monobrightとヒダカトオルの化学反応
── 『オードリー・ヘプバーン泥棒』は有頂天のカヴァーですが、選曲はヒダカさんですか?
桃野:この提案はでーさん(出口)なんです。
出口博之(Ba):僕82年生まれなんですけど、中高生の時に好きだった音楽がバンドブームの時代のものが多くて。
ヒダカ:みんながブラー、オアシス、ハイスタって言ってる時に、有頂天とか筋少、BOφWYって言ってたんだよね。10歳ぐらい年ごまかしてるんじゃないの(笑)?
── お兄さんがいるんですか?
出口:いえ。いとこがその世代で教えてもらったのもありますけど、そこからさかのぼって聴いてみると、渇望感みたいなものが沸いてくるんですよね。憧れのままでいるバンドもたくさんいて。
ヒダカ:80年代のバンドって、ゆとりが全くなくて野蛮だよね(笑)。
出口:0か100かの振り切り方が。
松下:哀愁もありますよね。
出口:もうこれしかないんだよねっていうのがかっこいいなと思ったんです。それで、80年だったりを実際に過ごしてきたヒダカさんと僕らが合わさった時にすごく楽しくなるのかなって、そういう考えで選びました。
── 自分たちを入り口に、こういうバンドもいるんだよという紹介をしたい部分もあります?
出口:というよりは、自分たちも下の世代に引き継がれるバンドになりたいと思ってます。
── ところで、みなさんの音楽ってUK色が強いですけど、今回ジャケットは完全にアメコミ風ですよね。
ヒダカ:良い意味で洋楽っぽくなるといいねってことですね。日本の若いバンドは8割強が洋楽に憧れているだろうし、洋楽に憧れてバンドを始める人が圧倒的に多いと思うので、UK、USどちらでも良いので音楽の感じやジャケの感じ全部含め海外っぽいと良いなと。だけどふたをあけるとドメスティックな面白さもあるみたいな。そこのテーマはビート・クルセイダースとあまり変わらないんです。
── なるほど。それと、タイトルの『淫ビテーションe.p.』はどういう意味なんですか?
ヒダカ:音楽の専門用語でインピーダンスというのがあるんですけど、作業中に松下が言い出して、あまり使わない用語なんですけど妙にツボに入っちゃって、『ACME』に入る『淫ピーDANCE』という曲が出来たんですよ。
松下:それの招待状という意味で『淫ビテーションe.p.』。
ヒダカ:楽屋でワイワイ騒いでるそのままの感じがタイトルだったりになってます。
── 『ACME』のダイジェスト盤(10月に限定配布)は聴きましたが、もっと聴きたくなる衝動に駆られますね。
桃野:あれじゃ不十分ですからね。『淫ビテーションe.p.』で挨拶的なものを見せた分、4枚目は濃厚な5人の新生MONOBRIGHTになるのではないかなと思います。ダイジェスト盤ではヒダカさんの歌声を俺の声に変えてますから。
ヒダカ:俺の声はバレちゃいますからね(笑)。より暑苦しく濃厚な感じになると思います。ツアーでも演奏していく予定なので、確かめて頂きつつ。今年はロフトもリベンジしたいね。
桃野:2007年のあのライブ以来やってないですからね。お客さんの引き具合がトラウマになってるみたいです(笑)。