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トップレポートオルタナティブ / インディーロックバンド4組の個性と実力がぶつかり合った『POOL SIDE』最終日

オルタナティブ / インディーロックバンド4組の個性と実力がぶつかり合った『POOL SIDE』最終日

2026.10.15

 下北沢SHELTERが今年10月でオープン35周年を迎えることを記念して、2015年よりつづくSHELTER企画イベント『POOL SIDE』が、9月21日(月)、25日(金)、27日(日)の3公演開催された。『POOL SIDE』はオルタナやエモなど、往年のSHELTERらしいバンドが世代を問わず出演するイベント。35アーティストによる35公演連続ワンマンを開催する怒涛の周年月間を盛り上げるべく行われた、カラーの違う3公演の模様をレポートしていく(※21日のレポートはこちら。25日のレポートはこちら)。
 
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 最終日、9月27日(日)は、SHELTERにゆかりのあるオルタナティブ / インディーロックバンド4組が集結。tricotのベーシスト、ヒロミ・ヒロヒロによるソロプロジェクトFennel、SAGOSAID、VINCE;NT、Dead By Inches、そしてDJ:G2(LIKE A FOOL RECORDS)ことcinema staffの辻友貴(Gt)が出演した。VINCE;NTのメンバーはSAGOSAID、Fennelのサポートも務めており、Dead By Inchesは、VINCE;NTのYusuke Shinma(Gt/vo)とSAGOSAIDことSAGOが経営するスタジオREIMEIでレコーディングやライブを行ったこともある。また、Fennelと、Dead By InchesのベースTowaが加入しているEwoks(25日に出演)は辻がオーナーを務めるレーベルLIKE A FOOL RECORDSから音源をリリースしていたりと、つながりがあるからこその和やかな空気に包まれながらも、ステージではそれぞれの個性がバチバチとぶつかり合う瞬間もしっかりと見られた。
 
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 一番手は、昨年6月に恵比寿LIQUIDROOMで開催されたSHELTER×ERA共催イベント『EMOTIONAL RIOT』にSAGOSAIDと共に出演したVINCE;NT。ダークで重厚感のあるヘビーなサウンドと、緊張感のある静けさから激しく疾走していく展開にぐっと引き込まれる。神経に障るような冷たいギターが不意に鳴り、不快感と心地よさが同時に込み上げる。不穏なサウンドの中で何かが解放されていく感覚。「DAYBREAK」では、大人しい少女のような風貌のサポートメンバーがステージに登場すると、無表情ながら鬼気迫る勢いでトランペットを吹き鳴らした。邪悪なサウンドの中、一心不乱にトランペットを吹く彼女の姿とその音色は、まるで少女の悪夢を具現化したかのようだった。
 
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 そしてライブ終盤、フロアにいた辻がふらふらとステージに上がったかと思うと、激しくギターをプレイ。体を折り曲げギターを弾き倒す辻に引っ張られるようにメンバーの熱も上がっていき、予期せぬサプライズと圧倒的な演奏に会場が盛り上がった。
 
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 二番手は、昨年12月に開催された『POOL SIDE』にも出演したDead By Inches。2020年に結成し、現行のインディーロック、ドリームポップなどの影響が色濃く反映されたオルタナティブなサウンドと、YUIに影響を受けたというmiai(Vo/Gt)のクールな中に幼さの残るボーカル、そしてアートワークなどからも感じる全体的なセンスの良さがすぐに話題を集め、海外のフェスにも出演。メンバーチェンジを経て2024年に現体制に。以前はそれぞれの違った個性がいいアクセントになっていたが、現在はバンドとしてのまとまりを感じる。
 
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新譜のリリースが待たれる中(※11月に1stアルバムの発売が決定)、この日は半分近く新曲を披露。まったりとしたムーディーな静けさからの轟音に圧倒された。途中、miaiが使用していた機材のトラブルがあり、ノイズが鳴った途端、瞬時にメンバーが駆け寄る姿に彼らの仲のよさ、人のよさがにじみ出ていた。「That I」、そしてラストの「Hera」などクールで熱量の高い演奏を聴かせた。
 
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 次に登場したのはFennel。ヒロミの産休を経て今年EPをリリースし、8月にSHELTERで行った自主企画の際には、「休止期間中、時間に取り残されているような気がしていた」と話していたが、「まどろみBABY」「ネモフィラ」など、たっぷりの愛情を感じる温かくて優しい楽曲は、出産という貴重な経験を経たからこそ生まれたものだろう。
「Dead By Inchesは今日はじめましてなんですけど、好きで聴いていたので対バン出来て嬉しいです」(ヒロミ)
 
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 Arisa Katsu(Gt / VINCE;NT)、山﨑聖之(Dr / CONFVSE / fam / The Firewood Project / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / toddleサポートなど)、庫太郎(NENGU / Eupholks)というそれぞれが様々なバンドで活動する実力派揃いのサポートメンバーに加え、tricotでの弾丸のようなプレイとはまた違った演奏を聴かせるヒロミの高い演奏力、そしてそれ以上に全員が楽しそうに演奏する姿が印象的だった。特にラスト「drunker」での山﨑の激しいドラミングに呼応するように白熱していく、全員のキレのある演奏は圧巻だった。
 
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 そしてラストは、昨年9月に行ったワンマンライブ以来、1年ぶりのSHELTER出演となるSAGOSAID。涙ぐみながら本音を吐露した感動的なあの日のライブと同じ「Am I afraid of dying?」でスタート。海外公演などを経て再びSHELTERのステージに立った彼女は、去年よりどこか大きく見えた。「the shore, you」「In REIMEI」の冷たく孤独な世界観に加え、SAGOのちょっとした仕草、目線が楽曲のクールさを助長してめちゃくちゃ格好いい。ビジュアルのことを言われるのは本人は抵抗があるかもしれないけど、衣装も含め、ステージでの彼女の立ち姿はやっぱりすごく魅力的で、終始くぎ付けになってしまう。楽曲のよさ、サポートメンバーたちの重厚な演奏はもちろん、女性のファンは特に彼女のビジュアル面に憧れる人も多いと思う。
「サポートメンバーのKimura(Ba / VINCE;NT)が今日でラストなんですけど、どう? まだやりたくなった?(笑)」(SAGO)
 「Chinese Restaurant」、そして「dance / wings」では、痛みと優しさが入り混じった歌詞とダイナミックなバンドサウンドに、胸がいっぱいになった。
 

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 毎回『POOL SIDE』というイベントに感じるのは、演者、観客の雰囲気のよさ。この日は特に演者同士つながりがあり、共通のお客さんが多いというのもあったかもしれないが、和やかな雰囲気から演奏中はキリッとするモードの切り替えや、「負けられない」というそれぞれの熱量に格好よさを感じた。また、若手~ベテランがクロスオーバーする場でもあり、SHELTERの歴史と未来をつなぐ素敵な3公演だった。
 
Text:小野妙子 / Photo:町田千秋(@HLG2524)
 
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POOL SIDE -SHELTER 35th Anniversary IGNITION GIGS-
2026年9月27日(日)下北沢SHELTER
 
【出演】
Dead By Inches
SAGOSAID
VINCE;NT
Fennel
 
DJ:G2(LIKE A FOOL RECORDS)

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