ギターの音が好きです。この冊子はライブハウスが発行しているわけだから、みんなギターは好きだと思いますが。いや、ギターの音が嫌いという人もいるのかな、最近は、コンピューターの「ピヨッ」とした音が好きという人のほうが多いのかも。でも、全員ギター好きだと思ってます。今回もよろしくお願いします。
ギターの音にもいろいろあって、キーンとしたのとか、ポロポロしたのとか、シャカシャカしたのとか、ジャキジャキしたのとか、ズーンとしたのとか、全部擬音にしてみましたが、キリがありません。そう、「ピヨッ」とした音も出せるよ。と、ここまで書いて、今思ったのですが、ギターの音も多様なので、そのギター音でも、好みがいろいろ分かれるから、単純に「ギターの音が好きです」なんて言えませんね、すみません。
でも、まぁ「好き」と書いてしまったので、進めますと、わたしは、ジャカジャカした音が好みです。なんと言いますか、あまりギターが上手じゃない人のブルースと言ったらいいのでしょうか、いや上手じゃないと言ったら語弊があるか。きっと上手いんだろう。ほら、ギター用語でなんと言うんでしょう? 手数が少ないと言うのかな。
そんなギターの音で大好きなのが、今回ご紹介する、ティム・ハーディンの『This is Tim Hardin』でございます。もうアルバム名がシンプルすぎて、なにも言えませんけれど、内容も物凄くシンプルです。
ギター一本で、唄ってます。アルバム・ジャケットの写真では、エレクトリック・ギターを持っているのですが、エレキ色がほとんどありません。ジャケット写真は、この録音のときのものなのでしょうか? 違うのかな?
とにかくエレキ・ギターをそのままプラグに突っ込んで唄っているようで、それも、なんだか、ホールみたいなところで、客がまったくいないなか、一人ぼっちで唄っているふうに聴こえるのです。本当に、なんなんだこれ? 録音状況とか、わからないのです。わからないことばかりで申し訳ありません。どなたか教えてください。このアルバムについてネット検索しても、あまり出てきません(日本語の)。
とにかくティム・ハーディンという人は、若いころに、ボブ・ディランと同じくらい人気があったようで、その後、楽曲をロッド・スチュワートがカバーしたりしているのですが、本人は、薬物におぼれたり、いろいろ問題があって、落ちぶれてしまい、39歳で亡くなります。
このアルバムは、亡くなる寸前の録音とかではないらしいのですが、なんだか、やたらと暗くて、死のニオイがプンプン漂ってきます。でも心地よい。客のいないホールで、わたし一人だけに唄ってくれているような気分にさせてくれる作品です。そんで、よくわからないギターの音も最高なのです。