PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』
その昔、日本のロックの黎明期、日本のギタリストというギター弾きがほぼ全員と言っていいほど浜松に呼び出された。YAMAHAが初めて製作し、業界に乗り出したエレキギターのブラインドテストをやらされることになったのだ。
最初はギターをギブソン・レスポール、フェンダー・ストラトキャスターの2本に限定し、隠されたYAMAHAのアンプを聴き分けていく。次はいよいよアンプをフェンダー・ツインリバーブとマーシャルに固定し、世界の有名ギターに混ぜられてYAMAHAの新作ギターの音を聴き分け、番号の指定された箇所に評を書き込んでいくという作業。
これにはそれまでYAMAHAを酷評していた有名ギタリストがYAMAHAを1位にしたり、それはもういかに自分たちの耳が信じられないかをさらけ出した大笑いの浜松だった。
その後、工場見学に行ったり、開発者との懇談会があったり、それからの日本のロックに有意義な時間を過ごさせてもらった。そのときに自分に染み付いてしまった偏見(?)があって、ピックアップは別として、重いボディのギターは低音の効いた締まった音を出せるという我的迷信に取り憑かれてしまったのだ。
1990年、復活した頭脳警察のためにグレコ〜神田商会の作ってくれたレスポールジュニア・タイプも、これぞ男のフルメイプルよと、それはそれは重超重量級のギターに作ってしまい、結局、サブをノーマルのメイプルトップに戻すということになってしまったのだ。
馬の耳に念仏ではないが、PANTAに楽器話がいかに無駄なことか、大勢の仲間たち、とりわけいつも世話になってばかりの神田商会にはこの場を借りて深く謝罪と陳謝をさせてもらいたい。