『サニー&ウルフ青春狂騒ナイト!』というタイトルの由来
──『サニー&ウルフ青春狂騒ナイト!』のオープニングアクトに起用されたピーランダー・イエローさんについて聞かせていただけますか。
セイジ:それもスタッフの長州の提案でね。テキサスを拠点に活動するPeelander-Zという日本人バンドのリーダー、イエローが弾き語りをしてくれる。
曽我部:Peelander-Z、知ってますよ。
セイジ:彼らは何というか…アメリカでしか通用しない(笑)。
曽我部:とにかく凄いライブをやっているんですよね。
セイジ:オレたちも実はそういう部分がちょっとあるんだけど、ライブしながら鼻くそを投げたりするんだよ。別にオレたちは鼻くそを投げたりしないけど(笑)。それがアメリカではウワーッとウケるけど、日本じゃ通用しない。でも日本じゃ通用しないくらい偉大。
曽我部:向こうで一緒になったりするんですか?
セイジ:2回くらいやったかな。あいつらはとにかく反則ばっかりするんだよ(笑)。でもそれが素晴らしくてグレイトなんだよね。イエローは絵も上手くて、今度下北のカフェでやるライブペインティングを見に行こうと思ってる。
曽我部:(スケジュールに掲載された写真を見ながら)このアー写からして只者ではないのが分かりますよね。
セイジ:『デビルマン』のシレーヌみたいだよね。この見た目だけですでに反則だよ(笑)。
──当日は両者ともに特別なセットリストで臨む予定ですか。
セイジ:まだ分からないけど、オレたちはヨーロッパ・ツアーでグワーッと固まったものをバーンとブッ飛ばしてみようと思ってます。
曽我部:ぼくらは特別な感じはあまり考えてなくて、いつも通りの感じでやるつもりです。
──ギターウルフとサニーデイ・サービスが並び立つだけで充分特別な一夜になりますよね。
セイジ:それは間違いない。あとね、まだ言えないけど何かが起こるよ。それは当日までのお楽しみだね。
──『サニー&ウルフ青春狂騒ナイト!』という公演タイトルですが、これはサニーデイ・サービスの「青春狂走曲」を意識して命名されたものですよね?
セイジ:タイトルはオレが付けたんだけど、もちろんサニーデイの曲から取った。あれはだいぶ初期の曲?
曽我部:はい、そうです。
セイジ:ホントの初期? 大学生の頃?
曽我部:大学に在学していた頃かもしれません。20代の前半ですね。
セイジ:歌詞をしっかり読んだわけじゃないけど、その頃特有の勢いがあるよね。
曽我部:ああいう曲は今やなかなか作れなくなりましたね。自分にとっても凄く特別な曲です。祖師ヶ谷大蔵の駅前を散歩していたときに、ふっと思い浮かんだ曲なんです。当時の彼女が祖師ヶ谷に住んでて、ぼく一人だけ夜中に眠れなくて、夜が明けた頃に駅前を散歩していたんですよ。明るくなってすぐくらいだったかな。
セイジ:ヘンな奴らに絡まれなかった?
曽我部:ああ、祖師ビリーとか? そういうのは大丈夫でした(笑)。
セイジ:オレが原宿を根城に遊んでいた頃、祖師ヶ谷軍団っていう悪い連中と対立しててさ(笑)。その隣の千歳船橋軍団っていうのもいたけど(笑)。当時、ツバキハウスで暴れてるとそういう連中とよく揉み合いになってね。
曽我部:上京直後は原宿やツバキハウスでよく遊んでいたんですか?
セイジ:そうだね。18歳で島根から東京に出てきて、街に繰り出すとカラスみたいな連中がいるわけだよ。それが黒い革ジャンを着たパンクスで、凄いド不良だなと思ってびっくりした。そういう奴らがどこに集まるんだろうと思って調べたら、それが新宿にあったツバキハウスでね。こんな奇抜な服を着た人たち、昼間はどこにいるんだろう?! と思って凄い衝撃を受けた。それがパンクとの出会いだった。
曽我部:80年代の話ですよね?
セイジ:1981年だね。すぐにスーパージャンクという原宿のフィフティーズ専門店で働き始めて。そこでいろんな不良たちと出会って楽しかったな。