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INTERVIEW

トップインタビューセイジ(ギターウルフ)×曽我部恵一(サニーデイ・サービス)- ベクトルは違えど純度の高いロックンロールを体現し続けるサニー&ウルフの禅問答

セイジ(ギターウルフ)×曽我部恵一(サニーデイ・サービス)- ベクトルは違えど純度の高いロックンロールを体現し続けるサニー&ウルフの禅問答

2022.07.15

新メンバーと馴染むには海外ツアーの荒治療!

──曽我部さんはツアーに必ず持参するものがありますか?

曽我部:ないですね。というのも、ぼくはある時期からセイジさんたちのようにツアーに出っぱなしというのができなくなってしまったんです。それはぼくが離婚をして、子育てをしなければならなくなったから。当時は子どもたちも小さかったので。だからたとえば九州へ行ってもぼくだけ一足先に帰ってくるとか、そんな形でしかツアーに参加できなくなってしまった。ギターウルフと『volcano06』で共演した頃がツアーらしいツアーをやっていた最後のほうで、当時は2週間ずっと旅に出たりとかしていたけど、最近は2泊もしたらすぐに帰ってきますね。子どもたちももうだいぶ大きくなったので、そろそろ長いツアーを解禁してもいいかなとは思っているんですけど。

セイジ:子どもは大丈夫だよ。逆に父ちゃんなんていないほうがいいくらいになるから(笑)。

──今も頻繁に海外ツアーを行なうギターウルフを羨ましく感じますか。

曽我部:ツアーに出る行為自体、凄くいいなと思いますね。ツアーを回ることでバンドがまとまっていくじゃないですか。

──シンゴさんが新たに加入したギターウルフは、ヨーロッパ・ツアーを敢行したことでバンドがまとまりましたか?

セイジ:もちろん。新しいメンバーが入ったら、まず海外ツアーに行かせるからね。スパルタというか荒治療というか(笑)。でもそこで這い上がってきた兄ちゃんは強いよ。

曽我部:今回のツアー日程はどれくらいだったんですか?

セイジ:35日で9カ国、30本。怒涛のスケジュールだったね。

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──1本のステージでどれくらいやるんですか。

セイジ:1時間15分、20分くらいかな。ウチらは海外のほうがウケるんだよ、大雑把だから。バン! ババン! って感じでね(笑)。

曽我部:ライブが終わると、すぐ次の街へ移動するんですか。

セイジ:いや、ちゃんとホテルに泊まらせてもらう。海外は現地のプロモーターがホテルを押さえてくれるんだけど、その日に泊まるホテルが上等ならチケットが売れてるってこと。

曽我部:なるほど、分かりやすい。

セイジ:ヨーロッパのライブは、会場に着くと必ずオードブルみたいなものが並べてある。リハが終わるとディナーを用意してくれる。来てくれたバンドをちゃんともてなそうっていう気持ちが凄いあるわけ。アメリカもそうだけど、海外は荒野にライブをやる場所があるんだよ。客が来ないような場所におっさんが飲み屋を作って、そうだ、バンドを呼べば客がいっぱい来るかもしれない、そうすれば酒もバンバン出るだろう! って考えたんじゃないかな。だからバンドに対して「来てくれてありがとな! もっと飲んでけよ!」ってとにかくもてなしてくれる。海外ではそうやってクラブが始まっていったんだと思うけど、日本は「ライブをやらせてやるぜ」みたいな感じがちょっとあるよね。日本はおもてなしの国だなんて言うけど、オレからすると日本のライブハウスはおもてなしがなってないよ。

曽我部:なんだろう、ライブハウス文化の違いなのかな。ぼくは弾き語りで地方へ呼ばれることも多いんです。いわゆるライブハウスではなく、ファンの人がやってるような店…カフェや居酒屋、本屋みたいな所でギター一本で唄うんです。そういう場所でライブをやるときのほうがもてなしはされますね。地元の名物を食べさせてくれたり、地元の人しか知らない名所へ連れて行ってくれたり。その感じが海外のライブハウスにはあるんでしょうね。

セイジ:そうだと思う。「来てくれてありがとう!」という感謝の気持ちがまずあるから。

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──海外ツアーの荒治療でバンドを馴染ませるギターウルフに対して、サニーデイ・サービスはどんなふうに馴染ませていくんですか。

曽我部:ライブの本数を増やすのが理想なんですが、このコロナ禍でなかなかそうもいかなくて。新しいドラマーが入ってすぐにアジア・ツアーも予定していたんですけど、コロナで全部なくなってしまって。今ようやく、ちょっとずつだけどライブができるようになってきたので、キャパの大きさは関係なく、ライブの本数を増やしていきたいと考えているところです。そうやって試行錯誤した先に見えてくるものがあるんじゃないかと思って。

セイジ:アジア・ツアーっていうのは?

曽我部:中国、香港、台湾、韓国を回るツアーを計画していたんです。それまでもたまにやっていたんですけどね。

セイジ:香港は行ったことないなあ…。オレの師匠であるブルース・リーの生誕地だからぜひライブをやってみたいんだけど。でも、今の香港はちょっとヤバいんじゃない?

曽我部:民主化をめぐる市民と政府の対立が依然激化しているし、心配ですね。ぼくらもブルース・リーは好きだし、あとウォン・カーウァイという映画監督の作品が好きなのもあって香港へ行くようになったんです。香港のファンの人たちと仲良くなって、家に遊びに行くようにもなって、向こうが日本へ来たときは家に泊まってもらったりしていたんですけど、今の香港の状況を見ると凄く心配になりますね。

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サニー&ウルフ青春狂騒ナイト!
オープニングアクト:ピーランダー・イエロー
2022年7月20日(水)新宿LOFT
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前売¥3,800 / 当日¥4,300(DRINK代別¥600)
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