猛暑は徐々に落ち着きつつも、まだまだ暑い夏が続く日々……でもそれは同時にフェスで音楽を楽しめる季節でもあるので嬉し痒し! スターベムズもたくさんのフェスにお呼ばれしててありがたい限りですが、やはり初フジロック出演は感慨深かったぁ……漫画『BECK』さながら、音に引き寄せられ徐々に増えるオーディエンスのみんなが、最高の夏を演出してくれました。我々の後に出てたホワイト・ラングも、長身な女性たちが繰り出すPUNKサウンドで最高だったし! そこでふと思い出したのがコートニー・ラブ……カート・コバーンの妻にしてホールを率いる豪傑女子ながら、ガーリー・カルチャーを築き上げたセンスの持ち主でもあります……最近はあまり良いニュースが聞こえてこない彼女をフックアップ!
ウィキペディアでは散々な書かれようのコートニーですが、グランジ全盛のマッチョな90年代に、L7やベイブス・イン・トイランドらと共に<ライオット・ガール>シーンの中核を担った存在でもあります……1970年代に起こったフェミニズム運動に比べると、もっとカルチャー寄りなムーブメントとして、女性による芸術的な表現、社会的な自由の獲得を求めたライオット・ガール運動は、改めて振り返ってもたくさんのクールな足跡を残しましたが、ファッションを活かすためならば人前でノーブラやノーパンも辞さないコートニーは絶好のロールモデルでもあり、また裏返せばそれはマスコミや差別主義的な人々から格好の餌食だったのです。
ニルヴァーナの元メンバーたちとの確執や数々の色恋話など、スキャンダラスな側面ばかりが取り沙汰されがちなコートニーは、そもそも10代の頃にフェイス・ノー・モアのVo.を務めたり、ホールの1stアルバムはソニック・ユースのキムがプロデュースするなど、インディーROCK界隈での交流や信用は既に高かったのです。ヒット・シングル『ヴァイオレット』や『セレブリティ・スキン』のアッパーで激しいイメージから生粋のPUNK娘感が先行しますが、『ドール・パーツ』や『マリブ』などスローやミドルなシングルにも名曲が多く、実は繊細なソングライターであり、おなじみMTVのアンプラグドでもエコー&ザ・バニーメンの『キリング・ムーン』をカバーするなどニュー・ウェーヴへの造詣も深く、彼女の多才さが窺い知れます。
2002年の解散から、元メンバーを一切起用しなかった2010年の再結成と、結局またドタバタしつつ、最近はすっかりホール関連のニュースも聞かれなくなりました……激しいアクトと、それとは裏腹なキュート&ガーリーなファッション・センスのマッチングが絶妙だったコートニーの魅力を(早すぎた「けいおん!」だ!)、今こそ貴女が再現してみては?
ヒダカトオル
1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!
http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/