SHELTER、LOFTとの共催『環ル日々』、別れがくれた縁
──『環ル日々』もあっという間に4回終えましたね。SHELTERとLOFT共催というのも珍しいことで。
ヤスエ:『環ル日々』というイベントはSHELTERで昔働いていたスタッフの上里環君との出会いがあって。亡くなってから3年くらい経つのかな。どこで出会ったかはっきりは覚えていないんですけど。環君がSHELTER在籍時の企画に確か出させてもらって。彼も「東京」という曲を気に入ってくれてて。よく覚えてるんですけど、ある人の結婚式で環君がいて「東京」を演奏したんですよ。その時もたぶん体調が悪かったと思うのですが、最後まで残って曲を聴いてくれて。確か亡くなる直前だったんじゃないかな。寂しいけど、環君を忘れない意味でも。環君をきっかけにいろんな人に出会って、いろんな人と繋がったし、繋いでくれた。
写真|渡邉大翔(下北沢SHELTER)
──僕がSHELTERで開催した環のお別れイベント(2023年12月11日、『MEGLYMPIC 〜ムーニーマン転生〜』)もいろんな出会いと意味合いが大きかったですね。
ヤスエ:環君の命日に行なわれたそのイベントにも出演させてもらって。毎年そういう彼を思い出すきっかけが12月にある中で、川本君との関係値とかもやっぱり環君が繋いでくれたなって。彼との別れはあったけれども、それがきっかけで僕らは縁が深くなったっていうのは間違いなくて。環君の家族とも仲良くなったり。彼との悲しい別れの中でもこの企画が生まれたという。彼のお陰で出会えた人との繋がりみたいなものを、『環ル日々』を通して表現できたらと思ってる。この企画に同調してくれた柳沢さん(新宿LOFT店長)と川本君と1年間やる、というのはめちゃくちゃ意味があったし、やるべきだなと思ったかな。
──企画に同調してくれたり、ヤスエさんの音楽を支持してくれる仲間も増えてきましたよね。
ヤスエ:本当にやって良かった。めちゃくちゃ良かったです。だからこそ、この企画を絶対にやり切らないと、と本当に思ってるし、死ぬほど音源を作ってリリースしています。毎日追い込まれても、必死にどこかでバットに当ててやろうっていう気持ちを捨てずに毎日毎日やってますよ、この1年は。
想いが深い対バン
──シリーズを通して素敵なバンドに多数ご出演いただきました。印象的な回などありますか?
ヤスエ:全部残ってますね。SuiseiNoboAz(『環ル日々 VOL.1』出演)のメンバーは、昔から凄くお世話になっているし、Vo.石原君は二つ返事でいつもやろう! って言ってくれるような漢気があるし、戦友だと勝手に思っている。ボアズも体制が変わって、新しく3ピースをやっている中で、どんどんどんどん強化してる。ライブがやっぱ凄まじいし。僕からすると、さっきの2010年前後の対バンできなかった、それは永原真夏ちゃん(『環ル日々 VOL.3』出演)もそうなんですけど、今やれてることは自分の中でも実は嬉しさでもあるんですよ。一切僕らは、そこで交わらなかったというか、交われなかったから。これもさっきの孤独とかネガティブ思考の表れなんですけど(笑)。当時共演できなかった人たちと今共演できてるっていうこの幸せを僕が日々噛み締めてて、意外と当たり前じゃない、というのは常によく思ってるんですよ。だからそういう意味で、ボアズも真夏ちゃんの回もめちゃくちゃ嬉しかったし。Emerald(『環ル日々 VOL.2』出演)もメンバーの中野君とか昔からよく知ってて、一緒に酒飲みながら「バンドってうまくいかないなー」とか、そういう話をしてた仲間だから。それがあんな素晴らしいバンドを今やってるっていうのも、もの凄く刺激になる。Acidclank(『環ル日々 VOL.2』出演)も最近出会ったけど、凄く良いミュージシャンだなって本当思ってて。それもさっきの話じゃないけど、音楽活動の中で出会っていて。素敵な人たちと一緒にやらせてもらっているので、そういう意味で全部めちゃくちゃ思い入れが深くて、本当にありがたいと思っているし、未だにSHELTERもLOFTも毎回初回みたいな感覚なんですよ。一切場所に慣れなくて。毎回ステージに上がる時は神聖な場所だと感じるし、全部初回みたいな気持ちでやってる。だからその連続が僕の中では全て想いが深い。想いが深い対バンを繰り返しやらせてもらってる。しかもSHELTERとLOFTで。本当に、やらせてもらってるっていう感じなんです。めっちゃ常に感謝しながら、本当にありがとうございます、土下座、という感じでやってます。
写真|石原正晴(SuiseiNoboAz)
──ブッキングもみんなで話しながら進めましたね。
ヤスエ:本当に音楽純度が高い、熱量が高い人たちに集まっていただいて本当にありがたい。UlulU(『環ル日々 VOL.4』出演)もね、新宿JAM時代からの付き合いだから。大滝カヨ(UlulU Vo/Gt)がソロだった時からもずっと知ってるし、高校生だった頃から知ってるから。
──SHELTER編ラストはtoddleをお迎えします。
ヤスエ:どう考えてもナンバーガールはね、通らずにはいられないですよね(笑)。田渕ひさ子さん(toddle Vo/Gt)がやってるバンドだっていうのもあるし、オルタナな音楽が好きな人だったら、みんな知ってるっていうバンドだし。何よりそこにダゼさん(toddle Dr.山﨑聖之)もいるっていう(笑)。ダゼさんも、『環ル日々』での出会いじゃないですか。環君のお別れライブでダゼさんが僕のライブを見てくれたことで繋がって、そこからダゼさんは足繁く平日のライブにも来てくれて(笑)。そんな素敵なメンバーたちがやってるtoddleと共演できるのも、さっきの大学生時代の自分もそうだし、そういう過去の自分に対して誇れるような活動と出会いができてるっていうのは、本当ありがたいな。基本今の状況、感謝でしかないから。もう死ぬ気でやらないとダメだって本当に思ってます。

















