余裕を持ったボーカリストに
結良:ボーカルって大体そうなんだね。
景夕:何が?
結良:余裕をもってメイクをあげないとか。
景夕:だって、必要ないじゃん。
ぶう:そうですよね。
一同:(笑)
ぶう:究極、出る直前でも終われば大丈夫ですからね。
景夕:そうそう。
ミド:結構ゆっくりなんですか?
景夕:俺は出来れば、5分前くらいに終わってくれるんだったら、それでいいなって。それで着替えて出たら余計なことを考えなくていいじゃんって。
ミド:それはそれでいいですね。この人(ぶう)は、7時間前くらいから顔面をこすったり、ずっとストレッチしてるんですよ。
ぶう:7時間は言い過ぎでしょ(笑)。
景夕:(笑)でも、それは何か偉いですね。
ミド:でも入りしてから、ずっとメイクとストレッチをやってるんですよ。
ぶう:(笑)そうっすね。
結良:余裕を取り過ぎですね(笑)。
ミド:で、終わらないんですよ。
結良:疲れないんですか?
ぶう:たまに疲れちゃう時もありますね。
ミド:何もしてないのに、肩が痛いとかって。ストレッチし過ぎだろって(笑)。
結良:7時間もやればね〜。
ぶう:ライブ前にやらなきゃいけないことがどんどん増えちゃって。だから余裕のあるボーカリストはいいなって思いますね。
景夕:いや〜、それはそれで結構文句を言われますけどね。
ぶう:あと、すごく遅く入ってくるボーカリストっているじゃないですか。
景夕:あっ、俺ですね(笑)。
ぶう:そういうのには、ちょっと憧れますね。
景夕:荷物も特にないしね。それでも俺はいつもリハ時間には行くようにはしてるよね。
結良:そうだね。
ミド:荷物が特にないからいいですよね。ぶうは、荷物がすごいあるんですよ。
結良:何があるんですか?
ミド:何が入ってるのってくらいすごくデカくて、子供1人入ってるんじゃないかって思うくらいの20kgくらいある重さのバッグをいつも持ち歩いてるんですよ。で、運ばないんですよ、自分で。
一同:(笑)
ミド:岩塩か何かが入ってるんじゃないかってくらいの固い何かを入れてたりして、ムカつくんですよ!
結良:固い何かって!(笑)
景夕:中身を見ないんですか?
ミド:怖くて見れないんですよ。
結良:ちなみに何を入れてるんですか?
ぶう:いや〜、固い何かを入れてるつもりはないんですけどね(笑)。
ミド:車も狭いんで、たまにその荷物が横にきて当たったりすると固いしムカついたり。荷物も運ばないし…。それで来なかったら、うちのバンドの場合は許されないですよね。そういうパフォーマンスはないなって。
ぶう:そうですね。僕もこういう余裕を持った感じでやりたいんですけどね。
結良:でも長くやってきて思ったのは、ボーカルは好きにさせていいって、僕は思いましたね。こうしろって言うと、結局喉の調子に関わってきちゃうから。僕らって怪我さえしなきゃ、ぶっちゃけ何でもいいけど、自分も風邪を引いたりとか、口を開けて寝ることが多いんですけど、一晩そうなっただけでもしゃべるのさえキツくなるし。これは自由にやらせて、それで1番のポテンシャルを出せるんだったら、もうそれが1番いいかなって。
ミド:それが1番よくて、そうやってたつもりなんですけど、妙にそこにあぐらを掻くんですよね。
景夕:ボーカルってそういうもんですよ(笑)。
ミド:でも、結果的にそれでちゃんとやってくれればいいんですけど、何かアピールしてくるんですよ。自分は喉が痛いみたいな。
ぶう:あっ、そういう奴、嫌だよね(笑)。
ミド:遠くから「はーっ! はーっ!」って喉が調子悪そうな感じを醸し出す声出しが聞こえて、「あっ、これ始まったぞ」って。本番前にメイクが終わらないから、喉を痛いのを理由にするアピールが始まったぞ。押すつもりだなって(笑)。
一同:(笑)
ミド:で、その日の次の日もライブで、移動の時の車で横に乗ってて、また「はーっ! はーっ!」って声出ししてるんですよ。遠くから聞こえてきた時と同じ音量のアピールを隣でされるんですよ。だから思うんですよね。あまり自由にさせてもよくないのかなって。
一同:(笑)
ミド:多少の縛りは、うちの場合は必要なのかもしれないって。
景夕:そういうのは人によりますよね(笑)。
ミド:本当は、ボーカルだから自由にやってくれって思うんですけど、ちょっと甘やかし過ぎたのかなって。
景夕:じゃあ制限するところは制限して、解放するところは解放してって。
ミド:そうですね。解放してステージをちゃんとやってくれればいいんですけど…。(ぶうが)また言ってるみたいな顔してます(笑)。また説教が始まったっていう顔をしてますけど(笑)。
一同:(笑)
えんそくライブ写真:荒川れいこ