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森川誠一郎をボーカルに迎えた奇形児、YASUの遺した詩に曲を付けて完成させたアルバムの発売記念ライブを敢行

2025.03.22

1982年に結成された異端パンク・バンド・奇形児が、森川誠一郎(血と雫/Z.O.A1984-2024)をボーカルに迎えたニューアルバム『痺れ肉棒されこうべ』を3月10日にリリースした。
2021年12月に逝去したボーカリストYASUの詩に新たに曲を付けて完成させたこのアルバムはトリビュートや企画物を越えた完成度ゆえ、否が応にも期待させられる発売記念ライブだ。
 
ライブの前後と幕間には、DJのカワグチトヨキ(BACTERIA)が、80年代日本のディープなインディー・パンクを中心にプレイし、そのマニアックな選曲に曲がかかるごとにフロアでどよめきが起きた。
 
オープニングには奇形児に影響を受けたというバンド、背前逆族(うしろまえさかさぞく)。日本語のボーカルを核に変拍子も出てくるツインギターのハードコア・サウンドは、新しさと伝統が同居している。
 

背前逆族DSC_7375.jpeg

背前逆族
 
そして、奇形児の最終メンバーである關口博史(g)、プロレタリアート本間(key)、福島誠二(b)、小室剛(ds)の4人と森川誠一郎(vo)が登場。初期の代表曲から新曲まで全16曲を披露した。
パンク・ロックを内包しながらも幅広い音楽性を持つ現在の奇形児の演奏は、80年代の狂騒を知る者でなくても胸の熱くなるシーンが何度もあった。森川の唱法はYASUへの強いリスペクトを感じさせながら、ある意味、奇形児というバンドの進化形を提示したようなハマり具合だ。
このメンバーによるライブ、一回限りで終わりではあまりにももったいない、今後も続けて欲しいというのはこの場にいた全員の気持ちであったと思う。
 

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關口博史(g)
 

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プロレタリアート本間(key)
 

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福島誠二(b)
 

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小室剛(ds)
 

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森川誠一郎(vo)
 
終演後のDJは、奇形児、サイキ、SISTER RAY、カブトとヤス&FRIENDSというYASUが在籍したバンドの4曲が流れ、YASUの遺した音楽の存在感の強さを感じさせるものであった。(Text:井上正章 / Photo:池田敬太)

奇形児 featuring 森川誠一郎『痺れ肉棒されこうべ』発売記念LIVE|セットリスト

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01. 1983
02. 東京
03. 小心者
04. 17歳
05. 漆黒
06. 殺せ!
07. 木偶
08. ユートピア
09. 白痴
10. 悔悟
11. 神隠し
12. 渇望
13. 病院
─アンコール─
14. PLASTIC LOVE
15. 迷信
16. 奴隷
 
日時:2025年3月20日(木・祝)
会場:新大久保EARTHDOM

商品情報

奇形児 feat.森川誠一郎
『痺れ肉棒されこうべ』

仕様:CD
発売日:2025年3月10日(月)
価格:2500円+税
品番:UNITY 009
レーベル:VOLTAGE / UNITY
流通販売:(株)ウルトラヴァイヴ

【収録曲】
01. 漆黒
02. 木偶の坊
03. 17
04. 偽善
05. パレード
06. 小心者
07. 悔悟
08. OP
09. 神隠し
10. 妬み

【録音メンバー】
森川誠一郎|vo(Z.O.A1984-2024、血と雫)
關口博史|g(サーファーズ・オブ・ロマンチカ、THE FOOLS、ex.ばちかぶり、ex.筋肉少女帯)
プロレタリアート本間|key(殺-KILL、ハイテクノロジースーサイド)
福島誠二|b(THE FOOLS)
小室剛|ds(ex.TRASH GANG)

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