奇妙な音楽ってたくさんあるもので、GSの頃なんて、なんだこれは? というのが多くて、最近はラジオでタブレット純さんが紹介しているのが、とても楽しい日々です。タブレット純さん自身も最高に楽しいし、話をしているのを聞いてるだけで、わくわくします。ほんとう、なんなんだろうあの人は、一回生で観てみたいです。これ今年の目標です。
ほかには、昔の歌謡曲もそうですが、やはり、なんだこれは? というのが多いし、演歌もそうか、そもそも、真面目に聴くと、バカをみるのが音楽なのかもしれません。
そんなこんなで、GS、歌謡曲、演歌、そして、ロックンロールにもヘンテコなのが多い、つうか、そもそもロックンロールって、変な奴がヘンテコな音楽をやってるといった感じだから、ヘンテコというのは当たり前なのかもしれません。
そんな中でも、これ、なんだろう? と衝撃を受けたのが、ミッキー・カーチスさんの『耳』というアルバムです。ミッキー・カーチスさんは、平尾昌晃、山下敬二郎さんとともに、「ロカビリー三人男」として、ブイブイ言わせて、その後も、音楽活動を続け、海外に行ったりしたあとに、この『耳』というアルバムを作ったそうです。ミッキーさんは役者としても、とてもいい味を出してるし、あとは立川流のミッキー亭カーチスさんです。
この『耳』というアルバムは、名盤だから知っている人はすでに多いと思うのですが、なんなんでしょう、トリップ感というヤツでしょうか、これが凄まじいのです。すでに日常からぶっ飛んだ場所で、音楽をやってる感じです。1972年の作品だから、時代の感じも出てるのでしょう。つうか自分が産まれた、翌年の作品というのだから驚きです。
以前、このアルバムをかけてたら、友達が、「なんだこれ? バットホール・サーファーズ?」と訊いてきたことがありましたが、そんな感じの変態感と、ぶっ飛び方が現在にも通じているのでしょう。
水パイプの音がブクブク聞こえてきたりして、大丈夫なのかよ! と思ってしまったりします。「ラリったラクダに乗って40日間」という曲は、まさしくラリったラクダに乗って40日間だし、最初は「夕陽の決闘」で最後は「傷ついた白鳥」って曲で、ほんとうわけがわかんないけど、面白い。たぶん、ミッキーさんはねらってやっているのでしょう。
全体を通して聴くと、『エル・トポ』とかホドロフスキーの映画を観てしまったときのような感覚になります。もう、わかんない、でも、気になってしかたない、どうでもいいや、わかろうとする自分が愚か者だ、そんな感じで、みなさま是非、聴いてみてください。