赤塚不二夫の没後10周年をみんなでバカ騒ぎして偲ぶイベント『フジオロックフェスティバル』の2日目公演が8月2日(木)に恵比寿ガーデンプレイスで開催された。
赤塚不二夫先生の命日のこの日は、日本一バカな盆踊り「バカ盆踊り」と「ボツ10年ライブ」の二本立て。
17時を過ぎて「バカ盆踊り」会場に現れたのは謎のバンド、OBANDOS。バケツや空き缶にホースといった生活用品を楽器に改造した珍妙な編成のこのグループ。正体は安齋肇、しりあがり寿、白根ゆたんぽら漫画家、イラストレーターで構成される自称ノイズ系の工作バンドだ。
OBANDOSのゆる〜い演奏で場内がゆる〜く和んだ後は、おそ松さんやウナギイヌが櫓に上がって一挙にヒートアップ。
さらに前日に引き続いて大友良英スペシャルビッグバンド+芳垣安洋+二階堂和美、珍しいキノコ舞踏団が登場。フジオロックフェスの会期間中、すっかりお馴染みとなった「フジオ音頭」をみんなでバカ騒ぎして踊り、不二夫先生を偲んだ。
ザ・ガーデンホールの「ボツ10年ライブ」はLEO今井の熱いパフォーマンスで幕を開け、昨年のバカ田大学音楽祭にも出演した矢野顕子が続く。「ついこの間までフジロックの番外編に出るんだと思い込んでました」と客席の笑いを誘い、「たくさんの方々が予想していたと思うのでそれに沿ってみました(笑)」と1曲目に「BAKABON(1991)」を唄う。矢野顕子のピアノ弾き語りは落語にも通じる。楽屋で食べたおかずの味の話がマクラとなって「ラーメンたべたい」に自然に入っていくさまは上質の落語を聞いているよう。
3人編成となった新生Sweet Robots Against The Machine。TOWA TEI、砂原良徳、バカリズムの3人が揃ってのライブ・パフォーマンスはこの日が初めて。すべての曲にVJが入っての凝った映像をスクリーンに映し出し、女子高生ダンサーのアオイヤマダが加わるなど、ステージ全体をビジュアル作品として捉え、魅せるパフォーマンスを展開する。
ライブならではの見せ場はラストナンバーの「ダキタイム(Dakitime)」。「5〜6回リハーサルやってるけど、2回ぐらいしか成功してない…」と緊張気味のバカリズム。アルバムでは女優の夏帆とのテンポ良い掛け合いの歌詞を、なんと一人二役で披露。コンマ1秒のズレも許されないなか、バカリズムが見事に唄いきると、オーディエンスもホッとしたように喝采を送ったほど。
第1回『フジオロックフェス』のトリを務めるのはTHE BEATNIKS。前半は新アルバム「EXITENTIALIST A XIE XIE」に収められた曲を静かに噛みしめるように聴かせていく。中盤に「ちょっとツラインダ(1987)」や「NO WAY OUT(1981)」等の初期ナンバーも披露され、古くから応援してきたファンを沸かせる。後半はアグレッシブな演奏で客席をじわじわと熱くさせていく。
そしてラスト・ナンバーは「シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya」。昨年の赤塚不二夫生誕80年記念「バカ田大学祭ライブ」で初披露され、今やTHE BEATNIKSの定番曲。フジオロックフェスの締めに最も相応しい曲だ。高橋幸宏がメンバーを紹介してる傍ら、鈴木慶一は待ちきれんばかりに、この曲の振り付けアクションを始め出し客席を煽る。
「スペシャル・ゲストを紹介します!」と呼ばれたのは「のん」。彼女がステージに表れるや場内から大きな歓声が上がり、間髪入れずにスタート。「シェー・シェー」と手をクロスさせ、「Yeah・Ya・Ya・Ya」と両手を広げるアクションをメンバーとオーディエンスが一体となって楽しみ、場内の熱気も最高潮に。まさに会場がひとつになって、命日をみんなでバカ騒ぎ。
2日間に渡って開催された『フジオロックフェスティバル』はこれにて終了。このバカ騒ぎを、赤塚不二夫もニコニコしながら見ていることであろう、きっと。
<PHOTO:南賢太郎 / 三橋由美子 / カニタマ>
【フジオロックフェスティバル 2018 / 2日目(8月2日)】
<ボツ10年ライブ / セットリスト>
☆LEO IMAI(LEO今井、岡村夏彦、シゲクニ、白根賢一)
01.Wino / 02.Bite / 03.New Roses / 04.Fresh Horses / 05.Tokyo Lights〜Heroes
☆矢野顕子
01. BAKABON / 02.夏なんです / 03.ラーメンたべたい / 04.夕焼けのなかに / 05.ひとつだけ
☆Sweet Robots Against The Machine(TOWA TEI+砂原良徳+バカリズム)
01. フューチャリズム(Futurism) / 02.非常識クイズ(Insane quiz) / 03.捨てられない街角(Boxes) / 04.ダキタイム(Dakitime)
☆THE BEATNIKS(高橋幸宏+鈴木慶一)
01.Crepuscular Rays / 02.鼻持ちならないブルーのスカーフ、グレーの腕章 / 03.ほどよい大きさの漁師の島 / 04.ちょっとツラインダ / 05.NO WAY OUT / 06.I've Been Waiting For You / 07.Ark Diamant / 08.Dohro-Niwa / 09.シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya(ゲスト:のん)
フジオロックフェス2日目! 赤塚不二夫の命日はみんなでシェー・シェー・シェー!
2018.08.03