長く続けてきたなって思う瞬間
——えんそくさんは今年12年、Kraさんは16年というとこで、お互いに10年を越える活動期間ですが、長く続けてきたなって思った瞬間はどんなことがありますか?
ミド:守らないって言うか、よりらしくやろうみたいなところを個人的にはすごく思っていて。音楽をしなきゃいけないっていう部分はあるんですけど、個人的にはもっと楽しもうってなってるんですよね。バンドもだし、人生もだし。
ぶう:人生を楽しみだしたよな、最近。
ミド:最近、髪型を変えたんですよ。(被っていた帽子を脱ぐ)パンチパーマにしたんですよ。
一同:(笑)
結良:今年の1月の新宿ステーションスクエアのライブの時は、すごいモヒカンだったのに(笑)。
ミド:今回はパンチでいこうと思って、あててみたんですよ。そういうのとか、もういいかなって思えるようになりましたね。
ぶう:これは10年選手だから出来ますよね。
景夕:16年だけど、まだ出来ないね(笑)。パンチは出来ないなぁ。
ミド:今まで、ヴィジュアル系だからっていう概念に囚われ過ぎていたというか。髪の毛は伸ばさなきゃいけないとか、美しくあれ、みたいな。そういうのは、俺がやらなくていいっていう境地にまできたっていうか。最近、そこになったんですよね。バンドをやってて、プライベートはないじゃないですか。髪の毛は緑だし、ピアスもすごいしてるし、溶け込めないのは分かってるんで、もういいかなって思って。
景夕:俺もたまに考えるんですよ。お客さんとか、誰も彼もが許してくれるんだったら、スキンヘッドにしたいと思ってて。
ミド:そうなんですよ! スキンもいいですよね。
ぶう:何でですか?
景夕:楽だから(笑)。
結良:体を洗ったまんま、そのまま上にもいけるし、ヘアメイクもいらないしな。
景夕:cali≠gariの前のボーカルで「秀児」っていう人がいたんですけど、俺、その人の弟子だったんですよ。で、その人が酔っ払った時に、「弟子っていうのは、師匠を見習わなきゃいけないから」って言ってて、風呂に呼び出されたんですよ。「えっ、何ですか!?」って行ったら、片手にバリカンを持ってて(笑)。俺、ちょうどその前くらいに、金髪にして髪も整えてってやったくらいのタイミングで、「ガーッ!!」ってやられて。
結良:初めて会った時、坊主だったもんね。
ぶう:景夕さんは、密室界隈の方だったんですね。
景夕:密室界隈がすごい好きでしたね。そういうバンドをやりたくてやったのに、なぜかこういうバンド(Kra)になってって(笑)。
ぶう:同期のバンドっていますか?
景夕:MERRYかな。
結良:ちょっと先輩がナイトメアで、the GazettEがほぼ同期だね。the GazettEが半年後くらいかな。
ぶう:じゃあ結構いますね。うちらなんていないもんね。うちらの世代くらいだと、うちとNoGoDくらいですね。最近はどんどんバンドの寿命が短くなってきてるじゃないですか。3年やってここまでいけなかったら、このバンドはダメだよ、みたいな。お客さんまで言う風潮みたいな。そういうもんじゃないだろって、本当に思うんですけど。
結良:最近の若いバンドは、チェキ屋さんだからね。
一同:(笑)
ミド:これは名言ですよ! 最近のバンドはチェキ屋さん!!
ぶう:本当にそう。セッションバンドでもやってるもんね。
ミド:セッションバンドの人たちって、人の曲が持ち曲で完璧に弾けるから、スタジオとかにも入らないらしいんですよ。この曲とこの曲は弾けますって、セトリも決めて。でもそれは、違くないかって思うんですよね。
ぶう:だからチェキ屋さんですよ。
景夕:でもある意味ね、見方を変えたらスタジオミュージシャン的な感じですよね。
一同:(笑)
景夕:この曲だったら、俺はいつでもどこでも弾けますよって。
ぶう:すごい世界観ですよね。
ミド:狂ってますからね。俺らの思ってるバンド像とは全然ね。
ぶう:俺らだったら、コピーもやるけど、そろそろオリジナル曲をやって、ライブをやりたいよなっていう考えだもんね、普通はね。
景夕:この歌詞を出したい、この世界観を出したい、この訴えをしたい、みたいなね。これだったらこういう曲調でとか、そういうのが欲しいですけどね。
ミド:それがバンドをやる衝動じゃねーのかなって。
ぶう:これが、きっと長く続くバンドの感じなんでしょうね。
景夕:12年、16年やってきたら、何かしらやっぱり信念があって。じゃないとメンバー間でもお互いに不満も見えてくるし、それをカバーする程のこのメンバーで、この今の状況でやるっていうのが出てくるのが、年数に現れてるんじゃないですか。