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来門率いるNEO BURNING FIRESが新宿LOFTで魅せた、いつか"伝説"となって然るべき灼熱の一夜

2025.03.28

 NEO BURNING FIRESの1stシングル『ignition』リリース翌日、新宿LOFTで行なわれたレコ発。リリースにあたりメンバー全員にインタビューをした際、「ミクスチャーはいろんなジャンルと混ざり合える」と語っていたように、レコ発のステージに上がった4組はそれぞれ個性が際立ち、ジャンルも違う。しかしその日を通じた違和感などもなければ、1日でこんなにも多種で良質な音と触れ合える日もないと感じた。新宿LOFTというライブハウスだからこそ作ることができた夜はこの先も記憶に残るものとなるだろうし、“これ、行っておけば…!”と思う人がこの先、出てくると確信している。そんな素晴らしい夜であった。
 

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 午後6時30分のスタート、一番手で登場したのはMANDA。大学のジャズサークルで結成したという3人組でおそらく出演者の最年少、にもかかわらず生み出すグルーヴに圧倒される、気づけば来門(MC/NEO BURNING FIRES)がフロアの前方までやって来て盛り上がっている。

MYM-3030.jpgMYM-1999.jpg そういえば来門が「ボーカルの女の子がインド人でギターも弾くんだけど旋律がシタールっぽい」と評していたのだが、実際にキーボードからギターに持ち替えての演奏はその通りで、ギターでこんなにオリエンタルな楽器のような響きも出せるのか、と驚く。
 

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 「今日は呼んでくれてありがとうございます、メッチャ光栄です」と語り、ラストは手を合わせて「ありがとうございました」と挨拶。このバンドに出会えたことが大収穫だったと言って良い、そう思ったのはわたしだけでないのは、1曲終わるごとにどんどん大きくなっていった拍手が証明していよう。
 

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 この日はフロア内にDJブースも設け、転換中はDJ NOKSによる選曲を楽しんだ。前後の出演者にシンパシーを感じられる曲のセレクトで、ライブレポートを書くべく見にいったのについアルコールを1杯飲んでしまったのはDJの粋な選曲のおかげである。
 
 そんなフロアDJからステージ上のDJ BAKUにリレーし、「こっから燃えていくぜ!」の雄叫びと共に登場したのはJUBEE。いつもの新宿LOFTっぽくない雰囲気で、フロアの照明が妖しく不思議な力を感じられるかの如く眩しい。
 

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 「ラッパーなんでアウェーかと思いきや、上がってくれて嬉しい、もっと上がっていこう!」の声でこの日のクライマックスを迎えたかと思うほどの盛り上がりへ。そんな中、「挑戦する人、挑戦することって大事なことだと思ってる。先輩が挑戦する姿に感銘を受けたし、挑戦して欲しい。挑戦が大事だから」と伝えた言葉はとても響いた。その上で、「来門さんはひと回り以上、年上なんだけど」に対し「それ、言わないで!」とフロアからツッコミを入れる来門、会場全体が笑いに包まれる。
 

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 こうしてJUBEEがパーフェクトな場を作り、素晴らしいバトンを渡す。個人的だがラストに披露した「Kids Were Alright」といった彼の楽曲を耳にしながらこの日は帰路についた。
 
 「LOFT、どうですか? オッス!」と登場したのはKYONO BAND。一音鳴り出した瞬間から体毛が逆立つような、カッコ良すぎて恐ろしさをも感じてしまう感覚を味わう。おそらくこの日、観光で新宿LOFTにたまたま入ったであろう外国人(そういう方も事実、最近は多いのだ)も釘付けになっている。
 

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 もう余計な感想など必要あるまい、「カッコいい!」の声が1曲終わるごとに飛び交う、その声を拾って「カッコつけてるから!」と言うKYONOのちょっとしたギャップにクスっとさせられる。
 

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 最後は「また会いましょう、バイバイ」とピースサイン。重低音轟くとことんカッコ良い音なのに、時おりKYONOが見せる仕草にちょっとキュンとする。最後の最後は「NEO BURNING FIRES!!!」と、大きく叫んでマイクを置いた。正直、KYONO BANDの後の演奏というのはかなりプレッシャーがあるだろうな…と思った。
 
 そしてこの日の主役、NEO BURNING FIRESがステージへ。見ている側の勝手な不安など一気にかき消す来門の叫びから始まる。「I’m here! 俺は生きてる、生きる喜びに満ちてる!」……見たかった来門の姿がそこにはあった、「来門、これだよこれ!」という姿がスタートから炸裂する。「京太郎!」と言う来門、フロアには侍のごとくベースを携えた葛城京太郎の姿が。RED ORCAでの盟友がこうしてこの日を見に来てフロアの真ん中で盛り上がっていることがどれだけ嬉しいことだったろうか。
 

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 SMORGASでもベースを弾いていた河辺真がニコニコとベースを弾く。笑顔だったことを否定するだろうと終演後、本人に伝えるや全く否定しないどころか「でも俺は全然、今日はダメでしたー!」とさらに笑顔。来門と音を出す今を楽しんでいるのが分かっていちファンとして嬉しい。そんな河辺と、ドラマー(であり来門の愛息でもある)RUUがステージ上で時おり顔を見合わせながら、セッションをしているかのようにグルーヴを生み出す姿も最高。逆にDJ BANBIは表情もほぼ変えることなくひたすらクールに音を作っていたが、同じく終演後に尋ねると「俺が盛り上がってしまうと、音が止まっちゃうから。冷静を保ってるんですよ」と笑顔。なるほど納得だが、その笑顔はやはり。この日のライブが最高だったという表れと捉えた。
 

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 そして何と言ってもこの日、ライブで聴きたかった「ignition」。「何度でも燃えてやるぜ、チクショー! 音楽は、俺の命の結晶!」と言い放った来門。レコ発のフライヤーには「何度でも燃えてみせろ」という一文があった通り、NEO BURNING FIRESはこれからどんどん、燃え盛っていくだろう。挫折したからこそ、いろいろなことを乗り越えたからこそ、そして今なおバイトを続けながらでも。「ignition」はそれら全てがあるからこそ描ける歌詞であり、それらを経験した人だからこそ放てる曲だ。新宿LOFT店長であり通称・やなモンがそれを何より分かっている、目を細め穏やかな表情でステージを眺め続けるやなモンの姿に涙しそうになったのはここだけの話。この日のお客さんを代表してやなモン、ありがとう。
 

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 後半で披露した「R-type」では、「リハの時、一緒にやんない? って声をかけた」というJUBEEもステージへ。とても初めてとは思えない息の合いっぷりで、この曲でも「何度でも、燃え上がってやろうぜ! 新宿LOFT!」と叫ぶ来門。音楽への決意がちゃんと見えたステージに胸が熱い。
 

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 最後は来門メンバー1人ずつ抱き合って見送り、深く被ったキャップを脱ぎきっちり頭を下げて礼。しかし燃えたぎる会場の炎は収まることなくアンコールへ、素早く曲に行こうとする来門をRUUが制止し、「今日の物販のことを言わないと!」と。しっかりした息子と親子で同じバンド、かつメンバー4人が20代から50代まで四世代にも渡るバンド。唯一無二で、最高に面白いではないか。
 

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 「失敗を恐れて生きるなんて、マジでゴメンだから!」、そして最後にアンコールでもう一度「ignition」。人生で失敗や挫折を経験しない人はいないと思う、でもそれがあっても、ちゃんと見てくれている人はいるし、何度でも燃えて燃えて、やり直すことだってできるのだ。あの場に集まった全員がNEO BURNING FIRESのこれからをきっと見届たくなっただろうし、誰しもが生きていく力のようなものを手にできたと思う。そんなこの日はいつか“伝説”になって然るべきだろう、決して決して、お世辞などではなく。魂が揺さぶられまくった夜であった。【Text:高橋ちえ(@djchie)/ Photo:MAYUMI(@SOxWHAT_88)|2025年2月20日(木)新宿LOFTNEO BURNING FIRES & やなモン製作所共同企画『ignition release party』
 

商品情報

NEO BURNING FIRES
シングル『ignition』

2025年2月19日(水)発売
価格 ¥1,210(税込)

iTunesStoreで購入

【収録曲】
01. ignition
02. AWAKENING relight mix

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