食べる前から「これ美味かねぇ!」と言う習性
──アクシデンツと対バンしたレピッシュは、原島さんとすぐに打ち解けたんですか。
MAGUMI:大宮フリークスでアクシデンツとやったときは、原島君が隣の楽屋で暴れてて。「キサンら! レピッシュなんてガキのごたぁバンドに負けてどげんするとッ!?」って言いながら、壁や椅子をバッコンバッコン蹴り散らしてるのが聞こえた(笑)。
杉本:そのヤバいところへちょうどわれわれが通りかかってしまった。そしたら原島君が最高の笑顔で「ウィ!」って挨拶してくれた(笑)。
──九州の中で際立つ熊本県人特有の気質みたいなものってあるのでしょうか。純粋で正義感が強い肥後もっこすであるとか。
杉本:どうかなあ。でも原島君は熊本で育ったわけじゃないからね。
MAGUMI:出身は熊本だけど、基本的に福岡育ちなんだよね。ご両親が熊本だから気質はあると思うけど。
水戸:だけど山口出身の俺からすると、なるほどなあと感じたことはあった。俺が博多へ行ってすぐくらいに知り合った、暴走族をやってた2つ、3つ上の先輩が言うには、「ケンカになって一番面倒くさいのは佐賀の連中。熊本の奴らはカーッとなるのも早いけど、忘れるのも早い」と。確かにMAGUMIと恭一、それにハメチは近いところがあるのかなと思う。
岡本:熊本県人がみんな壁や椅子を蹴り散らすわけじゃないけどね(笑)。
水戸:確かにそれは風評被害だな(笑)。
──そうした九州勢の有り様みたいなものは、東京育ちの延原さんには異質に映っていたんですか。
延原:まあでも、みんな東京で会って仲良くしてたからね。
MAGUMI:延ちゃんの上品さは俺たちと全然違うよね。
水戸:それは俺も思う。何やかんや言って延原は根っこのとこが上品よね。
──MAGUMIさんと恭一さんは、原島さんとの距離が近づいたきっかけを覚えていますか。
杉本:うーん。いつの間にかだよね。
MAGUMI:俺は覚えてる。確か原島君のイベントに呼ばれたんよ。『アトミック・カフェ』っていうロフトでやってたイベント(1986年12月27日)。そのときに俺と恭一があまりにネイティヴな熊本弁を話すもんだから「お前たちは凄かねぇ!」って気に入られて、そこから仲良くなった。
杉本:ああ、それは覚えとる。
水戸:ぽいわ。そういうとこの評価点が凄く高いもんね。東京に負けじと熊本弁を使っとるってとこが。
杉本:原島君は福岡育ちやから、一文字のぐるぐるば知らんかったけん。俺とMAGUMIしか分からん話やけど(笑)。
── 一文字(ひともじ)のぐるぐるとは?
杉本:一文字というネギを茹でてぐるぐると巻き付けて、酢味噌で食う熊本の名物。それを40代の頃かな、熊本の居酒屋で見た原島君が「何やこれはッ?!」って驚いてた。いや、熊本の人間ならこれ知ってないといかんでしょ、って(笑)。
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──居酒屋といえば、鶏の唐揚げを食べる前に誰かが勝手にレモンを絞ると原島さんが激怒したのをよく覚えているのですが(笑)。
水戸:そう? 俺の記憶では、むしろ勝手に絞ってたタイプだと思うけど。せっかちなところがあるから。
MAGUMI:食べ物の話でいくと、原島君は食べる前から「これ美味かねぇ!」って言うよね(笑)。
岡本:俺もそれに似た場面に出くわしたことがある。初めて入った店に入って1秒で「落ち着くねぇ〜!」って(笑)。いやいや、初めて来た店でしょ?! って。
水戸:それそれ! 「美味いねぇ!」に並ぶもう一つの名言。一時期、俺と岡本の間で流行った局地的流行語大賞(笑)。ハメチと同じアパートに住んでた頃、夜の12時過ぎに腹が減ってラーメンを食いに行ったときも麺をすくいあげただけで「美味いねぇ!」って言ってた(笑)。いや、あなたまだ一口も啜ってないよ? って言うと「そうやった、そうやった」って。
岡本:いつだったかみんなでラーメンを食べたときもハメチが「美味いねぇ!」って言うんだけど、伊東ミキオ君が「この麺、ちょっとアンモニア臭くないですか?」って言ったら「アンモニア臭いねぇ!」ってでっけぇ声で即答したのは笑った。あなたさっき「美味いねぇ!」って言ってたやん! って(笑)。
水戸:あるある。そういう流されやすいとこが(笑)。
──水戸さんは、原島さんと同じ動物園でバイトしたことがあったそうですね。
水戸:福岡市動植物園の駐車場のバイトね。先にハメチが始めてて、「とにかくラクやけん、お前もやれよ」って言われて。でもね、ハメチが働いてたのは山の上の駐車場で空いてたの。俺は下にあるメインの駐車場で、死ぬほど忙しくてね。話違うやん! って(笑)。同じ駐車場なのに、ハメチは「今日ずっと暇で、スポーツ新聞の全ページ読んだじぇ」とか言って(笑)。















