長年4人編成で活動を続けてきたKraが、昨年1月末日より2人体制へ。以降、1年強という日々の中、Kraはライブ活動を軸に据えながら「新しいKraとしてのあるべき姿」を模索し続けてきた。そこで得た一つの答えを、2人は2月26日(水)に発売となるミニアルバム「Dis WORLD」へ4つの想い(4曲)に形を変えて詰め込んできた。
同作品を、都啓一(Rayflower・SOPHIA)が全面プロデュース。彼の手腕も加わることで、「Kraらしいのに、これまでとは異なる刺激的なスパイス」がミニアルバム「Dis WORLD」の中へ散りばめられた。今回、メンバーが新曲に込めた想いを言葉にしてくれた。ここからは、収録した4曲それぞれの魅力をお伝えしたい。
過去に色を塗り重ね、新しい世界へと踏み出すために…「Dis WORLD」
冒頭を飾ったのが、ミニアルバムのリード曲「Dis WORLD」。重厚かつ躍動するファンクビートの上で、景夕が「本当の世界を新しく探すため」と、理想とする世界へ踏み出す決意を宣言。内的な心模様も吐露しながら、それでも歩むことをやめない意思を、2人は「Dis WORLD」を通して示してきた。
結良:最初に「Dis WORLD」を作ったときは、ファンク寄りのベースフレーズを軸に据えた曲として作っていました。それを聞いた都さんが「ベースのフレーズはインパクト強いから、そこは活かしたうえで、全体的なリズムをもっとダンスミュージック寄りにしよう。その方がこの楽曲は絶対に映えるから」ということから、まさに言われたような楽曲へ仕上げていただけました。
景夕:楽曲自体はノリ良くダンサブルだけど、その中へ少し暗い部分が見えたことから、言葉使いではけっこう悩みましたね。僕自身、常日頃から「満足した」と思っても、また新たな欲求が芽生えてくるように、「Dis WORLD」へは「現状を壊し新しく塗り替えることを、これまでも、これからも繰り返しながら、それを前へ進む力にしていこう」という想いを歌詞へ詰め込みました。ただし「ここから大きく変わる」のではなく、これまでもそうでしたが、「そのときの自分たちが出来ることをより進化させる形を持って、前向きに成長してゆく」姿として歌詞には映し出しています。「Dis WORLD」はまさに、「今のKraはこういう姿勢なんだ」というのを示した楽曲に仕上がりました。
照れるあまりに隠していたファンたちへの想いを、疾走解放チューン「言葉にしたい言葉」へ投影。
触れた瞬間から気持ちを晴れた気持ちへ導く、疾走感満載で根明なアップチューンの「言葉にしたい言葉」。途中でボサノバ/ラガビートへ転調し、心地好いノリを描き出す様も、この楽曲の面白さ。歌詞には「いつもそばにいて ずっと見つめていて その手を離さないで」「君たちがいるから僕らは走り続けられる」と、ファンたちへの感謝の想いを綴っている。
景夕: 明るく疾走していた楽曲が、途中でボサノバ風に転調。そこが「言葉にしたい言葉」の魅力だよね。
結良:「言葉にしたい言葉」って、最初から最後まで同じビート感を持ったまま駆け抜けても十分に成立する楽曲なんですよ。ただ、Kraとして18年間も楽曲を作り続けていると、「過去にストレートな曲はやってきてたから」という想いから、どこかひねりたくなる。そこから、あえて曲中で転調をし、ノリを落としたんですけど。明るく疾走感を持った曲調のようにテンポを落としても楽曲自体が暗く落ちることはないと思っていたどころか、その転調が、楽曲に深みを与えるうえでの良いクッションになったなと思います。
景夕:「言葉にしたい言葉」は、ファンたちへ向けた想い。本当ならMCで語れば良いことかも知れませんけど、僕自身照れてしまうあまり、こういう気持ちをMCで上手く伝えるのが苦手というか、避けてしまうんですよね。なので、歌を通して伝えようということで書きました。
飛び方にルールはない。それぞれが想う最適な手法こそが、その人のルール。「逆想のイカロス」が示す逆転の発想とは…。
ド頭から重厚な音が激しく降り注ぐ。景夕のセリフを不気味な声にエフェクト処理。とても不安を抱かせる始まりながら、勇壮な楽曲へ姿を変えてゆくのに合わせ、心へ滾る熱情を覚えてゆく。ドロップDチューニングを用い、重量感を持った曲調として表現。絶望や不安の中から光を求め羽ばたこうとする姿は、ふたたび天空を目指し飛び立とうとするイカロスの姿とも重なって見えてゆく。
景夕:デモの段階ではもっと激しかったんですけど、Aメロの僕の暗い感じの歌声へエフェクトをかけ雰囲気を変えるなど、都さんのアイデアによって、激しさの中にもつかみを持つ表情を描き出せた楽曲になりました。
結良:ドロップDの重い楽曲でありながら、原曲はもっとテンポの速い裏打ちの8ビートナンバーでしたが、アルバムを通したときの際立ちを考え、より重い感じにと都さんへ仕上げていただきました。
景夕:Kraの持ち歌の中へイカロスを題材にした「負の前進」という楽曲があります。。「逆想のイカロス」は、その続きのような感覚で歌詞を書きました。朝に空へ飛び立ちながら、太陽の熱で翼が解けて地上へイカロスが落ちたのなら、夜に月に向かって飛べばいいじゃない。一つの物事へ向かうに当たっても、そのやり方は幾通りもあること。それを自分なりに探そうというのが「逆想のイカロス」になります。
これまでも、これからも変わることなく、今の関係を永遠に繰返し続けよう。それが「2/4」になった今の僕らの想いであり、願いだから。
4人から2人へ。それでも、今まで通り変わらぬ日々を共に過ごし続けよう。「2/4」を通し、景夕と結良はKraを永遠に続けることを宣言。Kraらしい明るく解放感を持ったポップチューンに乗せ、ファンたちへ「これからも変わらない日々を続けよう」と2人は誘いをかけてきた。
景夕 たとえ状況が変わろうと、こうやって同じようにライブを通して会える日々を繰り返していける。もちろん、これからもずっとその日々を応援してくれるファンたちと繰り返し続けていけたら。そんな想いも込めています。
結良:もともと今回のミニアルバムの表題曲へと考えていたように、とてもKraらしい楽曲。ファンたちには、歌詞に込めた想いも含め、とても喜んでもらえる内容だけど、良い意味で過去のKraの延長にもある曲。そこで意表をついて新しいKraの面を見せたかったことから、リード曲が「Dis WORLD」になったわけですけど。逆に捉えれば「2/4」は、従来のKraファンはとても楽しんでもらえるし、僕らの今の気持ちが見えてくるぶん、とても安心を覚えてもらえる楽曲にもなっているなと思います。
景夕:「逆想のイカロス」を踏まえたうえでの「2/4」という流れを感じることで、良い意味で心救われた気持ちにもなってもらえるんじゃないかな。むしろ、そう感じてくれたら嬉しいなと思います。
結良:確かに、「2/4」を聞くことでファンの人たちは安心してくれると思うよね。
「Kraらしさ」の中へ「新しい刺激」を塗し完成させたミニアルバムの「Dis WORLD」。Kraは、この作品を手に、3月20日より全国ツアー「Kra RELIESE LIVE 2020 【Dis WORLD】」をスタートする。新たなサポートメンバーたちと各地をまわることへの期待を、景夕は以下のように答えてくれた。
景夕: 新たなサポートメンバーを迎えてのツアーとなるように、どんなステージングを描けるのか今から楽しみにしています。メンバーが変わることで、それぞれのメンバーが背負ってきたバックボーンもKraの音へ反映されるように、当然違ってきますからね。僕らも、そのメンツだからこそ生まれるKraの音楽を楽しんでいこうと思っています。
これからも、歩みを止めることなく邁進続けるKra。彼らは「これからも周年を重ねながらずっと進み続ける」と宣言。その言葉こそ、Kraを心の支えにしているファンたちにとって、何よりも嬉しい人生の支えになる。
結良:だって音楽を、Kraを辞める理由が僕らにはないからね。Kra自体が決まりきった音楽スタイルがあるわけではないように、その都度、お互いに表現したい音楽をやれば良いこと。
景夕:ツアーやライブごとにコンセプトを変えて表現しているように、その都度のスタイルを楽しみながら。お客さんたちが不安にならないよう、これからもKraらしさを見せながら僕らは周年を重ね続けていきます。区切りの年になったらまた何か新しいことへ挑戦するなど、そういうバランスも上手く取り入れながらこれからも進み続けていきたいし、そうしていくだけですから。
その安心感を胸に、進化を止まないKraの新しい姿と未来へ突き進むうえで抱く真っ直ぐな想いをミニアルバム「Dis WORLD」を通して味わっていただきたい。
TEXT:長澤智典
商品情報
Live Info.
Kra RELEASE LIVE 2020【 Dis WORLD 】
03.20 初台DOORS
03.28 静岡Sunash
04.04 今池GROW
04.05 心斎橋VARON
04.12 高田馬場AREA
04.25 町田The Play House
05.09 福岡DRUM Be-1
05.17 西永福JAM
05.23 新横浜NEW SIDE BEACH!!
[料金] 前売 各5,400円 (税込、D代別)
●e+
※2月22日(土)10:00発売