感動して、涙が流れそうになってしまう音楽があります。
以前、ベット・ミドラーが唄っていた「イン・マイ・ライフ」を聴いていたら、どうしようもなくなって、涙がこぼれ落ちてきました。
二階堂和美さんの音楽とか、浜田真理子さんの音楽とかも、なんだか、もう聴いているだけで、勝手に涙が、こぼれ落ちてきそうになることがあります。
以前、二階堂さんのライブに行ったとき、わけもわからず、涙がポロポロ出てきてしまって、本当に困りました。
歌詞の内容うんぬんではなく、声なのでしょうか? 雰囲気なのか? とにかく涙腺が、どうしようもなくなってくる。
きっとわたしのように、困っている人も多いと思います。
逆に、この前、ラジオを聴いていたら、苦労の多かった彼女との愛の軌跡を感動たっぷりに唄ったみたいな歌が流れていたけど、身の毛がよだちました。つうか、なんだか、とても怖かった。
一年前、これまたラジオを聴いていたら、クラシック音楽が流れてきたことがありました。普段は、あまりクラシックとか聴かないのだけれど、それは、ベタベタで、感動を呼ぶような旋律とでも言ったらいいのでしょうか? そんな曲でした。
なんと言いますか、復活していきそうな、でも終わっていきそうな、朝が来たような、夕日が沈んでいきそうな感じ。さらに、人類の素晴らしさ、自然に立ち向かうやるせなさもあり、ゆっくり死んでしまいそうでもあり、これから誕生しそうでもある。
そこには、すべての感動が安易にある、といった感じでした。
そして、案の定、わたしは、騙されるとわかっていたのに、騙されてしまったように、感動して、涙を流してしまいました。
そのとき、自分が、どのような感情であったのか、説明がつきません、ただ、その音楽を聴いて、涙していたのです。
いったい、いまの音楽はなんだったのか? と調べてみましたら、シベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」という曲でした。
『シベリウス・ベスト・オブ・ベスト』というアルバムに入っているもので、すぐさま購入して、何回もリピートして聴いていました。
朝から晩まで、寝るときも、ずっとリピートして聴いていたら、二日目くらいから、その感動が薄れていきました。
あたりまえですよね、もう感動するのにも疲れた、といった感じです。
でもって、この前、一年後に、なんとなく、また聴いてみたら、やっぱり感動してしまいました。
でも、一回でじゅうぶんでした。
また一年後に聴こうと思います。