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田口トモロヲ、宮藤官九郎、峯田和伸、高木完、小野島大が映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』公開前日に激レアレコードとともに当時の音楽シーンを語る爆音トークイベントを開催

2026.03.27

ひとつの時代、ひとつの革命を実話を元にしてエネルギッシュに描いた、脚本・宮藤官九郎、監督・田口トモロヲで送る青春音楽映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』が3月27日(金)に全国公開された。

音楽に賭けた若者たちの青春は、革命となった

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1978年。わずか1年の間に、その後のロック・シーンに大きな影響を与えた若者たちのムーヴメントがあった。スマートフォンもSNSも存在しない時代、自分たちの音楽を、自分たちの手で届けようと、楽曲も録音スタジオもレコードもすべて自分たちで創り、新しい道を切り開いていく【D.I.Y.】のスピリットで音楽業界に風穴を開ける。メジャーしかなかった世界にインディーズというスタイルを生み出し、自主レーベルを立ち上げ、着席が常識だったライブにオールスタンディングを導入し、数多のバンドが集うロック・フェスを開催。いまや当たり前となったカルチャーの原点を築いたのは、カリスマでもスターでもない──ただ、自らの表現を信じて突き進んだ、若者たちだった。そして彼らが残した火種は消えることなく、日本の音楽シーンに計り知れない影響を与えていく──。
 
原作者である地引雄一はその自由で生のエネルギーに満ち溢れた異世界のような音楽シーン、それを『ストリート・キングダム』と称し、自著にまとめた(詳細はこちら)。
 

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▲地引雄一の原作本『ストリート・キングダム 最終版 〜東京ロッカーズと80'sインディーズ・シーン〜』は3月27日(金)に刊行
 
さる3月26日(木)、映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』公開前夜祭 爆音トークイベントが行なわれた。
本作の主演・峯田和伸自ら声をかけて開催された本イベントには、監督・田口トモロヲ、脚本・宮藤官九郎、そして音楽プロデューサーであり当時のカルチャーシーンを知る高木完が登壇。
各々レコードが思い入れのある貴重なレコードを持ち寄り、当時の音楽シーンから本作の製作秘話まで披露し、大盛りあがりのイベントとなった。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』公開前夜 爆音トークイベント

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【日時】2026年3月26日(木)入場:19時30分|トークイベント:20:00~22:00
【会場】HMV record shop 渋谷 1F 特設スペース(東京都渋谷区宇田川町36-2 ノア渋谷)
【登壇者(敬称略)】峯田和伸(主演)、田口トモロヲ(監督)、宮藤官九郎(脚本)、高木完
【MC】小野島大
 
映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の公開前後 爆音トークイベントが3月26日にHMV record shop 渋谷 1F 特設スペースで開催された。
1978年の東京に生きる若者たちから広がった、パンク・ロックのムーヴメントを描いた本作。写真家・地引雄一の原作を、田口トモロヲ監督、宮藤官九郎脚本で映画化。地引をモデルにしたカメラマンのユーイチ役には、銀杏BOYZの峯田和伸。葛藤を抱えながら自分の表現を追い求めるロックミュージシャン・モモを若葉竜也が演じている。
 

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本イベントは、主演・峯田和伸自らの声がけにより実現。会場には、監督の田口トモロヲ、脚本の宮藤官九郎、そして音楽プロデューサーであり当時のカルチャーシーンを知る高木完が登壇し、音楽と映画が交差する貴重なトークが繰り広げられた。さらに登壇者それぞれが、作品にまつわる楽曲や思い入れのあるレコードを3~4枚ずつ持ち寄り、“爆音”で再生。当時の音楽シーンの熱気を体感しながら、本作の制作秘話やそれぞれの原体験について語り合う濃密な時間となった。
イベント冒頭、MCの小野島大の呼び込みで、監督・田口トモロヲ、脚本・宮藤官九郎、音楽プロデューサーの高木完、そして主演の峯田和伸が登壇すると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。続くトークでは、各々持ち寄った曲を披露しながら、選曲にまつわるエピソードや当時の記憶を振り返った。
 

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田口監督の選ぶ1曲目はこだま和文「もうがまんできない」。映画終盤に登場する印象的な楽曲で、今回は江戸アケミと親交のあったこだま和文によるバージョンをセレクトした。峯田が「最高です!」と感嘆しつつ、この曲を映画に登場させるのは当初から決めていたのか監督に問いかけると、監督は「かなり後半に、もうひとひねり欲しいな、と考えて追加しました。閉塞的な社会の中で、それでも心の持ちようで生きていけるはず、という歌詞なのに、タイトルは”もうがまんできない”。なんて頓智のきいたアンビバレンスだろう! かっこいい! と思っていて、この映画に使いたいと思った」と起用の経緯を語った。さらに2曲目には、こちらも映画に登場するSEX PISTOLS「GOD SAVE THE QUEEN」を選曲した。
 

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宮藤はSSのアルバム『LIVE!』から数曲を選曲。京都大学・西部講堂でのライブシーンに話題が及ぶと、田口監督は「当時は観客もムーブメントの一部という意識があった。それぞれが自分の踊りを踊る個性的な存在。関西は早熟というか、結構そういう意識が早かった印象でした」と振り返る。さらに、「最初の脚本にはSSをモデルにしたバンドも入れていたんです。それぐらい好きだったので。でも脚本を見直す中で、最終的に泣く泣く削ったんです」と明かした。
2曲目に選んだのはスターリン「解剖室」。他のバンドは監督が選曲していたが、スターリンの曲は宮藤が脚本の時点から指定していたという。この曲を映画冒頭に据えた理由について問われると「映画の始まりとして、いきなり何で始めたらびっくりするかな、と考えた時に、“東京ロッカーズ”と言っているのにいきなり“スターリン”のライブで始まる。そして、そこから時間を遡っていくのがいいかなと思って。最初から構想していました」と語った。
さらに、ユーイチの人物像についても言及し、「原作者の地引雄一さんが学生時代にいろいろあって農家の人たちを撮影していたという事実を最初は割愛していたんです。でも監督から入れたいと依頼があって、確かにユーイチの話だし必要だなと取り入れた」と明かすと、高木も「あのエピソードが入っていたことで当時の地引さんらしさがよく出ている」と共感した。
 

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高木はMIRRORS「衝撃X」、リザード(※当時は紅蜥蜴名義)「ロック・クリティック」、フリクション「クレイジー・ドリーム」を選曲。リザードの楽曲が流れると、宮藤は「(映画の中で)若葉くんがどんどんモモヨに見えてくる」と語り、高木は「モモヨさんはとても優しい人で、若い頃打ち上げで終電を逃すと、映画にも登場するレコード屋“ロキシーハウス”に泊めてくれた」と当時の思い出を懐かしんだ。
 

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峯田は、田口監督のバンド・ばちかぶり「稲荷」と絶対零度の楽曲を選曲。本作のプロモーションイベントでばちかぶりの「only you」を披露した時のことを振り返り、峯田は「トモロヲさんはどんな感じで歌われるのかなと思ったら……凄かったです!」と感想をのべると、監督は「まさかこの年でバックドロップを喰らうとは!」とコメント。またバンド活動をやる予定はないのか問われ、「峯田君に任せます」と苦笑いする監督に、すかさず峯田は「じゃあ一緒にやりませんか。フューチャリング田口トモロヲで。この間一緒に演奏できて、銀杏BOYZのメンバーも喜んでたんです! また見たいです!」と熱烈オファー。監督も「今度は僕がバックドロップする側で」と応じるなど、和やかなやり取りで会場を沸かせた。
さらに監督はこの日、銀杏BOYZ「若者たち」も持ってきていたことを報告。「『アイデン&ティティ』の主役が決まらなくて困っていた時、この曲のPVを見て度肝を抜かれて。暴れっぷりが半端ない。この時代にこんな人たちがいるのか! この人ならいけるかも、と思った」と峯田との出会いを振り返った。
 

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イベント後半のQ&Aでは、田口監督が次回作について問われると「映画がやっと明日公開なのでまだ考えられていない」と笑いを誘いつつ、「実は峯田くんがこの映画のために曲を書いてくれていたんです。その曲を次の映画のエンディング曲に使おうと思ってます!」と明かし、両者の信頼関係を感じさせた。
ラストは登壇者全員でリザード「宣戦布告」を選曲。モモヨと親交のある高木は「モモヨさんとちょうどやりとりしていて。『宣戦布告』がこの時代に映画館でかかるなんて感無量な様子で喜んでいた」とエピソードを披露した。
 

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終盤には、それぞれが作品への想いをコメント。高木は「最初から話を聞いていて楽しみにしていた。若い頃の自分の写真も出てくるので楽しみにしてほしい」、宮藤は「一度映画を観たという方も2回、3回と観てください!」と呼びかける。田口監督は「日本中でロックフェスなどがすごく盛んになってるけれども、その礎を築いた人たちのことが全く語られてないっていうことに気づいて、知ってもらいたいなっていう想いでこの映画を立ち上げて。そしたら完成まで10年かかってしまいましたが、ようやく明日から公開されますので、自由に観て、自由に感じて楽しんでいただければなと思います」。峯田は「パンク、ロックに興味を持ったのは高校生の頃。当時、周りでそこまで音楽を聴いてる人ってあんまりクラスにはいなくて。じゃがたらとかスターリンとかをかっこいいと思って友達に聴かせてもあまり良い反応はかえってこなくて。あの頃の自分に、いつか大人になって映画に出演して、じゃがたらの『もうがまんできない』を歌う日がくる、間違ってない! と伝えたい。こんな機会を与えていただいて良かった」と感謝の言葉を述べると、イベントは大きな拍手に包まれながら幕を閉じた。音楽と映画が密接に結びついた本作の魅力を、体感的に味わう特別なイベントとなった。

出演者選曲レコード

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【田口トモロヲ】
こだま和文「もうがまんできない」
SEX PISTOLS「GOD SAVE THE QUEEN」
銀杏BOYZ「若者たち」
 
【宮藤官九郎】
SS『live!』
スターリン「解剖室」
 
【高木完】
ミラーズ「衝撃X」
リザード(紅蜥蜴)「ロッククリティック」
フリクション「クレイジードリーム」
 
【峯田和伸】
ばちかぶり「稲荷」
絶対零度
 

商品情報

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』

峯田和伸  若葉竜也
吉岡里帆  仲野太賀  間宮祥太朗  中島セナ
神野三鈴  浜野謙太  森岡龍  山岸門人
マギー  米村亮太朗  松浦祐也  渡辺大知
大森南朋  中村獅童

監督:田口トモロヲ
原作:地引雄一「ストリート・キングダム」
脚本:宮藤官九郎
音楽:大友良英

企画製作・配給宣伝:ハピネットファントム・スタジオ 
©2026映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』製作委員会

3月27日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

【物語】
これは事実を基にした物語。1978年、偶然ラジオから流れたセックス・ピストルズに衝き動かされた青年カメラマンのユーイチは、小さなロックミニコミ雑誌「ロッキンドール」に出会い、とあるライブハウスへと足を運ぶ。そこで出会ったボーカルのモモ率いるバンド「TOKAGE」のライブに衝撃を受け、無我夢中でシャッターを押した。そこは音楽もバンドも観客たちも何にも縛られない生のエネルギーに溢れた異空間だった。正式にカメラマンとしてライブの撮影を依頼されたユーイチはモモたちと交流を重ねる。やがて彼らの音楽は瞬く間に若者たちを熱狂させ、そのムーヴメントは“東京ロッカーズ”と呼ばれ、日本のロックを塗り替えていく。世界を変えたのは、才能だけじゃない。音に賭けた、名もなき若者たちの衝動だった。

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