‟YDO"ことヤスエでんじゃらすおじさんが新宿LOFT、下北沢SHELTERとタッグを組み、今年2月からスタートした共催イベント『環ル日々』が12月11日(木)渋谷CLUB QUATTROでついにファイナルを迎える。この『環ル日々』というイベントは、若くして他界したSHELTERのスタッフ(上里環)とヤスエとの縁から始まり、2025年2月より2カ月に一度、LOFTとSHELTER交互に錚々たるゲストを迎えて行ない、前回は田渕ひさ子がギター&ボーカルを務めるtoddleが出演した。そのファイナルとなるQUATTRO公演にはLOSTAGEとPEDROを迎えるにあたり、五味岳久(LOSTAGE)、アユニ・D(PEDRO)とそれぞれ対談を実施した。数多くのバンドで活動するヤスエのプロフィールや『環ル日々』の詳細は、先日公開した五味との対談記事を参照していただきたい。アユニ・Dとの対談では、ヤスエがPEDROに出演オファーした理由や、五味との対談にも繋がる音楽と人との関わり方、お互いの「東京」という曲についてなど話していく中で、全くの初対面で歳の差もある2人ながら人として、アーティストとして通じる部分が多く見受けられた。本当は3人で対談できたらよかったのだが、残念ながら実現せず。その分、それぞれの‟人"がよく見える話をたくさん聞くことができた。(Interview:小野妙子 / Photo:タカギタツヒト)
LOSTAGEとPEDROが対バンしたらめっちゃ格好いいじゃん
──前回の五味(岳久)さんとの対談ではお互いの出会いから伺いましたが、アユニさんとは初対面ですよね。まず、今回PEDROに出演オファーした理由から聞かせてください。
ヤスエ:もともとPEDROは昔からよく聴いていてBiSHももちろん知ってるんですけど、めちゃめちゃハマったのは、BiSHが解散したくらいに公開されたPEDROのYouTubeのドキュメンタリーを観て、「この人アイドルだと思ってたけどバンドの人だ」って思って、その時にめちゃめちゃ見方が変わったんですよね。そこからずっと音源が出るたびに聴いて追いかけてます。最近の曲もめっちゃいいし。単純にただのPEDROのファンです。
アユニ:ありがとうございます。
ヤスエ:今回のイベントでSuiseiNoboAzをはじめ、いろんなバンドとやらせてもらったんですけど、最後誰とやりたいかっていう話になった時に、僕は自分のやってる音楽を歌ものじゃなくてオルタナティブだと思ってるから、オルタナティブのバンドサウンドを鳴らしてるバンドって誰だろう? って柳沢さん(新宿LOFT店長)と川本さん(下北沢SHELTER副店長)と考えていたら、LOSTAGEとPEDROが対バンしたらめっちゃ格好いいじゃんとなり、今回オファーさせてもらいました。
──アユニさんがなぜ今回オファーを受けたのかというのがみなさん気になっているところだと思うのですが。
アユニ:正直なこと言うと、いつもオファーの調整は全部事務所に任せているんです。それでマネージャーさんから今回の企画の連絡をもらった時に…すいません、自分本当に音楽シーンに無知で、その時にヤスエさんの名前を知って調べさせてもらって。最初はやっぱ名前と写真のインパクトがすごくて、すごいヒッピーでジャンキーでアバンギャルドな方なのかなってビビったんですけど。
ヤスエ:そうなりますよね(笑)。
アユニ:でも、ライブ映像とか音源とか聴かせていただく中で、どこか憂いを帯びているような声色や息の吸い方出し方だったり、あとはサウンドもすごく色とりどりで、懐かしげを感じるような音楽をやってらっしゃったんで、そこのギャップに一瞬で惹かれて、すごいぞっこんになって、「この人をもっと知りたい」って思ったっていうのが素直な感想ですね。
ヤスエ:ありがとうございます。
アユニ:(田渕)ひさ子さんからもヤスエさんの話を聞いて、「めちゃくちゃ格好いいんだよ」っておっしゃってて。それでちくわテイスティング協会とか、ベルノバジャムズのライブ映像とかも観ました。すっごくいろんな経験をして、紆余曲折を経て難関を乗り越えて音楽をやってらっしゃる方なんだなと勝手に想像して。それが歌詞とかにも滲み出てらっしゃいますし、あえてきっと難しい言葉はあまり使わないような言葉並びが多くて。でも、一見すごい単純明快に見えるけど、一筋縄ではいかなそうなパフォーマンスだったり、インタビューでの発言だったり、筋の通ってることをたくさんおっしゃってる方だったんで、そこもすっごい格好いいなって思いました。オファーを最初にいただいた時は、どんな歴史でこの企画ができたのか存じ上げてなかったんですけど、そのインタビューを読んだ時に、すごく貴重で大事な日に自分は呼んでもらったんだなって改めて思いました。
──LOSTAGEは聴かれていたんですか?
アユニ:LOSTAGEも正直、通ってきてはいないんです。でも、数々のバンドマンのSNSのアイコンがイラストになってた時に、「なんでみんな絵なんだろう?」って人に聞いたら、「LOSTAGEの五味さんが描いてるんだよ」って。
ヤスエ:「五味アイコン」ね。ひさ子さんは今もそうだよね。
アユニ:そこで五味さんの存在を知って。曲を聴くと、いろんな人から慕われている理由と愛されてる理由が分かる貫禄のあるパフォーマンスと楽曲なので、めっちゃ格好いいって思って聴くようになりました。PEDROとして今まではLOSTAGEと交わることはなかったので、めちゃくちゃ嬉しいです。
ヤスエ:五味さんもベース・ボーカリストじゃないですか。だから五味さんにも観てほしいし、逆に五味さんも観てほしいし。そこはいい出会いを作るんじゃないかなって気がしています。
















