与えられた環境内でなるべく好きなことをやろう
──レーベルのバンドって谷口さんが見つけてきたりするんですか?
谷口:いや……。
──向こうから?
谷口:はい。ですね。
──それは谷口さんにとってはどうですか? バンドから売り込んでくれるっていうか。
谷口:嬉しいですよ。「Playwrightから出すのが夢なんですよ」って言われたらもうやるしかないですよ(笑)。
──(笑)谷口さんがレーベルを動かしていく上で重要なこととか大事にしていることはありますか?
谷口:私の場合は個人のレーベルではないので、あくまでディスクユニオンという会社の中の制作部でやっているので、そこまで経営目線ではないっていうのが一個特徴ではあるかなって思って。それが良いのか悪いのかはちょっとわかんないですけど。与えられた環境内でなるべく好きなことをやろうって思っているのはいつも考えていること。で、あとは周りが勝手に動いてくれるから(笑)。俺は何もしなくていいやみたいな、そんな感じで自由にやれれば良いなって思います(笑)。
──バンドと関わるときに大事なこととか、自分でこう関わっていこうとか意識するところはありますか?
谷口:あ~、それはこの人たちの前ではあんまり言えないな~。
一同:(笑)
写真:Rui Hashimoto
──逆にバンドからレーベルってどういう存在だと思います?
カワイ:ここでは言えないですかね(笑)。
岸本:けっこういろんな人が業界にいると思うんですけど、レーベルによってはいちいちライブに顔出さない人とかもいたり、マネージャーも兼ねてるみたいな人もいたり。谷口さんは楽屋に来て、なんかいろいろ思い付いたこととかアイディアを出し合ってくれて、その辺はやっぱり仲間感覚ですね。バンドメンバーだけじゃなくて一緒にプロジェクトを動かすチームの一人、なんならちょっと引っ張っていくぐらいの存在感はあるかな。
谷口:なんかこう、「出したいです」って来て「いいよ、やろうぜ」ってなるんですけど、「その代わり俺も遊ばせてもらうぜ」っていうような感じですかね。
──レーベルボスとしてではなくて谷口さんっていう存在ってどういう存在だと思いますか?
谷口:言えないでしょ、そんなの…。改めてそんな話…(笑)。
一同:(笑)
──プライベートで飲みに行ったりするんですか?
カワイ:たまに行きますよ。
谷口:ロクな話はしない(笑)。
岸本:まあいい意味で、アーティストとディレクターだからちょっと線引きしましょうよ、みたいなのはあんまり感じないのが谷口さん。アルバムを出しましょうって言っても、アーティスト主導なのかレーベル主導なのかみたいなのあると思うんですけど、大体一致してるかなっていう。なんとなく、こういう流れじゃない? って一緒に相談してて。そんなに仕事仕事って感じではなく。
──関係としては本当に理想の関係っていう感じは確かにしますね。
谷口:ありがとうございます。
──谷口さんは今のfox capture planを見て何か感じることありますか?
谷口:え……? いや、頑張ってますね。
一同:(笑)
──先ほどPlaywright系みたいなのが浸透したっていうお話がありましたが、フォックスにもちょっと似たようなところもあるんじゃないかなと。
谷口:ああ、そうですね! フォックス系みたいなのが増えたなってのはありますね。いわゆるピアノロックの代名詞になったなっていうのはすごい感じますね。その先駆者であって、で、今また違うことをやってるから、なんかそれはやっぱり常にリーダーなんだなっていうのは僭越ながらしてますけど。後から出す人はどうしても二番煎じみたいに思われちゃってもしょうがない部分があるんですけど、彼らの場合は常に先頭切ってるなあって感じはしますけど。そこは純粋にすごいなって思います。