ステージに立つと今も感じる鮎川とシーナの存在感
LUCY:あとこれはリリースじゃないんですけど、私は“奈良BAR”をYouTubeでやれないかと思っていて。昔から、シーナ&ロケッツのツアー中にスタッフのみんなが奈良さんの部屋に集まって飲んでいたんです。
奈良:僕はいつも部屋のドアを開けっぱなしにしていたので。シーナに「奈良君、今日は“奈良BAR”は開くとね?」なんて訊かれて(笑)。
LUCY:その“奈良BAR”を、飲みながらリラックスしたトークを配信するのが面白いんじゃないかと思って。奈良さんは酔うとけっこう饒舌で面白いんですよ。こういうインタビューの場だと固いので(笑)。
──ではLOFTグループのトークライブハウスで定例企画にしましょう(笑)。さて、肝心要の11月23日に新宿LOFTで行なわれる47周年記念ライブですが、ゲストが大挙出演した去年とは打って変わって今年はシンプルにワンマンを敢行するんですよね。
LUCY:はい。いよいよ47(シーナ)イヤーに突入するということで、私たちにとっては大きな節目ですね。お父さんは47という数字にシーナを重ねて凄く大事にしていたんです。シーナが亡くなった後も47都道府県でライブをやったりしていたし、遂に結成から47周年に突入するのはそれだけで大きなお祭りなので、ここは4人だけでライブをやってみようかなと。
──セットリストはもう固まったんですか。
LUCY:ちょうどいま考えているところです(註:この取材はライブの2週間前に行なわれた)。
澄田:よろしくお願いしますね。なるべく早くね(笑)。
LUCY:あれもやりたい、これもやりたいで悩むんですけど…まあ、当日には変わっちゃうと思うので(笑)。
──久しぶりに聴ける曲もありそうですか。
LUCY:ライブで初めてやる曲も今回はあります。それは私がぜひやりたいと思っていて。何をやるかは…隠し球として当日までのお楽しみということで。今年は澄田さんが凄く頑張らないと大変なことになる内容になりそうです(笑)。
澄田:でも覚えやすい曲が多いし、さっきも話した通り心底楽しんでいますから。鮎川さんのギターはもちろん、アンプヘッドやヌードケーブルもお借りして臨みます。
──今年行なった2本のライブでも鮎川さんとシーナさんの存在をステージ上で感じたりしましたか。
LUCY:もちろん感じます。それがないとやれていないと私は思っています。
奈良:ライブ中、自分の左側のほうにシーナとマコちゃんの気配を感じますね。実際にはLUCYが唄って澄田君が弾いてるんだけど、パッと振り返って二人の存在を感じることが確かにある。一瞬ですけどね。
LUCY:何というか、ステージに立つとお父さんとお母さんの布団の中に入ってるみたいな感覚になります。心がぽかぽかして。
澄田:布団の中って表現はいいね。やっぱり鮎川さんがこだわって使い続けた機材をお借りしていると、鮎川さんがそこにいるのを感じます。ステージに立つまではプレッシャーも感じるけど、いざ始まれば楽しい。
LUCY:お客さんも温かいしね。
奈良:そう、お客さんに支えられてるのが凄く大きいよね。やっぱり思うのは、シーナ&ロケッツはマコちゃんとシーナが残した大きな遺産なんですよ。ちょっと話が逸れるけど、最近はロック・バンドがどんどん減ってる気がする。本物のロック・バンドがね。出たとこ勝負ができるバンドがどんどん減って、このタイミングで休憩が入るとかあらかじめ決められたことをやるだけの予定調和なバンドばかりじゃないですか。ロケッツはスリルだらけですよ(笑)。
(ここで店内のBGMでシーナ&ロケッツの「ROKKET RIDE」が突然流れる)
LUCY:「ROKKET RIDE」もやらないけんね(笑)。シナロケのライブはやらなきゃいけない曲が多いんですよ。セットリストで遊ぼうとすると、すぐに42曲とかになっちゃうので。
純子:2018年のシーナの日(4月7日)は何曲やったっけ?
LUCY:本編は41曲、アンコールを入れて42曲。途中で酸欠になりそうでした(笑)。
──では最後に、47周年記念ライブへ向けて一言ずついただけますか。
奈良:これからもシーナ&ロケッツをやり続けていくので、本物のロックを味わってもらいたいです。
澄田:鮎川さんとシーナさんが突き進んだ道を絶やしたくないですね。二人のスピリットを受け継いで恩返しをしたい気持ちももちろんあるけど、鮎川さんとシーナさんが歩んだ道を絶やすもんか! って思いがそれ以上にあります。ロケッツが存在する限りは自分なりに邁進していきます。
LUCY:これからもシーナ&ロケッツの応援をよろしくお願いします。来年の活動も楽しみにしていてください。
奈良:頑張りますよ。身体が持つか心配だけど(笑)。