2012.3.08(Thu)新宿LOFT
HERE PRESENTS 『GLAMOROUS STUDY:Point 6』
HERE vs 9mm Parabellum Bullet
<HEREサポートミュージシャン>ハジメタル(Key/誰でもエスパー)、垣内雄太(Perc/THE RODS、Anyango)
ゲストDJ:ピエール中野(凛として時雨)
2012年2月17日(金)下北沢SHELTER。数々の衝撃を与えたHEREの“GLAMOROUS STUDY”(W:mudy on the 昨晩 / another sunnyday)から1ヶ月も経っていない3月8日(木)新宿LOFT。今後語り継がれる伝説となった一夜だった。
HEREが9mmに熱烈オファーを繰り返して実現したこのイベント。当日、超満員のLOFTのステージに最初に登場したのは9mm Parabellum Bulletだ。フロアは無数の手が挙がり、大歓声で迎えられる。この日、相当な気合で挑んでいることは対談の時からも感じていたが、1曲目から『Survive』『Cold Edge』など、こんな早い段階でこの曲を演奏するのか! という曲を畳みかけ、いきなりフルスロットルで飛ばす。フロアもすでに団子状態。ステージの菅原、滝、中村の3人も、挑発するようにいつもよりも多くステージ前方に張り出し、滝と中村に至ってはステージ脇のスピーカーに飛び乗ってフロアにかなり近い距離での煽りから、フロアの熱気と湿気がグイグイと上がっていく。また、『Keyword』では、9mmのギターヒーロー・滝が、HEREに先制パンチをくらわすかのようなギターソロを高らかに鳴らす。新曲の演奏があったり、“HERE vs 9mm Parabellum Bullet”なだけに、かなり本気の選曲だと感じた。途中MCでは、2月17日に下北沢SHELTERで行なわれたHEREのライブを見に行ったこと。そこでHEREのステージから受けた衝撃などを菅原が語る。
後半戦は、『Termination』『Black Market Blues』『Punishment』って何なんですか、このセットリストは! 最後の最後まで立て続けに演奏されるハイボルテージな楽曲群。『Black Market Blues』での中村によるベース置き去り奏法(対談参照)はLOFTでも健在。そして最後はこの曲『Discommunication』。この曲で毎回楽しみにしている、かみじょうのスティック裁きは私が立っていた位置からは見えなかったが、フロアのエネルギーは最高潮に達し、メンバーはこれでもかという張り出し、たくさんのひっかき傷を残してステージを降りた。
そして始まったのが、“かみじょうさんじゃないほう”のピエール中野によるハイテンションDJ。マキシマム ザ ホルモンやPerfumeのナンバーに、嵐の『A・RA・SHI』はピエールが気持ち良く熱唱。次に登場するHEREを紹介するにあたり、「俺に向けた目と同じように、あのバンド大丈夫なのか? って目でHEREを歓迎してくれ」とHERE愛を話し、再びフロアを興奮の渦へ。会場が一体となった激アツの25分間だった。
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そして、最後はイベントの主宰でもあるHEREの登場。サポートメンバーのハジメタルや垣内雄太を含めた6名が続々と登場し、最後にボーカル尾形回帰がステージに上がり計7名。アイシャドウをたっぷりと塗った顔に、80'sのような衣装。明らかに9mmともピエール中野とも雰囲気が違い、フロアはHEREを初めて見る人も多く、期待と興奮、そしてじゃっかん異様な空気に包まれている。1曲目は“ロックは爆発だ!!!!”という言葉が印象的な超ハイテンションなロックナンバー『COME ON!!!! 〜ロックは爆発だ!!!! 無敵FACEで会いましょう〜』だ。フロアは手を挙げて盛り上がる人、まだあっけにとられている人、様々な表情が窺える。しかし、武田&三橋によるツインギターが炸裂すると、徐々にフロアが彼らのステージに魅了されていく。妖艶な照明に照らされてカマキリの生態系について突然尾形が話し始め、フロアには再び“これは何?”という5文字が浮かんでいたような気がしなくもないが、その流れで『さらば、カマキリ夫人』へと続く。この日のライブに合わせて制作されたシングル『みっともないぜ 愛がこぼれてる』と『絡みつくような愛をくれてやる』の2曲は、これまでのライブでは何度か演奏されている曲だが、初めて聴く人も多い中で大いに盛り上がっていた。『絡みつくような〜』の“何度擦ってもダメさ 洗っても消えないほどさ まるでカレーうどんのシミみたい”という歌詞が最高(笑)。
中盤で演奏された『POWER TO JAPAN』はLOFTで演奏したかったというようなことを尾形がMCで言っていた気がするが、この曲は昨年の東日本大震災の直後にHEREを中心に18組のアーティストが参加したチャリティーソング。昨年7月8日はここ新宿LOFTでイベント“POWER TO JAPAN”を開催し、その日の出演者全員で歌った経緯がある。それだけいろいろな思いが込められたこの曲を歌い終えたところでMC。イタリアからゲストが来ているということで紹介されたのは、ヨシミツ・タキ! ヨシミツ・タキ…。このヨシミツ・タキこと9mmの滝と、HEREの武田&三橋によるギターヒーローのHAMPAないトリプルギターがLOFT中に響き渡り、演奏された曲は、待ってました!『AMORE AMORE』! 対談の時にも「『AMORE AMORE』で張り出した時のドヤ顔がすごかった」と、話の大半をかっさらっていたこの曲。超絶ギターに、情熱的な歌詞、ここにハジメタルのドラマティックなピアノが重なり楽曲により厚みが増し、ここにさらなる厚み(笑)、尾形のアナウンスで9mmメンバーとピエール中野が呼び込まれた。そうそう! 対談の時に言っていた。「出演者総出でドヤ顔しに行く」って。まさか本当に実現するとは! 菅原に至っては、フリも覚えたそうで、振り付きでノリノリ。全員で気持ち良く張り出してドヤ顔。一旦はけたと思ったら、再びキメの直前にゾロゾロ(笑)と登場し、総勢9名がステージギリギリに張り出してドヤー! もうこの時には、最初にあっけに取られて見ていた人たちもHEREのステージに釘付け&爆笑。ラストは『MANをZIしてROCKSTAR』を。HEREのライブが始まった時に比べると、上がっている手の数が比にならないぐらいだ。HEREもハイテンションなステージを見せ、後半彼らのボルテージが上がりきったところでメンバーが積み上がり(※組み体操をイメージしてください)、ロックトランスフォーム・“人間で作る太陽の塔”が完成。強烈なロックアクションを見せつけた。アンコールはやらないバンドではあるため、このまま終わるように思えた…。
が、メンバーに担がれた尾形がフロアをかき分けてバーステージへと向かう。そこには、既に猛スピードでライブステージから移動したメンバーが尾形の到着を待ち、そのままアンコールの『ENDLESSWALTZ』へ。状況を把握出来ていないフロアのお客さんが、一斉にバーステージへ流れ込むと、そこには汗まみれのHEREが演奏をしている。その横で見守る9mm+ピエール中野。最後の最後までハイテンションのHEREは、ここでもボルテージが上がり、演奏が終盤になるにつれて人ではなく今度は楽器を積み上げていく。しまいには楽屋にあるソファまでもが運び出され、最後に楽屋にあった電話を一番上に乗せ、HERE作のオブジェが完成し、ライブは終了した。
9mmのライブに何度も足を運び、ライブのオファーを繰り返し、対談の時に尾形が「ツアーのオープニングアクトでも良いから呼んで欲しいという話をしたら、“HEREのイベントに呼んで欲しい”って逆に言われて。そこで普通のロックバンドならビビってしまいますけど」と言っていたが、本当に9mmを対バンとして迎えるのは相当の覚悟が必要だったと思う。現に、当日1番手に登場した9mmのライブを見て、顔面蒼白になって震えながら楽屋に戻ってきたメンバーが何人かいたそうだ。またオーディエンスも、9mmやピエールのお客さんも多くいる中、最後にはその場にいた人を完全に巻き込んだ圧巻のステージを見せていた。エンターテインメントのショーとしても、HEREの底力を充分に感じられたライブだった。
HEREの“GLAMOROUS STUDY”3ヶ月連続企画、最後は4月30日の草月ホールでアルカラとの対戦。次の相手も相当手強い。HEREがどんなステージを魅せるのか、気になる人はぜひこちらに! Rooftopでは、HERE×アルカラ対談も掲載予定! (やまだともこ)
PHOTO BY:高畠正人(たかはたけ まさひと)
※写真はクリックすると拡大して見る事が出来ます。
2012.3.08 新宿ロフト
9mm Parabellum Bullet SET LIST
1.Suvive
2.Cold Edge
3.Vampiregirl
4.Keyword
5.新曲
6.光の雨が降る夜に
7.Bone To Love You
8.Muddy Mouth
9.カモメ
10.The Revolutionary
11.Black Market Blues
12.Termination
13.Punishment
14.Discommunication
HERE SET LIST
1.COME ON!!!! 〜ロックは爆発だ!!!! 無敵FACEで会いましょう〜
2.PASSION
3.さらば、カマキリ夫人
4.絡みつくような愛をくれてやる[新曲]
5.STANDARD LOVERS
6.みっともないぜ 愛がこぼれてる[新曲]
7.POWER TO JAPAN
8.AMORE AMORE
9.HAMPAねえな
10.MANをZIしてROCKSTAR
En.ENDLESSWALTZ
2012.2.17 下北沢シェルター
HEREセットリスト
1.MANをZIしてROCKSTAR
2.HAMPAねえな
3.AMORE AMORE
4.みっともないぜ 愛がこぼれてる
5.絡みつくような愛をくれてやる
6.クラシカルダイヴ
7.PASSION
8.COME ON!!!! 〜ロックは爆発だ!!!! 無敵FACEで会いましょう〜