団地団が団地に対する偏愛をリレー形式で掲載していくコラムです。
団地団とは:大山顕、佐藤大、速水健朗、今井哲也の団地好きによるプロジェクト
今月の団員:大山顕
赤羽名物スターハウス。平面図で見ると3方向に棟が伸びた形をしていることからそう呼ばれるが、文字通り団地界のスターでもある。
団地団リレーコラム、第2回目はわたくし大山がお届けします。ロフトでは、毎回団地の登場する映画やマンガなどをネタに、ああでもないこうでもないと「団地談義」を繰り広げるわれわれ団地団ですが、ぼくの本職は「団地フォトグラファー」。団地を撮り続けてはや十数年。全国の名団地をめぐってきたその経験を活かし、ここではみなさんに「この団地は行っとけ! まじで! いますぐ!」っていう物件をご紹介しよう。
この文章を読み終わったらすぐにでも駆けつけるべきなのは、北区の赤羽台団地だ。いますぐ行くべき。まじで。なんなら読み終わる前に行ってもいい。え、いま夜だって? いやいや、夜の団地もいいもんだよ!
なぜにそんなに赤羽推しなのかというと、いままさに取り壊されてる真っ最中だからだ。今年ちょうど50歳を迎える赤羽台団地。人間でいえば壮年といったところだが団地にしたらけっこうなご高齢だ。
取り壊しとはいっても、更地になるわけではなくきれいな高層住宅に建て替えられるのだ。いやまあ、きれいなのもいいけどさー、やっぱり往年の名作・赤羽台団地のあの佇まいは他に代え難い魅力を持っているんだよねー。
板状に整然と並ぶ中層の奥に鎮座する超ロングな住棟。団地界のアイドル・スターハウス。トリッキーな魅力のスキップフロア。まさかの単身棟(ファミリー向けだけだと思われがちな団地だが、独身者用もあったのです)。カラーリングもいかにも団地って感じの褐色系。モチーフ不明の謎遊具がでんとあるその名も「おばけ公園」。どこをとっても隙のない「ザ・団地」、それが赤羽台団地だった。
だった、のだ。本原稿執筆現在半分ぐらいが取り壊され「ヌーヴェル赤羽台」として生まれ変わろうとしている。どんな雰囲気かは「ヌーヴェル」の名から推して知るべし。
実は先日、団地団メンバーでこの赤羽台団地訪問したのだが、その名作っぷりにみんな感銘を受けていた。「な?! すてきだろ!?」ってぼくが造ったわけじゃないけどなんか自慢しちゃったよ。
この赤羽台だけでなく、いま日本中の団地がどんどん建て替わっている。いまが最後のチャンスだ。すぐ見に行くべき! まずは赤羽台から! 電車賃持ったか? 最寄り駅は赤羽駅。駅から徒歩10分。さあさあ! いますぐに!
団地団で訪問した時には、特別に団地の屋上に上らせてもらったのだ! ぼくも初めての経験で興奮した。これは団地の屋上が重要な舞台となっているマンガ「ぼくらのよあけ」の作者である今井さんの後ろ姿。あぶない。