オープン10周年を迎えたLOFT9 Shibuyaで行なわれてきた、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの第一人者である伊藤政則が各界著名な豪華ゲストを招くトークイベント『政則十番勝負2026』。
後半戦五日目、遂に最後の勝負となった10月12日(月・祝)は「同級生メタル対決」と題し、ライター/ラジオパーソナリティの武田砂鉄、ビクターエンタテインメントの杉山頼行をゲストに迎えて開催。
「メタルは人を救う!」と公言するほどのヘヴィ・メタル愛好家として知られる砂鉄、現在はLOVEBITESやHELLOWEENなどを担当するビクターA&Rの杉山(LOVEBITESファンの間では“杉ちゃん”、“S山さん”の愛称で知られる)は、明治学院中学校・明治学院東村山高等学校の同級生。
砂鉄と政則先生と言えば、文化放送の番組『武田砂鉄 ラジオマガジン』の開始間もない時期に名物コーナーである「ラジマガインタビュー」に政則先生がゲスト出演(2025年10月)、「60年代の深夜放送から若者を結ぶ場所としてラジオの世界は何も変わってないよ。Carry on! Keep the faith!」という名言を先生が残したことも記憶に新しい。
余談だが、砂鉄はこの日の前日もLOFT9 Shibuyaのステージに登壇。吉田豪、しまおまほ、コンバットRECによるイベント『Salon de GMC』に最新著作『書くとは何か』のプロモーションを兼ねてゲスト出演した。『武田砂鉄 ラジオマガジン』は秋休みのため先週から休演しているのにLOFT9 Shibuyaにはしっかり2日連続出演するという、ラジオの世界で引く手あまたとなった今なおサブカル魂を決して忘れない砂鉄なのだった(有難いことです)。
定刻の18時半きっかりに始まった“十番勝負”千秋楽は、「千秋楽にしては地味な面子ですね」と砂鉄がのっけから笑いを誘う(今日の杉山の参加は砂鉄からの提案だったとか)。なお、政則先生はジャケットの下にTHIN LIZZYのTシャツを着用、砂鉄は先月来日したamorphisのTシャツを着用するという“正装”。杉山は一人だけ“正装”じゃないことを突っ込まれる。
砂鉄と頼行は学生時代に多摩湖へしし座流星群を見に行くほど仲良かったそうで、高校の頃は共に放送委員を務めていた。ミッションスクールなので放送で讃美歌をかけなければならないなか、いかに先生に気づかれずに反キリスト的ロックを背徳的にかけるかに躍起だったという。政則先生が「じゃあ讃美歌唄える?」のフリに二人がどう対応したかはぜひ配信アーカイブをご覧いただきたい。
当時は意外にもロック好きな先生が3人もいた話、ヘヴィ・メタルの洗礼を浴びる入り口は何だったのか、杉山が住んでいた小平市はぎりぎりBAYFMの電波が入った話(砂鉄在住の東大和市は電波が入らなかったのでFM FUJIを聴いていた)、1982年生まれの二人が体験した90年代半ばのハード・ロック/ヘヴィ・メタル受難の時代(グランジの台頭)、杉山がメタル寄りの激しい音楽を聴くようになった経緯、それでLED ZEPPELINと巡り合った話(ワーナーの“Forever Youngシリーズ”でオリジナル作を9枚まとめて購入〜なぜ一気に9枚まとめて買ったのか?)、放送委員として流した番組内容(全く人気のない先生のロングインタビューもあったとか)など、砂鉄と杉山の回想が続く。
中学時代に共にサッカー部だった二人だが、高校になると砂鉄はバレー部に入り(なんとキャプテンに任命)、杉山は中学時代と同じくサッカー部で活躍。中高は勉強の成績が散々だった杉山が今やレコード会社のA&Rとして海外のアーティストと英語で交渉している凄さを砂鉄が語り、政則先生は都内屈指の焼鳥屋での食事に杉山を誘ったときの珍エピソードを語るなど、政則先生と砂鉄に挟まれた杉山がイジられる格好に。
その後、杉山がビクター入社前に勤めていたロードランナー・ジャパンの話となり、そもそもロードランナーでのバイトの話を紹介したのは砂鉄だったとか。ロードランナー在籍時の杉山は何でも屋だったそうで、砂鉄は杉山の依頼でPE'Zのライブレポートを書いたこともあったという。
杉山がこれまでで一番売ったアルバム(ヒントは蟹ジャケ)、杉山が契約して一番印象に残っているバンド、一番仲の良い担当アーティスト、もうちょっと売れても良かったと思うアーティストなど、政則先生と砂鉄にツッコミを入れられながら杉山が飄々と語るトーク後半も笑いが絶えない。
杉山が作成するCD帯のタタキにはセーソクイズムを感じると豪語する砂鉄、その例としてamorphisの『Silent Waters』の帯タタキを話す杉山。そして杉山のセーソクイズムの萌芽は学生時代からあったとして、砂鉄は卒業文集に寄稿した杉山の文章を読み上げる。その文章が実に“Masa Ito”的で、多感な十代だった杉山が(もちろん砂鉄も)いかにセーソクまみれだったかが窺えた。
最後はコント同好会(承認前)として披露したクリスチャンコントの話、砂鉄が手がける政則先生の自伝の話で締め、話が四方八方へ飛びまくりながらも笑いっぱなしの90分。セーソクチルドレンによるセーソクまみれの絶品トーク、ぜひ配信アーカイブで堪能していただきたい。
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チケットは10月18日(日)21:00まで購入可能、アーカイブは同日23:59まで視聴可能となっている。
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