Rooftop ルーフトップ

REPORT

トップレポート【スマイリー原島 BIRTHDAY FESTIVAL <day4 下北沢RHAPSODY編>】原島の新宿期と下北沢期のクロスオーバー的ラインナップが集結した、SMILEY'S 秋山佳之プロデュースによるノスタルジックかつセンチメンタル過剰な一夜

【スマイリー原島 BIRTHDAY FESTIVAL <day4 下北沢RHAPSODY編>】原島の新宿期と下北沢期のクロスオーバー的ラインナップが集結した、SMILEY'S 秋山佳之プロデュースによるノスタルジックかつセンチメンタル過剰な一夜

2026.10.07

  『SMILEY'S CONNECTION スマイリー原島 BIRTHDAY FESTIVAL ~ハメチ a-GOGO CARNIVAL!!~ 6days』の4日目は、僭越ながら当店・下北沢RHAPSODYにて開催させていただきました。
 

HRbLKi5b0AA80tL.jpg

 出演は、奥村大、高畠俊太郎、GUNN、富澤タク、松岡モトキ。
 そしてノンクレジットではありましたが、七瀬ミチルが、松岡モトキと富澤タクの数曲にキーボードで参加。
 いずれも、スマイリー原島とは各々に、出会い、場所、時期などは異なれど、それぞれに縁ある面々であり、強引ながら大雑把に分けると、スマイリーの新宿期と下北沢期のクロスオーバー的な意味合いのラインナップとしてこの夜に登場していただきました。
 そしてそれを今に繋げる出会いとしてくれたスマイリーへの“ありがとう”の思いももちろん込めて。
 私個人としても、スマイリーとの出会い(西新宿LOFT)からSMILEY'S(下北沢)時期に関わらせていただいた方々であり、大変お世話になった先輩方と、プライベートでもさんざんバカやった旧知の友達でもあるので、たぶんにノスタルジックかつセンチメンタル過多な心情的立ち位置であるため、だいぶ私的になってしまう部分はどうぞご容赦ください。
 なるべく各々のスマイリーとの縁とエピソードにスポットを当てたライブレポートになるよう記してみたいと思います
  (なお、先輩方含めて文中の個人名は敬称略とさせていただきましたので、悪しからず)。
 
 1番目には轟音オルタナバンド、wash?から奥村大が登場。
  「原島さん、誕生日おめでと〜! 乾杯!!」の第一声でライブスタート。
 スマイリーとの出会いは約30年前の20代前半の頃、下北で出会うたびによく小突かれたそうで、そうした“可愛がり”時期を経て、いつぞやからはとても仲良くなったという。
 ある時、wash?の打ち上げにやってきたスマイリーが「お前、スティーヴ・アルビニだな!」と大興奮して言ってきたと。
  「お前、カート・コバーンだな!」とくれば普通に褒めてくれたんだなって思えただろうけど、なぜかわざわざエンジニアとして名の売れたアルビニのほうを出して言ってきたスマイリーが妙で面白かった、というエピソードからのアコギ轟音FUZZ「アーハーオーイエー」の流れは、歌詞の内容とエピソードとあいまって、大からの最大限のスマイリーへの愛を感じ、染みた。
 そして、「原島さんが俺のことを、後輩じゃなくて仲間の一人として認識してくれたのは、間違いなく現ちゃんのおかげなんだ」と、上田現の「僕の思いは目的もなく月に刺さる」を披露。上田現 in ELEのメンバーである大ならではの感情全開の歌は間違いなくハイライトで、スマイリーと現さんが今確実に笑い合ってるな〜と感じずにはいられない瞬間でした。
 

_DSC_0254_107.JPG

_DSC_0252_104.JPG_DSC_0253_106.JPG

 シリアスとユーモアを行き来しながら、全曲スマイリーへのメッセージともとれる選曲で愛情たっぷりの奥村大のステージからのバトンを受け、2番目には高畠俊太郎が登場。
 俊太郎も、スマイリー原島との出会いは20代前半頃のULTRA POP時代からだが、特にULTRA POP解散後のPOINTERとAUTO PILOT期においては、プロデュースにスマイリー原島が関わったこともあって、本日はPOINTERとAUTO PILOTの曲だけを選曲してきたという。
 その上、当時のステージでよく着用していたブルーのシャツと当時の愛機だったグレッチも、スマイリーと当時へのオマージュを込めて今日のために引っ張り出してきた! とのことで、1曲目のPOINTER「Head Line」から“井の頭線”付近で遊んでいた日々が鮮明に蘇る。もちろんそのシーンにはスマイリーがいる。
  「原島さんにはとてもお世話になった、って感じじゃなくて、一緒に遊んでたって感じなんだよねー」と屈託なく笑う俊太郎の言葉通り、紛れもなくそういうかけがえのない日々だった。
  「原島さんといえば、FUJI ROCKで会うと、あ! 原島さんいた〜、じゃあね〜、って。なんか会うと縁起がいい? みたいな、ラッキーアイテム的な〜」というFUJI ROCKでのエピソードトークからのAUTO PILOT「Summer Rider」でもキラキラしたあの夏の苗場の景色が浮かぶ。
 最後のPOINTERの「クラクラ」に至って、個人的ながらも当時のまさにクラクラするような日々の情景が浮かんでしまい、私にとって歌詞の蒼さが妙に照れくさいながらも、スマイリーと共にいた瞬間が新鮮に甦ってきて、グッと来ずにはいられない時間の連続でした。
 ありがとう俊太郎、スマイリーも“ニヤニヤ”笑ってるね。
 

_DSC_0282_111.JPG

_DSC_0289_113.JPG_DSC_0290_115.JPG_DSC_0315_117.JPG

 3番目には、スマイリーからの“お裾分け”のハットをかぶり、GUNNが登場。
 スマイリー原島と同じ九州出身ということもあり、GUNNデビュー直後に下北沢で開催していた彼主催のシリーズイベントをSMILEY'Sで制作させてもらっていたこともあって縁が深い。
 当時のメンバーには同じく九州出身の(故)弥吉淳二氏と、先日、スマイリーと同い年で惜しむべくも鬼籍に入られた三原重夫氏が奇しくも名を連ねていたこともあり、さらに深い縁を感じずにはいられない。
  「原島さんに乾杯!」と言って、歌詞でも乾杯が歌われる「カーニバル」でスタート。
 そう、GUNNもしきりにMCで言っていたけど、今日も含めたこの一連の日々は“追悼”ではなくて誕生日の“お祝い”なのです。
 なのでGUNNは終始お祝いムードのMC多めで、2曲終了時で「もう時間? 終わらないけんね」と笑いを誘ったが、思えばスマイリーもライブでは全然歌わずによく喋ってたなぁ。1曲目が始まるまでに30分も喋ってとこともあったなぁ、と思い出して思わず笑ってしまった。
 本日のGUNNの選曲は比較的彼のキャリアからすると近年のものからの選曲で、それは現在のGUNNを原島さんに見ていただきたい! という自分なりの気持ちを込めてだと、打ち上げの席で話を聞いた。もちろんその気持ちはスマイリーに届いたはずに違いない。
 終始祝祭の時を作ってくれたGUNNのステージは、“ハレルヤ”が連呼される「再生」で締めくくられた。
 そしてバトンは90年代の下北から80年代の新宿へ遡る。
 

_DSC_0336_119.JPG

_DSC_0345_121.JPG_DSC_0352_123.JPG

 4番目は富澤タク。
 1980年代の終わり頃の西新宿のLOFTにて、その時期にはスマイリー原島はアクシデンツ解散後でSMILEY & THE DOCTORSを始動させていた時だと思われるが、そのころ富澤タクも自身のバンドCOR-SETZで出演しており、バンド同士での対バンはなかったようだが、なぜか打ち上げの席では何度も顔を合わせていたという。
 当時の西新宿のLOFTといえば、その日の出演者よりも、夜な夜な集まってくるミュージシャンのどんちゃん騒ぎが日々当たり前な感じだったので、当時バイトスタッフだった私も当然ながらその夜毎の狂乱の渦の中に日々いたのだが、そんな一夜の中で、富澤タクが打ち上げのステージに引っ張り出されて何か演れと無茶振りされた際に、だいたい勢いでウケを狙う若手が多い中、富澤は「ストベリーフィールズ」を淡々と歌ってその場の諸先輩方を唸らせたことがあったのをいまだにはっきり覚えている。
 その話を本人にすると、「そんなことあったかなぁ……」と少々照れて誤魔化されるのだが。
 そんな富澤が「大学の時にアクシデンツのリリースがあって、原島さんの声が好きで、顔も好きで(笑いが起こる)、とても影響を受けた曲です」として、アクシデンツの「HUMAN ZOO」を披露。こうしてスマイリーの曲が歌い継がれていってくれたら、本人も本当に嬉しいだろうなぁと思いつつ聴き入った。
 続く「東京の西風」は、「原島さんとLOFTや下北沢で飲んだ後の街の情景を思い浮かべて」として、「HUMAN ZOO」へのアンサーソング的なニュアンスも込めて歌われた。
 後半は、富澤のバンドNumber the.のメンバーでもあり、この後の松岡モトキにも参加する七瀬ミチルが、「原島さんのシャツです」と、スマイリーの“お裾分け”を着てキーボードで登場し、「今日こうして(2つに)参加してるのも原島さんが縁を繋いでくれたおかげです。原島さんに捧げます」として、Number the.の曲を2曲披露し、最後の松岡へ“縁”のバトンを繋いだ。
 

_DSC_0376_128.JPG

_DSC_0382_130.JPG_DSC_0394_132.JPG

 そして、下北と新宿を繋ぐバトンを受けて最後の5番目にトリでの登場は松岡モトキ。
 前に登場の富澤タクよりもさらに数年前から西新宿LOFTにBL.WALTZとして出演しており、LOFTにスタッフとしても在籍していた松岡とスマイリーとの出会いは古く、実に40年来の間柄であり、さらにLOFTの野球チームでは、松岡がピッチャー、スマイリーがキャッチャーでバッテリーを組んでいたのだ!
 まさに本日のトリにふさわしく、今回のラインナップを考えた上でまずは外せなかったのが松岡モトキである。
 1曲目「ストロベリー バルーン」からBL.WALTZのエバーグリーンなナンバーが蘇る。
 本人いわくステージで自身の歌を歌うのはもう何年振りかもわからないと言うが、その美しい歌声はまるで変わっていない。
 当時のロックバンド大全盛期のLOFTのシーンの中にあって、美声の松岡の歌声からなるBL.WALTZはある意味異質に映ったかもしれないが、そのPOPなメロディーセンスは間違いなく群を抜いていた。
 3曲目からはキーボードに、BL.WALTZメンバーでもありLOFTでの日々も松岡と共にした七瀬ミチルが再度登場し、「グラスゴー」「ワイルドブルー」そしてラストには色褪せぬ名曲「フェイバリッツ」とBL.WALTZの世界を再現。
 私にしてみれば感涙もので、なんとも素晴らしく贅沢な時間でありました。もちろんスマイリーも泣いて喜んでいたに違いありません。
 そしてきっとスマイリーは望んでると思います、「松っちゃんよ、俺のぶんもずっと歌ってな!」って。それがスマイリーも一番喜ぶと思いますので、何卒ですよ、松岡さん!!
 

_DSC_0406_135.JPG

_IMG_20260905_215734_1_100.JPG_IMG_20260905_220531_102.JPG

 さぁ、オーラスは出演者全員で、スマイリーのフェイバリットソングであるエルヴィス・コステロ(ニック・ロウ)の珠玉の名曲『PEACE LOVE and UNDERSTANDING』を披露。
 スマイリーの2月の“お別れ会”以来、“PEACE LOVE and UNDERSTANDING”という言葉を、ポストカードなどでキャッチフレーズのように使わせていただいていましたが、実は、この一連のスマイリー・バースデイフェスの最終日9月7日のLOFTのオーラスで、この曲を、しかも水戸(華之介)さんに日本語詞をつけてもらって演ろうというアイデアを岡本(雅彦)さんからいただいて、水戸さんから上がってきた詩を拝見させてもらった時にこれが素晴らしすぎて、これは最終日だけで披露するのはもったいなさすぎる、全日アンコールでやってもらいたい! と思い立ち、私の無茶振りながら全日の出演者にお願いして演っていただくに至った、という経緯。
 なので、初日のSHELTERから今日は4回目の「PEACE LOVE〜」の披露なのですが、もちろん毎晩の演奏も歌も演者が違うので、毎日のそれぞれの日のカラーが出てこれが実に面白い! 歌詞の秀悦さと、日々の出演者の表現が爆発して、まぁ毎日泣かせていただきました。
 もちろん今日の「PEACE LOVE〜」も、みんなのスマイリーへの愛が爆発して、4日目の祝祭も幸せな時間となったのでした!
 

_IMG_20260905_222006_101.JPG

 4日目RHAPSODYに出演していただいた皆さん、ご来場いただいた皆さん、ご協力いただいた皆さんに感謝!
 皆さんのお祝いの気持ちは確実にスマイリーに届いているはずです! ありがとうございました!
 
 そして祭りは明日の251、そして最終日のLOFTへとまだまだ続いていきます。
 
Text:秋山佳之(下北沢RHAPSODY / SMILEY'S)/ Photo:光吉孝浩
 

DSC_0434_143.JPG

DSC_0430_140.JPG

​
このアーティストの関連記事
​

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻