自分たちの100%で戦えると確信できたSXSW
──では、今年の3月に、2度目の出演となったSXSWで出禁になった話も聞かせてもらえますか?
よよよしえ:SXSWからではなくて、その中の会場のひとつで出禁になっただけなんですけどね。
──演奏の途中で電源を落とされてしまったそうですが。たまたま、そのライブハウスの人が、なんかちょっと機嫌が悪かったとか?
よよよしえ:カチーンってなったみたいです。
あっこりんりん:私も、2人とも登って。
よよよしえ:まぁ、もともとリハーサルの時から、けっこう人種的ななんかで、すごい見下してくるような感じやって。
──えーっ、SXSWにもそんなところがあるんですね。
よよよしえ:SXSWが雇ってるというより会場が雇ったPAだと思うのですが、みんなで「こんなことあるんだねぇ」とか話してて。でも、まぁ本番は気ぃ良くやろうねということで、レーベルのボスがうまく仲介してくれたんですけど、本番途中たいして音デカくもないのに「音がデカいんじゃ!」って怒りだして、ずっとマイクで「ファック!」って言われてて(笑)。こっちとしても音の小ささとかにフラストレーション感じてて、アンプに登ったんですけど、直後会場の電気と外音のスピーカーの電源をすべて落とされました。
あっこりんりん:でも、怒ってたんはそのオッサンだけなんで。他のスタッフの人は「良かったよ」って言ってくれてた。
──ともあれ結果的には大ウケで、『SXSWorld』(※SXSWオフィシャル・マガジン)の表紙にもなるし、マック・マッコーン(スーパーチャンク/マージ・レコード)も、ニコール・アトキンスも大絶賛という反応を得たわけですが。
よよよしえ:そうなんすよ、スーパーチャンク大大大好きなんで嬉しい。
あっこりんりん:最初に出た時(2017年)はこれでスベったらもう二度と出られないかもしれないってガチガチに緊張してたんですけど、2回目出させていただいて、アルバムも作って。
ひろちゃん:イギリス・ツアーやコーチェラも経験してきて。
あっこりんりん:やっと自分らの勝負ができて、いい反応も返ってきたんで、いよいよ頑張れるなっていうきっかけになったフェスでしたね、今年のSXSWは。これから一緒に頑張っていこう、みたいな。
──今は、かつてないレベルでバンドが充実していると実感できているわけですね。
よよよしえ:そうですね。今年のSXSWで、ようやく自分たちの100%で戦えるっていうのが確信できて、みんなそれに繋がってると思う。もちろん、かほちゃんが入って加速してるなと感じるところもあるんで。
──今年後半に向けて、さらに飛躍していく雰囲気をバリバリに感じるんですが、これからの展開は? ロンドンに移住とかあり得ますか?
あっこりんりん:それはないです。なんでみんな追い出そうとすんの?(笑) まだ、あんまり具体的なことは決まってないんですけど、Damnablyがアジアでやってくれるエージェントを探してくれてて。
よよよしえ:その国とか地域に強いエージェントをつけると、それだけツアーを回れるという向こうの音楽業界のシステムがあって。そういう人たちがフェスとかの話を持ってきてくれるんです。私たちが休みが取れないという事情も汲んでくれながら。ただ、ゆくゆくはロング・ツアー、世界ツアーに挑戦したいなとは思ってます。
あっこりんりん:今までみたいに制限して、行かへんっていうのは、もったいないなって。「稼ぎゼロでも何でもやるぞ!」みたいなハングリー精神はないですけど、ちゃんと地に足着けて、心意気としては、飛び乗れる時は飛び乗ってくぞ! っていう準備は出来てます。
*写真:アーティスト写真 by Jumpei Yamada / UKツアー by Mayumi Hirata / SXSW(雑誌の表紙以外)by 岡安いつみ(ANTENNA)