それぞれの歌うスタイル
——ライブで歌を歌う時に気を付けている部分って何ですか?
唯:僕たちはだいぶスタイルが違いますもんね。音程がズレないようにとかはもうおいといて、歌い方を気を付けるとかってあるんですか?
義彦:俺の最近の姿勢は、『セーブをしない』『守らない』『出なかったら絞り出す』なんですね。他のバンドもそうだと思うんですけど、この3バンドは本当にメロディを大事にしてるバンドだと思うし、俺の勝手なイメージですけど、特に『歌を歌う』っていう3人だと思うんです。heidi.は人間味のあるバンドだと俺は思ってて、綺麗に歌うというよりは、その歌詞のメッセージを強くして、自分の中のその日のテンションで思いっきりいければなって。力み過ぎちゃって、声とかも結構ひっくり返ったりするんですけど、自分が伝えようと思うことが伝えられればいいかなと思ってるんで、10年経ってくらいからあんまり守らない姿勢になってきてる気がしますね。
景夕:俺は、体調がいい時でも悪い時でも、「この曲のここは上手くいくかな?」「あぁ、上手くいった」とか、そういうのを楽しむようにしてるかな。「(声が)伸びないかなと思ったけど伸びたじゃん。やった! どこまで伸びるんだろ?」とか(笑)。
義彦:ライブ中も楽しくなってきますもんね。
景夕:そうそう。「いける、いける。もうちょっと上もこのまま繋げられるかな」とか。
義彦:その余裕は素晴らしいですよね。もうあんまり思い出せないですけど結成当初とかって、緊張してよく分からないじゃないですか。
景夕:分かんない、分かんない。とりあえずしっかり歌おうみたいなね。
唯:僕は昔専門学校に行ってて、ギター専攻だったんですけど、そのクラスの先生がなぜかボーカルの人だったんですよ。それでボーカルも教えてもらおうって思って話をしとったら、やっぱりそういうガッチリしてる所って、綺麗に歌うことを前提においてる部分があって。だからumbrellaを結成して歌った時は、元は僕がギターやったんで、ちゃんと歌わんとっていうこともあって。音楽を始めた時からずっと、メロディをきっちりハキハキと歌いなさいっていうのが身に付いてたんですね。いっぱい曲を作ってきたら、歌のニュアンスって一緒になってくるじゃないですか。この歌はこの歌い方で、メロディーラインも『Kra流』とか『heidi.流』みたいに『〜流』ってなるじゃないですか。umbrellaもあるんですけど。その中で棲み分けが出来る歌い方っていうのも大事かなって思って。僕の場合は親が、演歌家系というか歌謡をやってたんで、歌のことにうるさいんですよ。僕の歌って、演歌気質というか歌謡な歌い方が染み付いとって。僕はどっちかというと、あの歌い方がこの曲、これはこれとか、ニュアンスをいろんな曲の使い方もしたいと思って、ライブ中はそうやってますね。
heidi.