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トップインタビューOLD JOE - 5年ぶりとなるワンマンライブ、渾身のリベンジマッチを"聖地"新宿LOFTで行なう意図と意義

5年ぶりとなるワンマンライブ、渾身のリベンジマッチを"聖地"新宿LOFTで行なう意図と意義

2024.02.29

 2008年に結成し、2015年に解散したOLD JOE。メンバーは、SuchmosのYONCEこと、本格始動したばかりのHedigan'sでもボーカルを務める河西洋介、RAMMELLS解散後はフリーのギタリストとして活動している真田徹、ソロでも活動しつつ様々なバンドでサポートベーシストとして参加するカメヤマケンシロウ、Hedigan'sほかバンドでもドラマーとして活躍する大内岳の4人。解散後に一度、下北沢GARAGEでワンマンライブを行なったのは2019年7月。それから約5年の月日が流れて今回、6月1日(土)に新宿LOFTでOLD JOEのワンマンライブが開催されることとなった。再びライブが見られる時を待ちわびていた方も多いに違いないこの日のライブに向けて、また遡ってOLD JOEというバンドが生まれた当時のことも振り返りながら。河西・真田の両氏がとても真摯に向き合い非常に有意義な時間となったインタビューを、彼らが語った言葉そのままにお届けする。インタビューを経て今は、このライブが心から待ち遠しい気持ちでいっぱいだ。(Interview:高橋ちえ)

新宿LOFTは“音楽のにおいが詰まって、積もっている場所”

──まずはOLD JOEというバンドが新宿LOFTに初めて出演された当時のことから聞かせてください。

河西洋介(Vo):最初は、2010年の19歳ぐらいの時に下北沢SHELTER(シェルター)に出させてもらいました。OLD JOEは結成当初からわりと“バンドで普通に食っていきたいね”っていうところがど真ん中にあったバンドだったんですけど、当時は地元・藤沢(神奈川)とか横浜のライブハウスであるとか、東京だと学生バンドが多く出ていた大岡山のPEAK-1と下北沢GARAGE(ガレージ/現在は閉店)には1、2回出させてもらっている中で。東京に出て登竜門的なところで演ってみたい、どこまで通用するのかは分からないけれど、腕試しをしようっていうところがあって。そういう中で新宿LOFT(ロフト)や下北沢GARAGEといったところを目指していたら、誰からか“シェルターで『TEEN'S MUSIC CAMP』(補足:現在も続くイベントで、当時は下北沢SHELTER&新宿LOFTの2カ所で開催していた)っていうのがあるよ”っていう話があって。

真田徹(Gt):当時ちょっとお世話になっていた方が教えてくれて。“ロフトって素人とかが出られるの?”って思いつつ、まぁ無理でしょ(笑)、って思いながら。

河西:それがまず、ロフトに出る一つの大きなきっかけで。あの当時、俺らの5〜6歳上の人たちまでがいわゆる典型的な、ライブハウスのブッキング担当の人たちと一丸となってツアーを組んだり、面白がってくれるレーベルやマネージメントの人と出会ったらデビューっていう段取りだったのが、僕らが10代後半〜20代前半の頃って大手のレーベルや楽器店、メディアとかが主催するコンテストが乱立した時代で。そういうところにももちろん、挑戦はしていたんですね。なんだけど、そういうところに僕らは気に入られなかった(笑)というのがあって。そんなバンドだけど新宿LOFTは面白がってくれてたのか気に入ってくれてたのか、初めてシェルターに出て以降も呼んでくれるようになって。僕らもロフトやシェルターで演るのは、ライブ自体の手応えもあったんですけど…音楽のにおいが詰まっている、積もっている場所で。他のライブハウスに出てもなかなか感じられるものではなかったので、ここで演ることに意味を感じるなというのがあって。俺も徹も他のメンバーも、OLD JOE以外のバンド活動も含めてもう人生の半分ぐらいはバンド・音楽活動をやってる。みたいになってきてる中でこの前、久々にロフトにお邪魔させてもらって思いましたけど、やっぱり他にはない場所だなって。相撲界の人たちは土俵を神聖な場所って言いますけど、ロフトには…たとえば京都の磔磔とかもそうですけど、目に見えない何かがあるというのを感じる、というのがあって。今までの良いご縁と、今回、また改めてロフトでライブができるっていうのがすごく嬉しいですね。

真田:でも、19歳とかで初めてステージに立った時はただビビってましたけどね(笑)。ロフトの(市松模様の)床も見たことがあるって思ったし。

河西:そうそう、それな!

真田:そして強そうなんですよ、ステージの袖にいるスタッフの人たちも(一同笑)。中学ぐらいから名前は知ってるライブハウスだったし、最初のライブがどうだったかなんていうのは正直、全く覚えてないですもんね。

河西:うん。

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──今も続く『TEEN'S MUSIC CAMP』がスタートだったのですね。バンドは2015年に解散した後、2019年に一度ライブを行なっていますが、今回、新宿LOFTでライブを行なうと決められたのは?

河西:まずは、2019年にやってみた手応えというのが一つあって。それで去年かな、バンドメンバー共通の友達の結婚式で“演奏してくんねーか?”って言われて。1回かな、リハをしたのって?

真田:うん、そう。

河西:やってみて…何て言うんだろう、パーマネントにやっているバンドはこういうことが起きないだろうなっていう話なんですけど、“むしろ良くなってる”っていう感覚があって。しょっちゅうツラを合わせてるわけじゃないし、定期的にライブをやってるわけでもない、友達の結婚式っていうたまたま転がり込んできた話ではあったけどOLD JOEという場所が、皆にとっての古巣なんだなっていうのがすごくよく分かる手応えで。でもそれこそガレージのライブの時に話してたんですけど、僕と徹はサッカーが好きでコパ・アメリカっていう南米各国が参加するサッカーの大会があるんですね。“次はその大会がある年に、またライブをやるか”っていう話はしていたりして。4年に1回の大会だから本当は去年に開催されるはずだったんですけど、コロナの影響で2024年に開催されることになったらしいぞっていう話が一昨年ぐらいの時点であったので。じゃあ2024年にやるか! って。(OLD JOEをやる)周期に関してはわりとそんな理由なんですよね。そしてロフトで演ろうっていうことも、ガレージのライブ後に話をしていて。

真田:確かそういうこと、言ってたな…話をした気がするな。ガレージで演ったのは、名物ブッカーの大橋さんにガレージの周年で呼んでいただいて。昔、活動をしていた時に出させていただいていた所にしか出たくないなってその時は思ってたし。

河西:そうだよね。それと僕の個人的な気持ちとしては、新宿LOFTでなんやかんや結構な回数のライブを演ってきて、バンドが解散する前ぐらいには良いライブができるようになってきたなという感じはあったんですけど、新宿LOFTという神聖な場所を、OLD JOEのフレーバーとかカラーで完全に満たすということができずで活動を終えてしまったので。そのリベンジみたいなものが一つのモチベーションというのは今回、あるんですよね。前にガレージで演ったのも似たような理由だったのかもしれないなって思うんですけど、OLD JOEという集まりは、いわゆる商業的な成功を収めたバンドではない。このバンドで改めてパーマネントに、世に真価と評価を問うてみよう、みたいなことは今現在のバンド内の気持ちとしてはないんですけども、やり残したことと言うか…取り逃がしてきたトロフィーを獲っていきたい、みたいなところがバンドとしてはあって。

真田:うん!

河西:リベンジマッチですね、一言で言えば(笑)。メンバーそれぞれいろんなフィールドで活躍はしてますけど、OLD JOEはデビューもしてなければ一度たりともバーコードの付いた音源も出したことのないバンドで。それでも全然バンドは続けて良いものだし、バンド音楽の聖地のような新宿LOFTでワンマンでライブをやるっていうのは…今、バンドを志す人も減ってるみたいなんですけど、バンドをやってみたいっていう人たちに対してもだし、カッコ悪かろうがみっともなかろうが、それでもバンドが好きでバンドを続けてるような同世代と僕らも気持ちは一緒なので、そういう人たちに向けて…って言えるほど僕らが偉いわけでも何でもないですけど、ワンマンでライブができるということに対して面白いなとか思ってもらえれば、と思ったりしてますね。

真田:そうだね、そもそもロフトでワンマンっていうのをやったことがないしね。河西くんを見たいっていうお客さんも多いとは思うんだけど、OLD JOEとして良いライブをする。今はそういう気持ちです。

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LIVE INFOライブ情報

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新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念
OLD JOE Oneman Live “Stay Old”
出演:OLD JOE[MEMBER:Vo 河西洋介 / Gt 真田徹 / Ba カメヤマケンシロウ / Dr 大内岳]
2024年6月1日(土)新宿LOFT
OPEN 18:00 / START 19:00
▼イープラスプレオーダー受付
2月29日(木)18:00〜3月9日(土)23:59
URLはこちら
▼一般発売
3月23日(土)10:00より各プレイガイドにてチケット発売開始
イープラス / Live pocket
問い合わせ:新宿LOFT 03-5272-0382

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