年が明けても、日本は何とも憂鬱な気分に覆われている。史上最悪の福島第一原発の「冷温停止」は発表されたものの、実態はそんなに甘くないことを地元住民は知り尽くしているからだ。少なくとも廃炉までには40年が必要で、その間も放射能の恐怖にさらされるのだ。自然災害なら諦めようもあるが、紛れもない人災である。にもかかわらず、当事者である東電や経済産業省自体に住民に対する深い反省やきめ細かな配慮がまったく感じられない。国家の冷酷さや非情さを痛感している住民の気持ちを思えば、ヤケッパチでテロでもやりたくなる気分ではないだろうか。
まだしも政治に期待が持てれば、話は別だが、野田総理の施政方針演説を聞いていると、ますます暗い気分になってくる。公約破りの数々に加えて、この不景気な時代に消費税増税を10%以上あげようと画策しているのだから、狂気の沙汰である。昔、「貧乏人は麦飯を食え」と発言して顰蹙を買った総理大臣がいたが、今ならば、「貧乏人は死ね」と言っているようなものである。口先だけの野田総理の甘事に騙される国民がどれだけいるのか。政治家としての無能力は証明済みの岡田副総理がエラソーに発言しても、国民はシラケるばかりだ。政権交代に日本の夜明けを期待した有権者たちは、野田政権が解散に追い込まれれば、こぞって民主党離れを起こすことは確実だろう。言ってることと、やることが、正反対の政治家なんて信用できるわけがないのだ。
そのことは沖縄にも言える。田中直紀という新防衛大臣が沖縄を訪問した。相変わらずバカな発言を繰り返して、県知事や県民からも顰蹙を買った。間違いなく、問責決議の第一候補だろう。率直に言えば、この政治家は田中真紀子にいじめられたせいか、ボケているのではないかと思われる。政治家としての威厳もなければ、発言に緊張感もない。なぜ、これほど無能な政治家が防衛大臣に任命されるのか不思議である。環境アセスの調査を防衛省の天下り会社に丸投げするような防衛省の悪徳官僚による陰謀人事ではないのか。初めに新基地建設ありきの環境アセスなんてインチキに決まっている。福島県民よ、沖縄県民よ、まずは国会包囲大デモから開始すべし!
▲年明け早々、閣僚5人を交替させる内閣改造で落ち込んでいた支持率回復を図ったものの、完全に空振り状態に終わった野田内閣。早くも政権のアキレス腱になっているのが田中直紀新防衛大臣だ。「普天間飛行場のヘリはそんなに多いわけじゃない」「辺野古の普天間移設先は年内着工」「インタビューは官僚のメモを読むだけ」…この無謀な無防衛大臣の選出、首相の任命責任は追及されて然るべきではないか。