OLD JOEの曲は、10代の頃より今のほうがメチャクチャ良くなってる
──前回のインタビューで河西さんはカメヤマさんのことを“OLD JOEではメインソングライターでもある”と仰ってましたね。今回はカメヤマさんが他メンバー3人をどう見ているかを聞きたいですね。
河西:恥ずかしいな(笑)。
カメヤマ:岳はもう、“ドラムだな”っていう感じですね。顔も性格もドラマーで、昔からドンキーコングみたい(笑)っていう変わらないところもあるし、一番真面目なのかも。ストイックだし。
河西:そうだね。岳に限らずドラマーに共通してるのかなって思うけど、どのステージでもアイツは一番後ろに座ってさ、一緒にステージを共にする人の背中をずーっと見て、全体を見てる。それって何だか、すごい人生だなって思うな。
カメヤマ:俯瞰して見ててね。だから一番冷静っちゃ冷静なのかもしれない。ライブ中は冷静ってことはないけどね(笑)。
河西:そうそう。普段見てるところから解き放たれるためにドラムがあって、野生に戻る、みたいな。
カメヤマ:ライブで爆発する、みたいなところなのかもしれないね。徹はどうだろうなぁ…大学も一緒でずっと遊んでたんですけど、職人気質みたいなところがあるよね。ギターに関してもそうだし、対外的な事務的なところもやってくれるし。まぁ、面白いヤツではありますよね。皆でいる時はずっとふざけてて、冗談言ったりしてるし(笑)。
河西:アイツが一番ふざけてるんですよ、実は。バンドにおいてギター以外にはあまり関心がないと言うか…本人的には絶対にそんなことはないんだろうけど、バンドにコミットするスタンスとして、アイツの中で他のパートのことはどうでもいいところがあって。“俺様のギターが鳴ってるからいいだろう”みたいなところまで行っちゃってるから。そんなヤツはなかなかいないなと思ってますね(笑)。
カメヤマ:確かにそうだね(笑)。
──それこそ6月の新宿LOFT公演で販売した5曲入りの『Dessssert』、ギターソロがけっこうあって、ギターを聴かせる楽曲作りのような印象もありました。
河西:そうですよね。もう、いっぱい弾いてもらいました(笑)。歌がない時間は全部ギターソロ、みたいな勢いで。これは俺らも皆、思い通りみたいなところで。オツな展開よりは“ここはギターソロっしょ!”みたいな、ギターソロをゴリ押しみたいなところがOLD JOEはあるから(笑)。ギターソロはブチ上がりますね。
──では、カメヤマさんから見た河西さんと言うのは?
カメヤマ:小学校から一緒なんですよ。もう20年以上の時間になるけど、落ち着くところと、大人になったなって思う瞬間もあって。
河西:幼なじみオブ幼なじみ、はいはいはいはい(笑)。
カメヤマ:あの時のままではない、いろんなことを経験してきて滲み出るようになってきたなっていうのは感じますね。あとはもう、曲に関しては信頼してる感じですね、歌も歌詞も。
──いろんなことが滲み出てくるのは、他パートのメンバーも然りでしょうね。
河西:経年変化みたいなもので。デニムが良い感じに色褪せてきたなぁ、ちょっと穴も開いてきたけど、“これが俺が生きてきたライフスタイルの表れ”みたいなのが4人分集まってるな、という感じは、時間を置いて定期的にやるからこそ分かるのかなぁと思います。
カメヤマ:ひと段階また違うステージに行ったかな、みたいな感じはするよね。あの当時に書いてた「Lover Soul」なんか、今になってメチャクチャ良くなってて。
河西:本当だよね。当時が悪かったというわけでもないんだけど、OLD JOEの曲ってそういう曲がスゲー多い気がする。今やるほうが全然いい、みたいな。
カメヤマ:ガキだったんだなぁ(一同笑)って。
河西:だいぶ背伸びしたことをしていたのかなと思う。
カメヤマ:それはそれで別に、良かったんだろうけどね。だからこそ今やると、逆にしっくり来る、みたいな。
河西:しっくり来るね、本当に。
カメヤマ:10年ぐらい前の曲なのかなぁ?
河西:これは覚えてる、2011年3月11日の後にデモを録った。だから13年前じゃん、それより前からライブでは演ってるから19歳ぐらいの時にできた曲だね。ヤバ、遅咲きじゃん!(一同笑)
カメヤマ:あの時にこんな曲を作れってるっていうのがまた、ね。
──「Lover Soul」は湘南の空気が感じられるような1曲で、『Dessssert』を締めくくる曲としてもしっくり来て。
河西:そうですよね。EPの流れとしてもそれこそエンドロールが流れてくるかのような感じで良いですし、いろいろと集約された歌かなぁって。
──『Dessssert』収録の他の曲についても聞きましょう。
カメヤマ:今までライブで演ってたけどレコーディングしていない曲と、新しく作った曲が「Turning of the Seasons」と「Full Moon Joint」、あと「Theme Of The Knuckle 4 Peace」もですね。
河西:「Turning of the Seasons」はコロナ禍に入った初期ぐらいにケンシロウの部屋で俺とケンシロウで宅録チックなことをやってデモを作ってて、“何かの形で世に出したいね”って、ちょっと寝かせてる時間があったのがこの曲で。それこそ、Suchmosのドラム・ケント(OK)とDJのKcee(Kaiki Ohara)の4人でやったりもして。
カメヤマ:そうだね、1回やったね(笑)。
河西:「Full Moon Joint」と「Theme Of The Knuckle 4 Peace」は1曲っちゃ1曲、ですけど、かなり(曲構成が)チェンジするから作品上では2曲に分けよう、みたいな感じになって。今年の頭に、“ライブやるし、曲書くか”って。これもケンシロウの家で2人で、なんとなく。
カメヤマ:ジャムって、ね。
河西:コード2個ぐらいで作ろうぜ、って作ったら、コードはガチャガチャしてないけど、内容がガチャガチャしたっていう(笑)。
カメヤマ:プログレになり過ぎた(笑)。
河西:俺らはファンキーな、それこそSCOOBIE DOのようなグルーヴで押す曲を作ろうとしてたのに、2人でやってると悪ノリしか出てこない(笑)。そういう時にやっぱり、徹とか岳が交通整理をしてくれる。2人だけで没頭してると1個の曲で好きな要素をいっぱいやりたくなっちゃう、っていうところから生まれたキメラがこの曲です。
──新しい面が見えた1曲でもあるのかな、と。
河西:メッチャ面白くなりましたよね(笑)。捉え所がなくてある意味OLD JOEらしい1つの側面を、ちょっと煙に巻くような曲になったかなと思いますね。ファンキーではあるけど、プログレとドゥームメタルを合体させた音楽になって。“展開が覚えらんねーよ!”とか言われながらリハスタで練習して、今年3月にレコーディングをしましたね。