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ヤスエでんじゃらすおじさん、Nikoん、腐らずに音楽をやり続けてきた2組が満を持してSHELTERで『再逢』

2026.09.24

 下北沢SHELTERが今年10月にオープン35周年を迎えることを記念して、YDOことヤスエでんじゃらすおじさん企画ライブ『再逢』が9月15日(火)に開催された。出演は、ヤスエでんじゃらすおじさん(BAND)、Nikoん、DJ TOMMY(BOY)。対バン回数は少ないものの、実はお互い前身バンドの頃からの長い付き合いだそう。Nikoんのオオスカ(Gt/Vo)が言う‟ゴミみたいなバンド”や‟ゴミみたいなブッキング”ばかりだった当時のライブハウスで、互いに光るものを感じていたという2組が満を持してSHELTERで再会。音楽性は違えど、腐らずに音楽をやり続けてきた両者が鳴らす芯のある音、行間に流れる感情に親和性を感じるいい組み合わせだった。
 
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 先攻はNikoん。「なんかSF映画の最初みたいですね」(オオスカ)と、開場時よりプレイするTOMMY(BOY)のDJをSEに、一曲目「bend」。スイッチを入れるように声を上げ、孤独の波に飲み込まれていくようなオオスカの寂しいギターが心地いい。さらに落ちていく「ghost」と、ダークさが増すほど逆に息が出来るような居心地のよさを感じる。Nikoんのソリッドで熱量の高いステージと楽曲がカッコイイのはもちろん、‟Nikoん”というものが発する匂いが非常に魅力的で、みんな引き寄せられるんだと思う。サブスク未解禁という一見閉鎖的なようで、ジャンル問わず様々なバンドと連日対バンを続けるオープンな活動スタイル、怖そうに見えて、MCなどで感じる人のよさ、マナミオーガキ(Ba/Vo)が歌う内省的な歌詞など、一見なんだかよく分からない。でも、そのすべてを内包した彼らが発するヤバイ匂いと、ここでなら本当の自分でいられるんじゃないかという感覚的な部分で吸い寄せられていく。
 
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「本当にゴミみたいなブッキングにたくさん出てた中で、ヤスエさんはゴミじゃないなって思ってて。‟東京”っていう曲が一番好きなんですけど、ライブハウスで周りに人がいるのに一対一で聴いてるような感覚になって。なんでこういう歌詞書いたんだろうって知りたいと思うんだけど、絶対言わないんですよね」(オオスカ)
「Nikoんチームはみんなヤスエさんのこと大好きなんですけど、なんで‟でんじゃらす”なのかみんな知ってるんですか?(笑)」(マナミ)
マナミの声をループさせたイントロが呪術的な雰囲気を醸しだし、ゴリゴリの演奏と自由度の高いステージングでぶち上げる「とぅ~ばっど」、海中をまったりと漂うような「Fly,」、そしてラスト「グバマイ!!」のキャッチーで幸福なサウンドに満たされた。
 
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 つづくヤスエでんじゃらすおじさん(BAND)は、壮大な演奏が孤独感を煽る1曲目「終末論」。<君は部屋の隅にうずくまり><赤いUFOが落ちて 君は終わるのを待っている><君は明日を待っている>、きっと誰もが抱えているであろうギリギリのあの時の心情や情景が重なって、やりきれない思いと、どこか救われたような気持ちになる。美しいピアノとノスタルジックなトランペットの音色が物悲しい「孤独と海」や、多分何度も書いているけど、この日は演奏されなかった「闇光」の<言えない夜がある>という歌詞にも同じくギリギリの細い境界線上をふらふらと歩いているような際どさを感じ、この短い一節にどれだけの日々や想いが込められているんだろうと聴く度に思う。
 
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「湯気」、「異世界」など一気に5~6曲駆け、「Nikoんのライブでぶち上がりすぎてMCをすっ飛ばしてしまった」と、「当時から口が悪く尖っていて、全然変わってないけど、そこがいい」というオースカとの出会いや、「ライブの度に怪我をして、病院に頭を縫ってもらいに行くと看護師さんにまた来たの? と言われていた」という当時のでんじゃらすエピソードを披露。「最近のでんじゃらすは、ライブ中にお客さんの感情を掌握できる瞬間がある」という話からの「THE MAN WHO」、「劇場」、「東京」が凄かった。特に「THE MAN WHO」の淡々とした歌と後半のカオティックで激情的な演奏の対比や、「劇場」の最後、回転しながらゆっくりと落ちていくような不思議な感覚に、温かくて寂しい複雑な感情がこみ上げた。
 
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「人とのつながりを大事にしたいと思っていて。聴いてくれる人がいるからバンドをやっている、ライブをやることが出来るし、こうやって友達と会いたいからライブをやる」。アンコールではこの日のイベント『再逢』について話し、まだ音源化されていない「再会」を披露。昨年12月のクアトロで演奏した際にアウトロで語っていた、「ここで出会って、ここから出たら他人だ」という言葉を思い出す。Nikoんもそうだが、決して村を作るわけではなく、来る者拒まず、去る者追わずというような居心地のよさがある。そういう独特の空気感や、両者の歴史あるつながりを感じる温度感、そしてこれからつないでいこうとしているものなど、細切れの情報では分からない、ライブハウスというリアルの現場だからこそ感じられるものがたくさんあった。
 
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 終演後も、TOMMY(BOY)によるJ-POPからドリフまでの懐かしの選曲とアグレッシブなパフォーマンスで、残った観客、演者、スタッフが集まったフロアを最後まで盛り上げた。いつまでも音の途切れないフロアで時計を気にしつつも、この時間がずっと続けばいいのにという気持ちでいっぱいになった。
 
Text:小野妙子 / Photo:タカギタツヒト
 
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YDO presents「再逢」-SHELTER 35th Anniversary IGNITION GIGS-
2026年9月15日(火)下北沢SHELTER
 
【Nikoん SET LIST】
1. bend
2. ghost
3. step by step
4. Tokey-Dokey
5. とぅ~ばっど
6. sleepwell
7. (^o^)// ハイ
8. Fly,
9. グバマイ!!
 
【ヤスエでんじゃらすおじさん SET LIST】
1. 終末論
2. 湯気
3. 泡
4. 孤独と海
5. 異世界
6. 婚前旅行
7. THE MAN WHO
8. 劇場
9. 東京
en. 再会

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