美輪明宏さんが亡くなりました。
以前、友達が住んでいた街のコンビニエンスストアに、美輪さんが現れるという噂があって、「本当なのかなぁ、美輪さん、コンビニなんて行くのかなぁ」と思っていたら、実際に、そのコンビニで、美輪さんを見たことがあり、わたし驚いたのでした。
コンビニでの美輪さんは、テレビやメディアに出ているときみたいに着飾ってはおらず、柔らかそうな服を着た、髪の色が派手なおばさんみたいなおじさんでしたが、まったく違う次元から地球にやってきた雰囲気もあり、とにかく圧倒されました。
美輪さんの活動に関しては、オーラだとか、前世だとかいうのを、横からのぞいていた程度で、自分は影響を受けていない気もしていたのですが、いろいろ思い返すと、そのオーラ活動で記憶が追いやられてしまっていましたが、わたしは、美輪さんの歌に、相当な影響を受けていました。
自分は、鉄割アルバトロスケットという、ヘンテコなパフォーマンス団体をやっているのですが、ここでは、美輪さんに影響されてつくった演目がたくさんあります。どうもありがとうございます。
そんな美輪さんが唄っているもので、よく聴いていたのは、「ミロール」と「星の流れに」という歌です。
これは、以前も、この『音楽番外地』で紹介しているような気がしますが(編注:第九回で紹介)、野坂昭如のアルバム『不浄理の歌』に入っているライブバージョンのもので、とにかく、美輪さんのパンチの効いたMCから、「星の流れに」、そして「ミロール」と最高の流れになっています。
とにかく美輪さんの唄い方は、演劇的で、過剰とも思える表現ですが、嫌味になったりバタくさくならないで、ビシッとはまってしまうのが魅力だと思います。普通の人がやったら、やりすぎだろうというのが、まったくやりすぎにならない不思議さがあるのでした。やりすぎても、やりすぎにならず、どんどん、まだまだやってもらいたいとも思えてきます。
そのような表現としては、やはり、「ヨイトマケの歌」が有名ですが、わたしは「ミロール」や「星の流れ」のほうが好きです。
「星の流れに」は、戦後の娼婦、パンパンと呼ばれていた方の歌で、菊池章子さんという方が唄っていたそうです。とにかく、この歌の始まりの美輪さんのMCがすごくて、さらに唄い方の過剰さが、とんでもない。
また「ミロール」は、フランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフの歌ですが、ピアフから、完全に美輪明宏のものにしてしまっているところも凄まじい。
なにはともあれ、表現が大袈裟すぎて笑えてしまうところもあるのですが、妙なリアリティもあって、本当に凄まじい唄い手であると思えてくるのです。
そして、勝手に考えたのですが、美輪明宏の、この感じ、過剰な感じ、奇妙な感じ、これ、スクリーミング・ジェイ・ホーキンスに通じるところがあるようにも思えます。
そこで、この二人が、デュエットでもしたら、最高に楽しい歌ができたのだろうと思えてくるのです。
棺桶から出てくる方と、オーラをまとって天使のように出てくる方、この二人が、「アイ・ラヴ・パリ」なんてデュエットしたら、最高だったのではないかなんて思えてくるのでした。
なにはともあれ、美輪明宏の「ミロール」と「星の流れに」、そして、パンチの効いたMCを、どうぞ堪能してみてください。


































































