こんばんは。元グラビアアイドルの白川花凛(@shirakawakarin)です。
私は地下アイドルが好きで、14歳のころから地下アイドルとして活動していました。
ハロプロやAKBなど、メジャーアイドルも憧れの対象ではありましたが、とある地下アイドルを好きになり、そこから地下アイドルの文化に触れ、地下アイドルそのものが大好きでした。
なので、自身が憧れていたアイドルと共演することがどれほど幸せなことかわかります。
今回は、アイドルが好きでアイドルになった女の子と、その女の子が大好きなアイドルの対談にお邪魔してきました。
12月13日(木)@ネイキッドロフトの話
姫乃たま
地下アイドル10年選手。2017年に渋谷WWWでワンマン。2019年4月30日をもって地下アイドルを引退。書籍も出版している下北沢のすごい人。私と10年くらい前からのお友達。
一色萌
xoxo(Kiss&Hug)EXTREMEのメンバー。
ガチのアイドルヲタクで彼女がアイドルになる前にアイドルだった私とチェキを撮っていたこともある。
難しそうなアイドルトークイベントには大体出席している優等生。
姫乃「姫乃たまです。今日は冬季鬱がひどいけどがんばります」
萌「一色萌です。鬱じゃないんですけど推しを目の前にして緊張しています。よろしくお願いします。」
「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかー!!」と言いたくなるような流れで、この日のイベントは始まりました。
前述の通り萌ちゃんはたまちゃんのファンであり、登壇した際に身に付けていたバッグもたまちゃんの物販のものでした。
そんなアイドル大好きな萌ちゃんと対象的に、たまちゃんはアイドルでありながらアイドルにはあまり興味がありません。「あっちゃん(前田敦子)とか好きだよ!」と言うくらいには。
姫乃「私、アイドルをやってる女の子の精神性には興味があるんですけど、アイドル自体にはあまり興味がないんですよね。以前は地下アイドル関連の取材もよく受けてたんですけど、最近は低賃金問題とか、もう断っちゃってます。萌ちゃんみたいにアイドル好きで文章書ける子もいてくれたら、私が出る必要もないしね。
それに去年は小金井の刺傷事件の件でよく取材を受けたんですけど、某テレビ局とかひどくて……。
『あのぉ~↑、なんかぁ、あのアイドルについてぇ~↓、取材したいんですけどぉ~↑↑↑??』みたいな感じで電話してくるんですよ……。バイト先の後輩か!」
小金井の事件はとても衝撃的でした。私はその時所属していたアイドルグループの大阪遠征中でした。スマホを見た私が車の中で「えっ、なんか東京でアイドル? シンガー? の人がファンに刺されたらしいよ」と言ったところ、高校生メンバーが「えっ、マジで怖いからやめて……?」と怯えた目をしながら後部座席で縮こまっていたことを今でも覚えています。
たまちゃんと萌ちゃんの出会い
推しとの出会いの場って一生忘れられない思い出になりますよね。私も、地下アイドルを好きになったきっかけのアイドルと初めてあった場所や会話の内容は今でも鮮明に思い出せます。
姫乃「萌ちゃんが初めて私のライブに来てくれたのっていつだっけ?」
萌「……2014年の6/12の大久保ベルベットサンですね!」
手元にあるノートをパラパラめくり、数秒後にその情報が出てくるあたり、しっかりしているガチのヲタクだなぁと思いました。
萌「もともと、ハロプロとかでんぱ組.incさんとかBiSさんとかが好きだったんですけど、その日に姫乃さんのことを初めて見て、こんなアイドルがいるんだぁ~! って。そこから姫乃さんのことをずっと好きです。
あ、でも私、自己主張をしないタイプのヲタクだったんですけど、気付いたら姫乃さんに名前がバレていて……(笑)」
姫乃「そりゃ女の子がだんだん私のTシャツ着ていって、私のバッグ持ってたら認知せざるを得ないよ!(笑)」
自分のTシャツや物販を身に着けているヲタクは認知されやすいですが、女性ファンの場合はさらに覚えられやすいですからね。
50回以上オーディションに落ちたアイドル
萌「今までいろんなオーディションを受けてきました。大体50~60個くらいですかね。」
姫乃「!?」
萌「50は確実に受けてますね。BiSとか、ベルハー(BELLRING少女ハート)とか、ゆるめるモ!とか、その時募集していた大体のオーディションは受けて、全部落ちました。」
50回もオーディションに落ちるって相当メンタルが強くないとできないことだと思います。
オーディションに落ちると大体メールで連絡が来るんですけど、就職活動のお祈りメールより辛いです。
姫乃「それセルフプロデュースのソロアイドルでデビューした方が楽じゃない!?」
萌「いや、一人でやるのは嫌だったんですよ。アイドルをやりたいって気持ちはあったんですけど、アイドルのことを知りたいという気持ちが強かったんで。もう途中から人間観察みたいになってました。」
姫乃「そういえば実は私もBiSだけ受けたんですよ。合格者が出なかったオーディションなんですけど。二次先行くらいまでは面白い女の子たくさんいて、楽しかった。」
あの日、アイドルになれましたか?
そんな50回オーディションを落ちた就職氷河期の猛者のような萌ちゃんからたまちゃんへ質問です。
萌「昨年行われた渋谷WWWのワンマンはタイトルが『アイドルになりたい』でしたが、今年姫乃さんはアイドルを辞めることになりましたよね。」
姫乃「自分でもそれから二ヶ月後に地下アイドルやめるとは思ってなかったよね~~~!!
なんか昔からそうなんですけど、ワンマンライブやると一時的に地下アイドルライブのオファーがめちゃくちゃ減るんですよ。これまではそれでも仕事の質を変えながらやって来たんですけど、今回は活動も10年目になるので、もうやりきったかなと思って」
姫乃「16歳からずっとやっている曲もあるんですけど、BPMに自分がついていけないw
バンドと違って、オケはずっと変わらないから、なんだか自分ばかり成長していってしまう感じがして。」
萌「アイドルになりたい、ってライブタイトルでしたけど、姫乃さんはアイドルになれましたか?」
姫乃「地下アイドルを煮詰めた感じになっちゃった。」
oh……地下アイドルジャム……。
推しを神格化することでDDではなくなる
萌「私は推しを四天王と八部衆と十二神将に当てはめています。これによってDDでも最大24人までいけます!!」
この萌ちゃんスーパー理論を適用したら九十九神とか召喚すれば100人以上推せますね。
ということでたまちゃんが客席アンケートに。
姫乃「この中で推しのことを友達目線で見ている方ー!」
客席:一人挙手
姫乃「推しのことをガチ恋目線で見ている方ー!」
客席:一人挙手
姫乃「皆さんは私達のことを神だと思って見ているということですね。ありがとうございます。」
この日のネイキッドロフト、神々が集うパワースポットになっていた説。
武道館でキビヤックを作ろう
姫乃「萌ちゃんは今後どうなりたいとかある?」
萌「売れたいっていう気持ちもあるし、面白いこともしたいです。」
姫乃「なるほど。じゃあ武道館でキビヤックを作ろう。」
※キビヤックとはエスキモーの人が作るアザラシの中で鶏肉を発酵させた漬物料理であり、納豆の20倍臭いと言われている。
最後はたまちゃんのソロ曲「ねぇ、王子」を二人で歌ってほっこりおしまい。
まとめ
萌ちゃんは本当にガチのヲタクで、アイドルのことになると早口になるのが可愛かったです。
キスエクとたまちゃんが共演した際、萌ちゃんがたまちゃんの捨てたはずのセットリスト用紙を持って帰っていたという話の中で、
たまちゃんが「もし私がそんなことするとしたら岡村靖幸さんだわ!」と言っていたのに対し、萌ちゃんがニコニコしながら「じゃあ姫乃さんは私にとっての岡村靖幸さんです!」と言っていたのがとても印象的でした。
来年、アイドルを引退されるたまちゃんと、そのファンの萌ちゃんによるあたたかいイベントでした。
Text,Photo:白川花凛