緊張のほぐし方
唯:ライブ中のことって覚えてます? ライブの瞬間、瞬間のことは覚えてるとして、ワンマンで15曲、20曲とかやって、ライブで何をやってたかとか、何を言ったかとかって、トリップしてるのか、全然覚えてないんですよね。さっき話に出てましたけど、僕も体調が悪いとかって気にせずにやるから、次の日が結構ガタガタになったりとかもするし。声も息継ぎをせんと、どこまで歌えるかなっていうのも、余裕がある時は楽しんだりする時もあるんですけど。あとは気持ちよかったら、全く覚えてないし。
義彦:リハは調子よくて、本番が超悪いとかないですか?
景夕:めっちゃある。
一同:(笑)
唯:僕、それ逆なんです。ほんまにリハが苦手で。僕らって遠征の時、会場に到着したらすぐに歌なんですよね。
義彦:あー、確かに。体もバッキバキですよね。
唯:交代はするけど6〜7時間、僕も運転をしていくから、リハーサルはごっつ声が出ないんですよね。「これはヤバイ」って思うんですけど、本番はやっぱりそれ以上に出るから、朝からストレスがよく分からないんですよね。リハの時にだいぶ落ち込むから(笑)。
一同:(笑)
唯:リハが調子いいとか、全くないですよ。
景夕:俺は、特にLOFTとかだと大体リハのギリギリに来るんですよね。そうなると結構ギリギリまで寝てるから、LOFTでリハをやるってなると、やっぱり寝起きだから声が全然出なくて、「ヤベ! 今日どうしよう」って思ってると、大体夜くらいに元気になってきて、「あっ、いける!」とか(笑)。それが逆で義彦くんみたいに、リハで声がめっちゃ出て音もすごくとりやすいって時が、一番気を付けなきゃいけなくて。
義彦:ですよね! そうなりますよね。
景夕:そう。お客さんが入って、声の返りが全く違うじゃん! みたいな。多分分かると思うんだけど、こういう感じの喉の締まりと鼻への息の出し方だと、ここら辺の音が出て、この帯域の音が自分の声で聴こえる。そこを頼りに歌っていくっていうのが結構多いと思うんだけど、お客さんが入って環境が変わると、「あれ? 今その音が聴こえるはずのところが聴こえない。俺、今ピッチがズレてるかもしれない!」ってなって。そうすると焦りもあるから、ちょっと喉とかを締め始めて。MCの時に、モニター返しの自分の声をもうちょっと上げて欲しいとかをPAさんに伝える前に、大体喉を壊しますね。
唯:喉を締めちゃうんですね。
景夕:そうそう。
義彦:俺も、ワンマンは頭3曲が一番キツいですもん。どうやったって、お客さんが入ると環境が変わっちゃうんで。なんか分からないんですけど、いける時はいけるんですけど、基本は焦ったら、4曲目から声は戻るんですけど、3曲目を引きずっちゃっている喉があるんで、絶好調にはいけなかったりしちゃうんですよね。あと、緊張しいなんで、自分。緊張ってどうやってほぐされてます?
唯:だいぶ先輩方とライブをする時は見られてるんで緊張するんですけど、それ以外はあんまりしないんですよね。緊張をほぐす時は、僕はよくやってるんですけど、大きなライブハウスで余裕がある時は、まずステージに1人で行くんですよ。それでステージに寝転がってると、意外と場慣れというか。幕が閉まっている状態が前提で、お客さんがいてざわざわしていると、人がいる環境にまず慣れないと。自分が歌っていて、おかしいなって思った時に、お客さんのざわざわっていうのが最初はストレスになると思うんですよ、神経質になると。そういうところとかも軽減出来るかなって思って。ここ数年はずっとやってますね。大阪MUSEでのワンマンの時も、出来る限り早めに全部終わらせて、ステージでゴロゴロしたりとか。
景夕:話だけ聞いてると、ニートが外に出る時の準備段階みたいな感じ(笑)。
一同:(笑)
義彦:ひどい(笑)。
景夕:ざわざわに慣れるとかさ(笑)。
唯:でも僕、音楽をよう出来てるなっていう精神状態だったんで、昔。人前に出られなかったんですよ。だから軽音楽というものを始めてから、やっと人前に出て。「何で音楽をやってるの?」って聞かれた時、音楽を始めて最初の3年くらいは、リハビリって言ってましたからね。昔、ライブをする前からすごく汗をかいちゃうほど緊張してしまう時期があって、「これはアカンな」って思って、いろんな人に聞いてる時に僕の先輩が、「1回、ステージに寝転がってみ。お前はステージってところが怖いんや。入っていくところで緊張してるんやから、居とけばいいんや。場慣れしろ」って言われて。せわしなくなるのもよくないんですよね。歌詞が覚えられてるかとか、いろいろと頭の中でグルグルなるから、本番になって焦って入っちゃって。ストレスって血管が収縮して喉が締まるんで、喉にも悪いんで。いつでもリラックス出来る状態っていったら、開場してお客さんが入った中で、幕が閉まった状態でステージでゴロッとしてるのが、一番楽だなって。
景夕:じゃあみんなで、川の字になって(笑)。
義彦:5月10日?(笑)
景夕:「これか〜」って(笑)。
唯:何も考えずにやってったら、結構楽ですよ。8年でやっと、眠いまでいきましたからね。
景夕:ダメじゃん(笑)。
唯:本番前くらいに眠くなってくるくらいまで、緊張がほぐれてた時がありました。
義彦:ほぐれ過ぎなくらい、ほぐれてるじゃん(笑)。
唯:最近はそこまでいくようになりました。ゴロゴロはお勧めです。
義彦:緊張した時、試してみよう。
景夕:漫画とかもいいよ。SEが鳴ってるところまで、漫画を読んでる。
義彦:それはSEが聴こえてこないくらい集中しちゃうんですか?
景夕:SEは聴こえてはくるけど、メンバーも行って、そろそろだなってところになったら、そのまま出る。
唯:それって、焦らないんですか?
景夕:俺ね、焦らないの。さっきちょっと言ってたけど、「あそこの歌詞って何だっけ?」とか、覚えてるはずなのに、「何だっけ?」って思うとスッと忘れちゃって、「やばい、やばい、何だっけ? 出だしが…、何? 出だしが何?」って。
一同:(笑)
唯:あー、余計に考えちゃうんですね。
景夕:そうそう。例えば対バンだったら、「メンバーさん、もう出たよ!」って言われるくらいの直前までとか。「あー、じゃあ行ってくる」くらいの方が俺はいいんだよね。
唯:神経質にならない方がいいですよね。
景夕:さっきも言ってたけど、特にボーカルは無意識に緊張するところもあると思うから、自分のほぐし方があるといいよね。
——声だから、ダイレクトに出ますしね。
景夕:ねー。
唯:本当にそうですね。精神的にくると、マジで声が出ないですもんね。
景夕:精神的に不安だと、語尾とか声が揺れない?
義彦:揺れますね。
唯:声のキレが悪うなりますね。
義彦:俺は1曲目とかで、全然違う音にいく時があります。ここだって思ったら、全然違う音を歌ったりしてて。だから自分はライブ前に酒を飲むんですよね。それでも緊張がほぐれてない時は、ただただ喉を潰すだけなんで、よくはないんですけど。でも飲む、飲まないで考えたら、飲んだ方がいいっていう結論になって。
唯:僕はお酒を飲まないんですよね。酒を入れると途中で頭が痛なってくるから。
義彦:本当にお酒が飲めないとか、好きじゃないってこと?
唯:この10年くらいの中で、アルコールを注入したことが2〜3回くらいですかね。乾杯の時にちょっと付き合ったりとか。でも、すぐに頭が痛なって。結構弱いみたいです。
——体に合わないんですね。
唯:そうみたいですね。
義彦:でも飲まないにこしたことはないですよね。
景夕:ねー。
唯:酒を飲んで、ライブの時に顔が赤ならないんですか?
義彦:俺は多分、顔に出ないと思うんで。
唯:それはいいですね。絶対に真っ赤っかになるんですよ。
義彦:景夕さんも出ないですよね?
景夕:出る時と出ない時がある。俺、いつもライブ後の打ち上げで出てない?
義彦:あっ! ハイボールを飲むと出るイメージがあります。
景夕:そうそう。
唯:種類!? 種類で出るんですか?(笑)
義彦:ビールであんまり出てる記憶はないです。
景夕:ビールはね、酔っ払ってるんだけど、顔に出ないかな(笑)。
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