団地団が団地に対する偏愛をリレー形式で掲載していくコラムです。
団地団とは:大山顕、佐藤大、速水健朗、今井哲也、久保寺健彦の団地好きによるプロジェクト
今月の団員:佐藤 大
そういえば、我らが団地団で語るテーマといえば団地が出てくる映画・アニメ・小説・マンガ。それらは今までもいろいろ取り上げてきたのだけど、ゲームというテーマでは扱ってこなかったことに気づいて逆に自分として驚いた。そう。ゲームにだって団地は出てきてますよ。これはメンバーのなかで一番ゲーム好きを自負する自分が紹介するしかない。というワケで、今回のコラムでは新旧二つの対照的な団地が出てくるゲームを紹介します。
まずは最近のゲームは、子供たちに空前の大ヒットを記録している「妖怪ウォッチ」。実は、このゲームに「あんのん団地」という団地が出てきます。まぁ、妖怪が出てくるゲームとあって、この団地が昼間に行ってもどの部屋のなかも仄暗く、空き部屋だらけで恐いところになっているあたり、定番なイメージの団地です。しかも夜に探検に行くとなぜか「なまはげ」が出てきますよ。
そして、もう一つは初の団地ゲーム(そんなジャンルはない)として歴史的に語られるべきソフト。1983年にPCゲームとして光栄マイコンシステム(そうあの光栄ですよ)から発売された「団地妻の誘惑」です。タイトルからも察しがつくようにアダルトゲーム。しかもセールスマンのプレイヤーが団地の部屋を次々に訪ね、コンドームを販売してまわるというアドベンチャーゲームだったそうです。なんか直球ですごいな。
僕自身は、残念ながらプレイしたことはないのですが、資料を見てみるとこれ、日活ロマンポルノの「団地妻」シリーズがヒットしていた時期からは十年ぐらい後なので、あくまでパロディなのでしょう。にしても、やってみたい。というか、PC88とかMSXで発売していたゲームらしいので、どなたか持っている人がいたら団地団のイベントで披露していただきたい。本気。
こうして団地の出てくるゲームの新旧二つを見て分かるのは、あくまでイメージとして舞台を利用していること。しかも、そのイメージは直接というより映画などを媒介にしたものなことが分かります。そう考えてみると、団地をゲームの舞台にするのは、まだやれることがある気が。FPSやTPSの舞台にすれば結構いい感じで迷う迷路なマップになりそうだし、探索ものやホラーもの推理ものなどには使える舞台では。うーむ。他に団地が出てくるゲームってあるかな。知っている人がいたら教えてください。もう少し調べて今度、団地団で発表してみようかな。
▲子供たちの間で大ブーム。この夏に続編が発売されます。
今度も団地は出てくるのかな?
▲味のある画面。
広がる団地の佇まいとサラリーマンの背中にアダルトな悲哀を感じます。
団地団〜ベランダから見渡す映画論〜
著者:大山顕、佐藤大、速水健朗
定価:1,995円(税込)
判型:A5判
ページ数:208
発行元:キネマ旬報社
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