Rooftop ルーフトップ

REPORT

トップレポート映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の公開記念舞台挨拶に、田口トモロヲ監督、宮藤官九郎(脚本)、峯田和伸、若葉竜也、吉岡里帆、仲野太賀、間宮祥太朗が登壇。仲野太賀が「最近、胸が熱くなったこと」は「若葉竜也」

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の公開記念舞台挨拶に、田口トモロヲ監督、宮藤官九郎(脚本)、峯田和伸、若葉竜也、吉岡里帆、仲野太賀、間宮祥太朗が登壇。仲野太賀が「最近、胸が熱くなったこと」は「若葉竜也」

2026.03.28

ひとつの時代、ひとつの革命を実話を元にしてエネルギッシュに描いた、脚本・宮藤官九郎、監督・田口トモロヲで送る青春音楽映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』が全国の劇場で公開中。

ひとつの時代、ひとつの革命をエネルギッシュに描いた新たな青春音楽映画が誕生

★本ビジュアル_SK_movie_poster_B1_ol_3_RGB.jpeg

1978年。わずか1年の間に、その後のロック・シーンに大きな影響を与えた若者たちのムーヴメントがあった。スマートフォンもSNSも存在しない時代、自分たちの音楽を、自分たちの手で届けようと、楽曲も録音スタジオもレコードもすべて自分たちで創り、新しい道を切り開いていく【D.I.Y.】のスピリットで音楽業界に風穴を開ける。メジャーしかなかった世界にインディーズというスタイルを生み出し、自主レーベルを立ち上げ、着席が常識だったライブにオールスタンディングを導入し、数多のバンドが集うロック・フェスを開催。いまや当たり前となったカルチャーの原点を築いたのは、カリスマでもスターでもない──ただ、自らの表現を信じて突き進んだ、若者たちだった。そして彼らが残した火種は消えることなく、日本の音楽シーンに計り知れない影響を与えていく──。
 
原作者である地引雄一はその自由で生のエネルギーに満ち溢れた異世界のような音楽シーン、それを『ストリート・キングダム』と称し、自著にまとめた(詳細はこちら)。
 

img_576738_1.jpg

▲地引雄一の原作本『ストリート・キングダム 最終版 〜東京ロッカーズと80'sインディーズ・シーン〜』は3月27日(金)に刊行
 
このたび、映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』公開記念舞台挨拶が行なわれた。
W主演の峯田和伸・若葉竜也に加え、吉岡里帆、間宮祥太朗、仲野太賀ら今の日本映画界を支える豪華俳優陣と脚本を手がけた宮藤官九郎、そして監督・田口トモロヲら豪華クリエイター陣が一堂に集結。
各々が本作にかけた熱い思いを語ったほか、田口監督の23年前の作品『アイデン&ティティ』が大好きだという仲野が、10代の頃からの友人であり、同じく同作の大ファンである若葉と本作で共演できたことへの感慨で涙を流し、共演陣も思わずもらい泣きするという一幕もあり、劇場は感動に包まれた。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』公開記念舞台挨拶

★★DSC_3113.JPG

【日時】2026年3月28日(土)11:30-12:15(45分)
【会場】TOHOシネマズ日比谷 スクリーン12(東京都千代田区有楽町1-1-3 東京宝塚ビル地下)
【登壇者(敬称略)】峯田和伸、若葉竜也、吉岡里帆、仲野太賀、間宮祥太朗、宮藤官九郎(脚本)、田口トモロヲ(監督)
【MC】飯室大吾
 
映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の公開を記念して、3月28日(土)、都内劇場で舞台挨拶が開催。峯田和伸、若葉竜也、吉岡里帆、仲野太賀、間宮祥太朗、脚本の宮藤官九郎、田口トモロヲ監督が揃って登壇した。
舞台挨拶中、田口監督の23年前の作品『アイデン&ティティ』が大好きだという仲野が、10代の頃からの友人であり、同じく同作の大ファンである若葉と本作で共演できたことへの感慨で涙を流し、共演陣も思わずもらい泣きするという一幕もあり、劇場は感動に包まれた。
 

★DSC_2883.JPG

構想から10年を経て、ようやく公開を迎え、田口監督は「なんてのろまで呑気だったことかと思いますが、自分のスピードでつくり上げることができて、こうやって公開までたどり着けて、いまは嬉しいですし、みなさんに感謝しかありません。みなさん、ありがとうございました」とキャスト陣と客席に向けて深々とお辞儀した。
 
銀杏BOYZで活躍する峯田は、バンドマンがたくさん登場する本作でミュージシャン役ではなく、彼らの目撃者であるカメラマン役で出演しているが、「自分の周りには個性的なバンドマンがたくさんいるし、ちゃんとしている人もいるけど、常識人が果たしてカッコいい音楽をつくれるか? というと、そういうわけでもなく、生活が破綻している人がめちゃくちゃカッコいい音楽を鳴らすこともあるんです。でも、そういう人たちだけだと行き詰まってしまうし、ちゃんとしている人、社会的で周りが見えている人もいないと広がらないんです。僕はそういう人たちに迷惑をかけたことも多々あるので(苦笑)、今回の役(=ちゃんとしている側)を演じて、そういう人の協力があって音楽ができているんだな感じて、周りの人に感謝しています」としみじみと語る。
 
田口監督の『アイデン&ティティ』に衝撃を受けたという若葉は、本作への思いについて「言語化するのが難しいんですけど、『アイデン&ティティ』に影響を受けて、10代の頃、太賀と2人でしゃべったり、弾き語りをしたりしていたので、僕と同じように、この『ストリート・キングダム』に影響を受けた俳優さんやスタッフさんと、十何年後とかにまた一緒に映画をつくれたら最高だなと思います」と語った。
 

★DSC_2794.JPG

吉岡は「Do It Yourself(=DIY)という言葉が映画の中でも印象的に出てきますが、(自身が演じた)サチがモモやユーイチと出会って、レコードを聴いてもらえるということを誇りに思っている感情が好きです。ないことを憂うのではなく、自分でつくるし、自分で追いかけるし、自分で実現していく。一歩一歩だけど、歩みがちゃんとある、そこが映画の一員としても、良いキャラをやらせてもらえているなと実感していました」と本作への出演の喜びを口にした。
 
仲野は、全裸で歌う未知ヲを演じたが、未知ヲのモデルがザ・スターリンの遠藤ミチロウであることに言及し、「そのプレッシャーたるや……(苦笑)。数々の人に影響を与えた伝説的カリスマであり、そういう人物を果たして自分が演じられるのだろうか? と」と凄まじいプレッシャーを明かした。「演じる上で僕は、なぜ彼はそういうことをやるのだろう? と論理的に考えたいタイプなんです。『なぜ未知ヲは豚の臓物を投げつけるのか?』『なぜ未知ヲはお客さんに放尿するのか?』──考えても、考えてもわからないんです(苦笑)。でも、そうするしかなかったのかな? 自分を表現するため、メッセージを届けるため、いろんな選択肢がある中でそうせざるを得なかった初期衝動を大事にしたいと思い、『こうするしかなかった』という熱量をたぎらせていくのを大事にやりました」と振り返った。
 
カリスマ的な雰囲気をまとうバンド、軋轢のボーカリスト・DEEP役を演じた間宮は「カリスマ的で孤高で……というのは脚本上でもセリフで出てきますし、監督からもモデルとなった(「フリクション」の)レックさんの人となりについて『とにかくカッコよく』と暗示をかけられていて、プレッシャーではありましたが、口数が多いわけでもないので、とにかくライブでの演奏シーンが表現として強度のあるものになっていればいいなと演じました」と述懐した。
 
宮藤は、脚本執筆について「『ストリート・キングダム』という原作本があるんですけど、半分は写真で、半分は事実が書いてあるだけで、セリフはないんです。写真から想像する『きっとこうだったに違いない』という物語を自分で考えて、セリフを考えて書きました。だから、レックさんがどんなしゃべり方をするかなんて知らないし、どうやって書いていいかわかんなかった。トモロヲさんに『これどうやって映画にするんですか?』と聞いたくらい、事実と写真の記録だけでした。でも、その記録をした人(=著者:地引雄一 ※ユーイチのモデル)が主人公なんだということで、それを自分の中でドラマにするのがいちばん大変でした」と苦労を明かす。
 

★DSC_2948.jpg

撮影現場では、バンド同士の間に独特の緊張感が生まれていたようで、峯田も「本物のバンドみたいだった」と振り返る。軋轢のライブシーンの撮影をTOKAGEのメンバーで見に行った時を振り返り、若葉が「予想以上にかっこよくて、メンバー同士“やばい!”ってなった」と明かすと、間宮は「正直嬉しいです(笑)」と照れ笑い。
撮影に少し遅れて参加したという仲野は「ライバル心の塊だった」と振り返り、「扮装部に聞いてみたら、すでに推しバンドができていて。それが悔しくて! 絶対負けたくないと思って、各バンドでスタジオ練習とかされてたと思うんですけど、俺は本番前ひたすら腹筋と腕立て伏せ! それで自分のモチベーションを上げて本番に臨んでました」と語ると、これに若葉が「芸歴も長いのに!」とツッコミを入れ、会場は笑いに包まれた。
 
トーク後半では、映画にちなんで、キャスト陣5名に「最近、胸が熱くなった体験」をフリップで発表してもらった。
峯田は「マネージャーに子どもが生まれた! 名前は僕が考えました」と書いたフリップを掲げ、「おめでとう!」と呼びかけ、会場全体が拍手で祝福。
 
若葉は「後輩の自主映画の現場の手伝いに行った」と書かれたフリップを見せ、本作でもバンドメンバーで共演した大友律がつくる自主映画の現場を手伝った経験を告白。「僕は休みの日に車輌部として、車輌と荷物の片づけと差し入れをして、現場でカチンコを叩きました」と明かし、会場は驚きに包まれていた。
 
吉岡のフリップには「時代の目撃者」との文字が。吉岡は「この映画に参加して、その時代を本当に見たことがある人、ライブハウスに行ったことがある人、それに憧れて音楽を始めた人とか、いろんな方と話す機会がありましたが、みなさん、とんでもない熱量で話してくださるんですよ。そういう人と出会うたびに、この映画がなかったら、一生話すことがなかったかもしれない人と、音楽の歴史の話をこんな楽しくできるって、『最高だな!』と思っています。胸がいっぱいになります」と嬉しそうに語った。
 

★DSC_3015.jpg

間宮は「本作への出演」と書いたフリップを見せ、改めてこの映画への出演について「14歳の時に『アイデン&ティティ』を見て、銀杏BOYZが好きで……みたいな。音楽雑誌のインタビューを読んだり、友達と深夜に真っ暗な部屋に閉じこもって銀杏BOYZのDVDを見たりしていたし、太賀とも当時から友達で、その頃から竜也くんの名前も聞いていて『いつか会わせたい』みたいな話も聞いていました。その時の自分のことをすごく誇りに思えるというか、十数年経って、すごく報われたなと思います」と感慨深げに語った。
 

★DSC_3018.jpg

そして、トリを務めた仲野が「最近、胸が熱くなったこと」としてフリップに書いたのは「若葉竜也」。
仲野は「祥太朗の話とも通じるんですが、竜也とは中学生の頃からよく遊んでいて、家が近くで、チャリで20分かけて毎晩、家に行くみたいな日々がありました。そこで聴いているのは銀杏BOYZ。よく夜道に自転車で歌っている人がいますけど、あれです(笑)。もっぱら映画の話をして、『アイデン&ティティ」の話で盛り上がり、一緒に弾き語りをして、劇中の楽曲のコードを教えてもらって練習したり……。この映画のオファーをいただいた時、震えるくらい嬉しかったですが、『モモ役は誰ですか?』と聞いたら『若葉竜也です』と……。『うわっ! こんなことあるんだ?』と、あまりに感慨深すぎて……。最近、大人になって久々に(若葉の)家に行ったら『アイデン&ティティ』のポスターがあって……。当時はなくて、たぶん、手に入るものじゃなかったんですね。それが趣味だらけの部屋の真ん中に貼られているのを見て……」と話している内に、感極まったのか声を詰まらせる。
 

★DSC_2983.JPG

そんな、仲野の様子を見て、峯田、若葉、吉岡らも思わずもらい泣きをして目頭をぬぐう姿も。
 

DSC_3038.JPG

仲野は涙ながらに「変わらずに好きなものがあるって素敵だなと思って……。この座組で竜也が主役として立っていることがあまりに美しくて、いざ本編を見たら『なんて素晴らしい芝居をしてるんだ!』と思いました。こんなに難しい役をこんなに自分のものにして圧倒的に表現している竜也を見て、カッコいいなと思って、胸が熱くなりました」と思いを絞り出し、会場は温かい拍手と感動に包まれた。
 
若葉は、涙を流す仲野を見て「これは記事になるぞ……!」と会場を笑わせつつ、盟友の言葉を嚙みしめながら、「そんな映画です。そんな映画なんです。夢を叶えてくださった僕の周りのスタッフ、それを見つめてくれていた仲間たちに感謝してもしきれないです。ひとりでも多く、この映画を見て、何かを感じてもらえれば嬉しいです」と客席に向けて呼びかける。
 

★DSC_2997.JPG

峯田は「23年前に『アイデン&ティティ」という映画に出ることになって、初めてお芝居をやることになって、あのときは正直、何が何だかわからないままでした。でも23年が経って、こうやって、あの時、『アイデン&ティティ』があったから、こういう感じになりましたという役者さん、スタッフさん、お客さんの声に、あの時は気づけなかったけど、この映画も、見た人が何年か後に、あの時『ストリート・キングダム』があったから……と繋がっていくかと思うと、本当に言うことありません。『アイデン&ティティ』の中で『やらなきゃいけないことをやるだけさ。だからうまくいくんだよ』というセリフがあって、僕はそれからずっと、音楽をやる時も、映画に出る時も、その言葉がずっと残っています。あの時、あの言葉をくれて『ありがとう』とみうらじゅんさん、宮藤さん、トモロヲさんに言いたいです」と涙で言葉を詰まらせながら語り、会場は再び熱い拍手に包まれる。
 

★DSC_3079.JPG

田口監督は「宮藤くん、峯田くん、『アイデン&ティティ』撮ってよかったね」としみじみ。「今回、『アイデン&ティティ』が大好きという方が集ってくれて、『アイデン&ティティ』の貯金を全部使いました。この作品でそれぞれが、題名の通り、自分のやり方で、演技という音を鳴らしてくれました。いろいろあって、心が折れそうな時もあったんですけど、あきらめずにつくり上げて、よかったと思います。1作目からのスタッフの方たちも同志だと感謝しています。僕が原作を読んで感動したことを、なかなか文字化できないので、映画という形で世に送り出しました。少しでもその気持ちが伝わればいいなと思っています」と語り、感動の渦の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
 

商品情報

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』

峯田和伸  若葉竜也
吉岡里帆  仲野太賀  間宮祥太朗  中島セナ
神野三鈴  浜野謙太  森岡龍  山岸門人
マギー  米村亮太朗  松浦祐也  渡辺大知
大森南朋  中村獅童

監督:田口トモロヲ
原作:地引雄一「ストリート・キングダム」
脚本:宮藤官九郎
音楽:大友良英

企画製作・配給宣伝:ハピネットファントム・スタジオ 
©2026映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』製作委員会

3月27日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

【物語】
これは事実を基にした物語。1978年、偶然ラジオから流れたセックス・ピストルズに衝き動かされた青年カメラマンのユーイチは、小さなロックミニコミ雑誌「ロッキンドール」に出会い、とあるライブハウスへと足を運ぶ。そこで出会ったボーカルのモモ率いるバンド「TOKAGE」のライブに衝撃を受け、無我夢中でシャッターを押した。そこは音楽もバンドも観客たちも何にも縛られない生のエネルギーに溢れた異空間だった。正式にカメラマンとしてライブの撮影を依頼されたユーイチはモモたちと交流を重ねる。やがて彼らの音楽は瞬く間に若者たちを熱狂させ、そのムーヴメントは“東京ロッカーズ”と呼ばれ、日本のロックを塗り替えていく。世界を変えたのは、才能だけじゃない。音に賭けた、名もなき若者たちの衝動だった。

関連リンク

このアーティストの関連記事

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻