど、WtBに関してはいろいろと紆余曲折がありましたから。

ヒダカ:事務所やレーベルの移籍とか、いろいろとね。

──『Superstar』や『カリスマヒーロー』といった代表曲も万遍なく収録されているし、本作は第1期WtBの集大成的な内容にしようと予め考えていたんですか。

yatch:うん、まさにそういう感じに仕上がりましたね。納得の出来です。

──『カリスマヒーロー』は“パチパチver.”と銘打たれていますが、これはソニー・マガジンズへのオマージュなんでしょうか?(笑)

ehi:PATi・PATi的な?(笑) いやいや、『カリスマヒーロー』はたまたま2パターン録っていたんですよ。

Nao★:クラップ入りと、クラップが入ってないのと2パターン。

yatch:クラップ入りが今回の“パチパチver.”という、ただそれだけのことなんです(笑)。

ehi:『Superstar』には“パチパチ”がなかったんですけどね(笑)。

──その代わり『Summer』が“パチパチ”しているわけですね。

ehi:ヒダカ君に唯一褒められたクラップがね(笑)。

ヒダカ:クラップはホントに良かったんですよ。女の子だから高い音の抜けが良くて。今度俺のプロデュース作品にクラップだけで呼ぼうかなってくらい(笑)。

Nao★:それまでに演奏も歌も1回でOKはなかったんですけど、クラップだけは一発でOKやったんです(笑)。

ehi:めっちゃ褒められてめっちゃアガッたよね(笑)。

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LIVE INFOライブ情報

Who the Bitch 対決列島TOUR 2011
頂上決戦 FINAL

2011年6月9日(木)Shibuya O-WEST
OPEN 18:00 / START 18:30

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