『深夜特急』の影響で放浪旅をした経験から生まれた「VIVA!マカオ」
──だそうですけど、SUZZYさん、それはどういうことなんですか?
SUZZY:なんとなくこのコードを押さえてみたんですよ。そのとき、あっと思って。この曲、「ブルースが聴こえた」ってタイトルなんですけど、全然ブルースじゃないんです。
──フラメンコ×パンクみたいな曲ですよね。
SUZZY:そうそうそう。でも、転調するその一瞬だけ、いなたくなるところがブルースなんじゃないかなって思って、それでもう自分の中でこれはブルースですということになったんです。
──おもしろい。
MASAYA:あともう1曲、知江さんがギャロッピングしてるのって。
SUZZY:「VIVA!マカオ」。
MASAYA:あの曲のテナーサックスは、(山崎)心ちゃん(ko2rock)だよね。この曲は心ちゃんをはじめ、参加してるプレイヤーの出してる音がめちゃくちゃヤバい。適材適所じゃないけど、それをチョイスしているSUZZYの何か先見の明みたいなものがすごいなと思います。
SUZZY:一つ裏話をすると、この「VIVA!マカオ」に参加しているウッドベースのミヤモトシュウジとキーボードの三隅朋子とサックスの山崎心ってもともと同じバンドにいたんです。その後、そのバンドを辞めて、朋ちゃんはオールディックに入って、心ちゃんはサックスプレイヤーとして活動し始めて、で、ミヤモト君は鹿児島に帰ったんですけど、その3人がこの曲で再集結したっていう。この3人、みんなうまいんですよね。
──「VIVA!マカオ」は、歌詞もおもしろいですね。
SUZZY:これ、僕の実体験なんです。確か21か22ぐらいだったと思うんですけど。『深夜特急』ってわかります? 沢木耕太郎の。
──わかります、わかります。
SUZZY:あれ読んで、男ふたりで香港に行ったんですよ。バックパック背負って。で、マカオにも行って、そこで有り金すべてスッたんです。
──ええっ(笑)。
SUZZY:それで、お金なくなっちゃったから、友達に借りたんですけど、旅行の日程がまだ2週間ぐらい残っていて。その2週間は毎日、安いものばかり食べてたっていう悲しい歌です(笑)。
MASAYA:ハハハハ。
──その他にも「八ヶ岳の少年」とか「山河へ」とか、実体験を基にした曲がある一方で、「成龍故事~JUST ONE MORE KUNG FU~」はジャッキー・チェンのオマージュだったり、「MY GENERATION」はファミコンだったりと、SUZZYさんのサブカル趣味も歌詞に現れているところが興味深い。
SUZZY:前作の「ドリフが聴こえる」もそうだったけど、今の若い子に知ってほしいんです。だから、ドリフとかジャッキーとか、息子に見せますもん。やっぱり、おもしろいから。ファミコンも今のゲームの基礎じゃないですか。なくなってほしくないなっていう思いで書きました。
MASAYA:SUZZYが子どもに伝えなかったら、ファミコンなんて一生知らないまま育っちゃう可能性は全然あるよね。
SUZZY:そう。PlayStation 5とかNintendo Switchとか簡単じゃん。だから息子にやめろと。スマブラ(『大乱闘スマッシュブラザーズ』)やってるから、ダメだって言って、NINTENDO 64を出してきて。初代の。
MASAYA:ヤバっ。古っ(笑)。
SUZZY:ここからやれってそこからやらせてます。
──ところで、「VIVA!マカオ」「成龍故事~JUST ONE MORE KUNG FU~」、それに「お~い東風」とアジア大陸にも興味が向いているように感じられるんですけど。
SUZZY:「お~い東風」は、チャゲアス(CHAGE and ASKA)の「万里の河」みたいな曲を作りたかったんです。
──そうか。「万里の河」か。言われてみれば、確かに。
SUZZY:だって、「万里の河」、めっちゃ良くないですか。
MASAYA:でも、今の若い子、チャゲアスなんて知らないんじゃない?
SUZZY:知らないと思う。
──だから、伝えていかないといけない、と。さて、今回のアルバム、僕の印象としては、前作よりもロックンロールのニュアンスが増えつつ、プラス非ロック的な要素が出てきたように感じたのですが。
SUZZY:いわゆるジャパニーズ・バンド・サウンドは減りましたよね。

















