久保寺健彦さんが7年ぶりに長編小説を刊行。2人で小説界に殴り込みをするというストーリーは、まさに小説版“バクマン”。表紙イラストを小畑健さんが手がけているのも、同じ集英社というだけではないからでしょう。実在するタイトルを引き合いに出しつつ進んでいく物語は、その作品ごとに自分はこう感じたという著者とのキャッチボールをしながら読み進めることができます。登と一真のやりとりはテンポよく、どこかコミカル、飾りっ気ものい言葉はその場にいて実際に二人の会話を聞いているよう。そんな中で苦しみもがきながらも作品を作り上げていく姿は、スランプに悩んだ著者本人の体験もあるのかもしれません。少しの悲しさも含みつつエンディングまで駆け抜け、登のように「いま小説読んでんなー」っという気分を感じてみてください。※11/7に新書を携えて久保寺健彦さんが久々にAsagaya/LOFT Aでの「団地団」イベントに登壇決定!(LOFT/PLUS ONE:柏木聡)
久保寺健彦 「青少年のための小説入門」- 苦しみもがきながらも作品を作り上げていく姿は、スランプに悩んだ著者本人の体験もあるのかもしれません
2018.10.30 CULTURE | CD