MC
唯:お互いに喋りが苦手というか、結構弄ったりしてましたよね。
義彦:唯さんって、MCは苦手なんですか?
唯:umbrellaは8周年なんですけど、半分以上MCっていうのをしなかったんですよ。MCがいらないというか、オーディエンスを沸かすみたいな環境のライブハウスに出ていなかったり、僕らも世界観重視な環境にいたんで、必要がなかったんですね。でも僕らも人目を浴びたいしっていうのもあって、脱却していこうっていうのがあって、MCをするようになったり。僕らの中での変化で、「世界観を出すのは曲だけでいいんじゃない?」っていうのがあって、飾ることもないし、普通にしゃべろうかなっていうので最近変わってきて、両バンドさんとはそこからの付き合いだと思います。昔は真っ黒で、全くしゃべらなかったんですよ。Twitterもリツイッターみたいになって1回止めたり。キャラ自体を謎にしてしまおうみたいになったんですけど、曲で表現出来るんやったら、そこまでじゃなくていいかなって。もっと自分の声で発信していくことも出来るやろうし。伝えたいことがしゃべらんことによって伝わるみたいな過度な期待をせんと、ストレートに伝えられた方がいいかなって思って。そうしてみると、やっぱり輪が広がってきたんですよね。
——お2人はMCに対して何かこだわりとかってあったりするんですか?
義彦:MCは俺は景夕さんに憧れますね。すぐポンって出てくるじゃないですか。毎回考えてたりしてるんですか?
景夕:考えてないです。その場の思いつきで言うから、うちのメンバーからは怒られる。
一同:(笑)
景夕:「話が長くなるから、もう次の曲に行けよ」って(笑)。
義彦:俺からしたら羨ましいです。ちゃんとポンって出てきて、言い方が悪いかもしれないですけど、ちょっとブレる時もあるんですけど、曲の中心にくるMCを最後にはちゃんとされるんで、楽しいしまとまりがあって曲に入るイメージがあるので、羨ましいなと思います。
景夕:そういう風に言って頂けるのは有難いですね。メンバーからは、「何、あの入り!」って言われるから(笑)。
一同:(笑)
唯:義彦さんはMCはどうですか?
義彦:俺はこの前ツアーが終わったんですけど、しゃべんないでやってみようってなりました。俺含め、多分メンバーもちょっと不満を感じてたのかな(笑)。heidi.の世界観をより良くするための手段の1つとして。本当に俺も考えないでしゃべり出すから、曲にも繋げられないですし。「MCをなくそう」って話になったんで、みんなそう感じたんだなって思って(笑)。だからこの前のツアーは基本はしゃべらないでやったんですけど、なんかどこかでしゃべりたい自分がいるんですよね。そういうのってあります?
景夕:うちもMCをなくそうっていう時期があったんですよ。で、やったんだけど、結局10何年ライブをやってきてて、お客さんは曲も聴きたい、MCも聴きたいって思ってライブに来てる中で、いきなりMCをなくすとお客さんが、「あれ? 今日どうしたんだろう」みたいな。
唯:心配されて?
景夕:そうそう。MCがないのが当たり前にするとなったら、ここから先、何年もかけてもう1回Kraっていうライブを一から作り直さなきゃいけないってなるから。1ツアーをそういう風にやってみるっていうのはいいかもしれないけどね。メンバーも思ったんでしょうね。それからはMCを必ず入れるようにしましたね。
唯:MCはいろんなスタイルがあるじゃないですか? エンターテイメント性に持っていくものと、メッセージ性のある言葉を言って曲を始めるとかいろんなスタイルがある中で、メンバーが期待してる言葉とかもあるでしょうし、僕が言いたい言葉が多分違うから、それの擦り合わせが結構難しくて。多分みんな一緒の悩みやと思うんですけど、そこがボーカルとしての悩みなんですよね。「MCは何をしゃべるの?」とかをメンバーは気にはしてないんですけど、今義彦さんが言っていたみたいに、多分不満はあると思うんですよね。「俺だったら、こう伝える」みたいなことが絶対あると思うんですけど。そこが僕も気を遣う部分があって。昨日ワンマンやったんですけど、俺、片言の外国人みたいになってしまって。
一同:(笑)
唯:言葉と言葉の間を空けまくって。
義彦:それは意図的に?
唯:そうなんです。僕はワンマンでも、自分の伝えたいこととかを考えないんですよ。その場で思ったことを言わないと、嘘になっちゃうというか、生じゃないじゃないですか。一応、ワンマンやライブの前に、伝えたいこととか、あったこととかを携帯のメモに残してるんですよね。そのイメージに合って、その日に言えるなら言おうかなと思ってるんですけど、毎回、「やっぱ今日はちゃうな」とか、「今日のお客さんに対してのメッセージがあるやろ」って思って。しどろもどろになっても、ようしゃべるようになったんですけどね。僕は笑いに持っていくっていうのは、あんまりしないんですけど。その場その場で伝えられたらいいなって思って。達者にしゃべれる人って、ほんまにすごいなって思います。メンバーにどう思われてるかって考えるとどんどん心配になってくるから、出来るだけ考えないようにしようと思って。
義彦:余計な心配はしたくないですよね。歌に集中したいですもんね。
唯:はい。MCを逆にメンバーに振ってみると、固いんですよね(笑)。
義彦:春ちゃんとかは緩そうじゃないですか?
唯:奴は、固いんです。
義彦:あっ、意外と緊張しいなのかな?
唯:それを見せんように振る舞うけど、実際に僕から見てたらいっつも緊張してるんですよ。伝えたい言葉を上手く言おうと思うけど、自分が真摯というキャラを貫き通すっていうのがあるから、「○○です。○○です。よろしくお願いします」っていう感じで硬派にいこうとして、固っくるしいんですよね。
義彦:これって大丈夫? 文句みたいになってきてる(笑)。
景夕:ベースの人って、結構そうなのかな? うちは結構MCをメンバーに振るんだけど、一番最初のMCを結良さんに振る時って、ちょっと固いんだよね。「皆さん、今日は来て頂いてどうも有難うございます」みたいな。そんなことは俺がもう先に言ってるんだから、いいじゃんって。
唯:完全に「です、ます」ですよね。真面目もあるんですけど、お客さんからすると「はい!」みたいなことになっちゃうんですよね。僕はあんまりそういうことが出来ないんで、締めるところは締めてもらおうと思って振ったりとか。昔はライブ告知とかを振ってたんですけど、それよりも曲を聴いてもらった方がいいんじゃないかとかがあったりして。最近はMCをするってなったら、ライブの本編が終わってアンコールの時に砕けて話そうかっていうので、よく春とはしゃべるんですけどね。こっちが固いMCをするとお客さんも固くなっちゃうし、せっかく楽しみに来てる中で、朝礼みたいな雰囲気に持っていきたくないから、極力僕はゆったりしたMCで。春とは口調もちゃうから、どういう風にやって欲しいんかとかもあえて聞いてないんですけど、どう思ってるんやろうなって。あえて聞かんどこうと思ってるんですけどね(笑)。
umbrella