“最初で最後のトークライブ”ではなかった太陽とシスコムーン
──稲葉さんは、2009年4月25日に『あれから10年! 太陽とシスコムーン、最初で最後のトークライブ』と題したトークライブでプラスワンに初出演していただきました。
稲葉:そうでした。結果的に“最初で最後”ではなかったんですけど(笑)、初めは“最初で最後”のつもりだったんですよね。2000年10月に解散して以降は何の活動もしていなかったんですが、デビュー10周年を迎える2009年にメンバーの小湊(美和)が「みんなでもう一度集まってシスコムーンをやろうよ」と提案してきたんです。最初は驚いて、そういう気持ちがみんなあるの? だったらやりたい! と思いました。
──トークライブ自体が初めての試みでしたよね?
稲葉:私たちは1年半しか活動しなかったので、いろんな経験ができたわけではなかったんです。ライブをやったりテレビ番組に出させていただいたりはしていましたけど、トークライブはやったことがなくて。デビュー10周年を記念したライブをやるにあたっては事前に開催希望の署名活動をしていたんですが、そのプラスワンでのトークライブでアップフロントのレコーディング・ディレクターだった橋本(慎)さんを引っ張り出して(笑)、私たちはライブをやらせてもらえるんでしょうか? と直接お伺いして、そこで「やるしかないだろ!」とOKをいただいたんです。そんなふうに再結成ライブの開催を発表するという記念すべき場になったんですよね。
──僕がよく覚えているのは、海外にいるRuRuさんがSkype(インターネットの無料通話ソフト)を使って生出演したことなんですが、Skypeというのがいかにも16年前らしいなと思って(2025年5月5日にサービス廃止)。
稲葉:本当ですよね。そのときにRuRuと話したのが解散して以来初めてのことだったんです。会うことは全くなかったので。
──それから15年後の2024年4月21日には「太陽とシスコムーン デビュー記念日トークライブ『四半世紀だ!La Ta Ta!』」をプラスワンで開催していただいて。
稲葉:全然成仏できずにすみません(笑)。こうなったら3人ともやれるところまでやっていこうという感じで、今は周年も特に関係なく活動を続けています。
村田:ずっと続けてほしいです。
──それはファンの根強い支援や要望があるからこそですよね。
稲葉:私たちは『ASAYAN』というバラエティ番組から生まれたユニットなんですけど、今や『ASAYAN』を知らない人たちまでライブに来てくれるんですよ。ハロー!プロジェクトの周年コンサートにシスコムーンが出演させてもらったときに観て好きになりましたという若い人たちもかなりいて、そんなことがあるんだなあ……と不思議な気持ちになったりします。本当にありがたいことですね。
──そんな稲葉さんに憧れ、理想の姿と感じながら村田さんはメロン記念日の一員として活動してきたわけですよね。
村田:はい。私たちはずっと太陽とシスコムーンさんの後ろ姿を見続けてきました。デビュー時から楽屋で一緒になっても優しく接してくださって、緊張しいな私たちには凄く頼りになる先輩でした。
稲葉:良かった。怖くなかった?(笑)
村田:全然。
──稲葉さんの第一印象は覚えていますか。
村田:うわー、本物だ! ですね。ずっとテレビで見ていたので。
稲葉:メロンのみんなはデビュー前にレコード会社で電話番やお茶汲みとかの仕事をしていたんですよ。社会勉強のための研修というか。私たちが取材を受けているときにメロンのメンバーがお茶を出してくれたりして、その頃からの付き合いだから長いですよね。ひとみん(斉藤)は当時ギャルギャルしくて、スカートが凄い短くて(笑)。むーちゃん(村田のこと)のことは“ヤギ”って呼んでたね、うちの信田(美帆)が(笑)。
──ヤギ?!
村田:(明石家)さんまさんのラジオに出たときにさんまさんから「ヤギっぽい」と言われて、そこから“ヤギ”が定着した記憶があります。
──あっちゃんは『ASAYAN』を見ていましたか?
アツシ:見てなかったですね。
──稲葉さんと村田さんにとって恩師であるつんく♂さんは、シャ乱Qのブレイク前にニューロティカのライブでダイブしていたそうですね。
アツシ:そうだね。つんく♂やまことがニューロティカのことが好きで、よくライブに来てくれて。(メロン記念日のチーマネに)確か横田基地の辺りで共同生活していたんですよね?
チーマネ:横田基地?!
アツシ:立川の奥のほう。
チーマネ:絶対違います。
アツシ:あれ、どっかで変わっちゃったのかな?(笑) それはともかく、つんく♂たちは新宿ロフトや当時のオンエアイーストへ来てくれてたんですよ。
──そのつんく♂さんが後年、モーニング娘。を筆頭に太陽とシスコムーンやメロン記念日をプロデュースするのを見て、どう感じましたか。
アツシ:そっちは彼に任せて、僕はロフトプラスワンを守ろうかなと(笑)。でも、つんく♂はシャ乱Qが売れた後も変わらず優しく接してくれたよ。うちの最初のメンバーが一斉に辞めたときだから、もう30年前かな。僕がシャ乱Qのライブを見に行って挨拶したんだけど、冷たくされるかな? と思ったら以前と変わらない感じでラフに話をしてくれて。会ったのはそれが最後かな。