ここ数年で随分ギャルバンが増えましたよね? アイドル界も相変わらず群雄割拠ですが、アニメ『けいおん!』の影響もあってか、自ら楽器を持つ女子もグンと増えました。俺もプロデュースで関わらせてもらったSCANDAL辺りから顕著かもしれませんね……なので本日は初代SCANDALをご紹介。
日本のSCANDALに先駆けること四半世紀、1981年のニューヨークにて女性Vo.パティ・スマイスを中心に結成されたニュー・ウェーヴBANDが米版スキャンダル。日本でもレベッカやバービーボーイズなど、女性Vo.紅一点スタイルが増え始めた80年代初頭……その先駆けとも言えるPOPなROCK/ニュー・ウェーヴBANDでした。
パティのコケティッシュな魅力(今見るとかなりな太眉ですが)が受けて、デビュー・シングルが全米65位という小ヒットを記録して注目を集めますが、レコード会社の女性Vo.だけ押したい思惑が邪魔をして、メンバーが入っては辞め、入っては辞めで、なかなか固定しません……何と同期にデビューを模索していたジョン・ボン・ジョヴィも一時期ギタリストとして参加していたそうです(その後ボン・ジョヴィのデビューのため当然脱退)。
そんな中、1984年にリリースされたシングル『ザ・ウォリアー』が、当時のMTVでヘビロテの甲斐もあって、全米7位の大ヒット! 続く同名のデビュー・アルバムも全米17位とスマッシュ・ヒットを記録し、レコード会社は彼らを全米ツアーへと旅立たせます。
しかしデビュー直後にPUNK界のオリジネーター、リチャード・ヘルと付き合ってたパティもまた生粋のPUNX! レコード会社が用意したお人形さんのようなプランにことごとく反発し、結果スキャンダルは1stツアー直後に解散。リチャードとの間に娘をもうけたパティは産休に入るも、何とデイヴィッド・リー・ロス脱退後のヴァン・ヘイレンに誘われたり、フーターズの作品でコーラスを入れるなど、精力的にソロとしてのキャリアを築き始めます。
そして同じくコーラス参加で懇意にしていたイーグルスのドン・ヘンリーとのデュエット『ラブ・ジャスト・エイント・イナフ』が全米2位の大ヒット! シュワちゃんがご懐妊してしまうというコメディ映画『ジュニア』のサントラ提供曲では、アカデミーとグラミーに同時ノミネートされるなど、90年代に入ってからのパティはむしろスキャンダル時代のキャリアを超えてしまう活躍ぶりで、かの大ヒット作『アルマゲドン』でも彼女の歌声が聴けます。
そんな凄いキャリアを持つパティ、最終的にはあのテニス界のスター、ジョン・マッケンローと結婚! 彼と6人の子どもたちとニューヨークで穏やかに暮らしながら、近年ではスキャンダルを再結成して美声を聴かせています。もし可能なら、彼女の生き様のような、どPUNK、どニュー・ウェーヴな曲も聴いてみたいですな!
ヒダカトオル
1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!
http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/