“生かされてる”のを感じながらバンドができている(アサガオ/デラックス×デラックス)
アサガオ:(バンドの)いろんなことを考えたりやらなくちゃいけない、っていうのも個人的に楽しいんだろうと思っていて。歌だけを歌う人だったらこんなに続いてないし、私と志が一緒の仲間だったり、関わってくれている人たちが最高な人たちだからこそできてますし、自分自身も自信になっている部分もありますし。“生かされてる”のを感じながらできている、ありがたい立場にいさせてもらえてますね。誰かに支えてもらってできている部分がある、それが若さなのかもしれないですし、私自身も誰でも包み込めるようなでっかい存在になりたいなと思っているので。
康雄:“関わってくれる人”っていう部分に関して、ことライブで言うと“ここのライブハウスの店長さんとはこういう関係だよな”っていう所と、初めて行く関係性が薄い所だとライブの内容って全然変わってくると思うんですよね。でもそれのどっちが良い悪いでもないんですよ。どちらも先を見てやることで、これから関係性を深めていけば良いわけですから。でもずーっとバンドをやってて思うのは、音源を1曲出すにしてもいろんな人が動いてくれてるんだなと。昔はね、自分のために何かをしてくれてる人と実際に顔を合わせてないと分からなかった。でも会ったことはなくてもCD屋さんがCDを売ってくれてることでも関わってくれてるわけで、そういうことをすごく考えるようになりましたね。同世代の友達はちゃんと仕事をして、働くことでしんどい思いをしてるのを見るじゃないですか。言うてみたら僕らって社会に出ずに(笑)生きてきた、労働の苦しさを分からずにきた部分もあって。だからアルバイトをすることで何とか、社会との繋がりを持ったりしてたんですよね。“借りてきたしんどさ”でどうにかやってたんですけど、働いてる人のしんどさが分かると、自分たちのこの1曲のために取材してくれる人や宣伝してくれる人だったりがいる。会ったことのない人の思いも背負って活動せなアカンなって、思うようになれましたね。前は自分が活動することで精一杯で見えてなかったのかもしれないですけどね。そしたらライブも曲も、ちょっとずつ変わって来た感じもある…かな?
──ちなみにですが、康雄くんはどんなバイトをしていたの?
康雄:塾の先生をやって、夜はリゾートホテルの警備員を掛け持ちでやってました。塾は、自分が忘れてしまってた高校とか中学生の感じとかを思い出させてくれるのも良かったですね。“こんな単語もあったなぁ”って思った単語を歌詞に入れ込んだりとか(笑)。バンドマンではあるけども頑張って働いてるということで、社会と繋がってる…それがMCにも、ね。バンドマン・ミュージシャンとして喋るのではない、(お客さんと)同じ立場で喋れるためにバイトをしてた感覚も、だんだん強くなっていきましたね。
アサガオ:私はずっとライブハウスでイベンターをやってまして、“こんなライブができたら良いな”っていうのを考えたりしていたことを今、具現化しているようなところがありまして。今と変わらないようなことを大学生からずっとやって来て生活スタイルも変わらずに生きていて、今も延長線上にいるような感じです。あとは知り合いのお店のデザインから手伝ったり誰かのサポートをするバイトが多かったですけど、今もグッズやホームページ、フライヤーとかのデザインを私中心にやったりしてますし、いろんな人と出会いながら、私的にはありがたい人生ですね。そして今日もありがたいですね、こんなお話ができて。新宿LOFTの当日は他のメンバーも、いろいろなお話をさせてください。
康雄:それはこちらこそです!
──初対面ながら、とても深くて濃いお話になってこの2組のツーマンがとても楽しみになりました! ではこの日、どんな1日にしていただけますでしょうか?
アサガオ:対バン自体が私たちにとって新鮮で特殊ですし、わたし的には画面の中の人だった四星球の皆さんと一緒にできるというのも、一歩進んでいるからだとメンバーも感じていると思いますし、今後の何らかのターニングポイントになると思ってすごくワクワクしています。いろんなライブを見せるという意味ではお客さんにもこの日にしか見せられないものがすごくあると思っていて。いろいろとパワーを頂きながら、いかつくてド派手なステージにしたいなと思ってます。新宿LOFTはフロアからしか見たことがなくてステージがまだ分からないっていうのがあるのですが(笑)、何か…足し算ではなく、掛け算になるようなことができたらと思ってますね。よろしければ、なのですが。
康雄:すごい…ありがたいですね。じゃあ、その日だけの何かを考えましょう! 面白くなりそうですね、初の対バンでなかなかこういうことってないですけどいきなりできるっていうのは対談させてもらった意味も出てくるなって思いますね。僕ら、ツーマンのライブは対バンするバンドの方向性と真逆なほうに行くことが割と多いんですよ。色の違いを出せるライブをしたいし、それが自分らの引き出しを見せられるなと思ったりしているので。
アサガオ:なるほど〜!
康雄:だから今のところはパンク寄りなほうに行くのかな、っていう予想はしてますね。お互いの持ち時間がたっぷりある中で見応えのあるツーマンになるんじゃないかなと。そしてそれが、新宿LOFTのアニバーサリーにも合うんじゃないかなと。新宿LOFTって昔からパンクの殿堂でもあったし、エンタメ性の強いバンドも支えてきたイメージがあるんですね。そこに面白いバンドとかも出てきて今に至るし、全てがごちゃごちゃになったような夜になれば良いな、っていう感じで新宿LOFTの周年にピッタリなツーマンやな、って思いますね。良いお祭りの日に、賑やかにやれたら良いですね。
アサガオ:私もバンド大好きですし、熱量を持ったものを四星球の皆さんにぶつけたいという思いもありますので、昭和歌謡からちょっと激しい曲も入れつつ。いろんな音楽がある中で、私たちがバンドを選んでいる理由もはっきり分かるような夜になるという意味で“ちゃんぷる”・沖縄で“混ぜる”なんですけども、我々がエンタメ色も出しながらグラデーションを出せる夜にしたいですね。