6月1日に新宿LOFTのステージに立ったOLD JOE。2015年に解散し、2019年に一度下北沢のライブハウスに立って以来となるライブはチケットも即完、大盛況に終わった。SuchmosのYONCEことHedigan'sでも活動する河西洋介をボーカルに、真田徹(Gt)、カメヤマケンシロウ(Ba)、大内岳(Dr)の4人からなるOLD JOE。今回は河西・カメヤマ両氏がインタビューに臨み、多少踏み込んだことも尋ねてみたのだが、どんな質問にも紳士的に向き合って応えてくれて人間としても彼らのファンにならずにはいられない。6月のライブ前に敢行したインタビューも参照いただきながら読み進めていただけたら幸いだし、6月のライブ時に再びステージに立つと発表した10月26日(土)の新宿LOFTでの公演、および直後に控える大阪でのワンマン公演に行くという方はもちろん、行けないという方も。ボリューム多めでお届けする彼らの話を楽しんでもらいたい。(Interview:高橋ちえ)
解散はしてるバンドなんだけど、“面白ぇバンド”
──約5年ぶりのライブ、振り返っていかがでしたか?
河西:手応え的なものもあったし、やっぱり…新宿LOFTが(お客さんで)パンパンになってる景色ってすごいな、っていう感慨深さみたいなものが、かなり強かった印象でした。
カメヤマ:OLD JOEがワンマンでソールドアウトは、新宿LOFTではなかったからね。嬉しいという気持ちがありつつ、特別な感情にはなりましたね。ライブも普通に楽しかったですし。
河西:結局はそこに尽きるかもね。久々にライブをやって楽しかった、人前でできて良かった、っていう。去年に友達の結婚式で演奏したのはあったけどライブハウスで演るっていうのは違うし、前回から5年も経って…そういうのを踏まえると、面白ぇバンドだなっていう感じ。
カメヤマ:今回、新宿LOFTの樋口(寛子/ブッキング担当)さんが誘ってくれなかったらやってない可能性もあるし、LOFTのタイミングと俺らのタイミングがバッチリ合ったからできた、みたいな。
河西:それはすごく思う。星の巡りじゃないけどピシッと合わないとやっぱり、やれることもやれないなって思うから。ある意味、奇跡的なタイミングと言っていい出来事だったなと思うし、それを踏まえて10月にもう1回やれるっていうのはすごくありがたいことだなと思うし。
カメヤマ:解散してるバンドなんですけどね(一同笑)。
河西:堂々とやってますけど(笑)、解散はしてるんですよね。
──確かに、X(旧 Twitter)のプロフィールにも“2015年7月31日解散”って書いてますけど、解散しているという事実を難しく捉えてないと言いますか。
河西:そう、そう(笑)。
カメヤマ:やりたかったら、やる。呼ばれるなら、必要とされるんだったら。
河西:そこにメンバーの気持ちとかテンションが乗っかるのであればやる、それに尽きる。そういう意味ではすごい気楽だよね。仕事っぽい音楽のあり方では全くなく、逆に言うと誰かにケツ叩かれるでもなく。やるかやらないか、ただそれだけっていう。
カメヤマ:うん、実にシンプル。
──今回のインタビューはカメヤマさんがいらっしゃるので、振り返ってOLD JOEというバンドはカメヤマさんにとってどんなバンドでした?
カメヤマ:青春時代、ですよね。家族にも、兄弟にも近いような。なんだかんだでもう16(歳)ぐらいからだから、幼なじみを超えた友達と言うか…本当に、酸いも甘いも共有してきたところもあるし。皆、同い年っていうのもね。
河西:本当だよね、面白いよね。
カメヤマ:音楽を辞めてく奴らもいるけど、俺たちは音楽を続けていけてるから。基本的には皆、10年前と変わってないからその居心地の良さと安心感と、信頼みたいなところはあるのかなと思いますね。
河西:それは全くその通りだね。ケンシロウがこうするなら間違いないだろう、岳がこう叩くなら間違いないだろう、みたいなことで成り立ってるバンドで。もちろん“こうしたほうが良いだろう”って他のパートの話になることもあるけど、OLD JOEはマジで全員、(メンバーそれぞれの)1ネタを組み合わせて作る感じで、ノーがあんまりない。そんなバンドって実は珍しいんじゃないかなって思うし、それは他のパートに関心がないっていうことではなくて、制作中も“しっくり来てるから良いな”っていう感じが多かったりするし。バンド自体もそうだし、普通にプライベートでも4人の振る舞いとかは全然違って、ここは良いけどここは全然ダメだよね、っていうところももちろんある。けど、だからこそ友達も超えちゃってる関係で一緒にいる、みたいな。バンドと結婚は近いな、とすごく思いますね。って、ケンシロウ以外は未婚ですけど(一同笑)。
──前回のインタビューで、バンドを辞めたのは仲違いではないのは伝わっていたんです。単刀直入に伺うと、2015年でOLD JOEを解散したのは何が原因だったのでしょう?
河西:それこそ、結婚の喩えで言っちゃうと倦怠期みたいなものが来てしまったなというのが、解散の前の年ぐらいからあった…かなぁ。
カメヤマ:確かに。
河西:2013~4年ぐらいからふんわりと、各メンバーがOLD JOE以外の音楽活動が出てきたりもして。そっちはそっちで充実してる、けどOLD JOEが嫌なわけでもない、みたいな期間が2年ぐらいあったんですよね。
──そんなことも経ながらやっぱり、OLD JOEとして集まって。4人で音を鳴らし合っている。
河西:OLD JOEは本当に4人だけ、みたいなところが強いから。良くも悪くもですけど、自分たちで決めていいこともいっぱいあって。前回のライブも、新宿LOFTとの一連のやり取りを真田がやったりとか、機材の積み下ろしとかグッズの手配とか、大変なこともありましたけど、やっぱり楽しいですよ。他のグループは周りの人が手伝ってくれるけど(笑)、やっぱり、そういうことを忘れちゃいけないと思うし。
カメヤマ:初心に帰る、みたいなところがあるよね。
河西:それもそうだし、逆に言うと、そもそも初心から動いた時点でダメなんじゃね? みたいなことも時おり、思ったりするから。