新宿LOFTで行なわれている『DREAM MATCH』はタイトルが表す通り夢のような対バンを楽しめる日で、8月22日(木)で相対するのは9mm Parabellum BulletとKEYTALK。『DREAM MATCH』を企画する新宿LOFT・樋口氏はまず"第一線でやっている先輩・後輩で組み合わせができないか"と思い、"昨年に両バンドとも日本武道館公演を行なっていて、この2組で開催できたら面白いのでは"と考えたと話す。
新宿LOFTが現在の場所・歌舞伎町に移転して今年で25周年。アニバーサリーイベントが連日繰り広げられている中で、この2組も新宿LOFTとの縁があるのはもちろんのこと、実は今まで対バンが行なわれていなかった(!)という事実に驚いたところから始まった対談は、出会った頃やこの日に向けた思いを語ったり、互いの音楽感や自身の音楽論にも及ぶ濃い時間に。さらにフォトセッション時には小野武正(KEYTALK/g)も登場! この2組での『DREAM MATCH』、いったいどんな夜になるだろう?(Interview:高橋ちえ / Photo:丸山恵理)
9mmは発明をしたバンド/KEYTALKは一つの刃をメッチャ研いでる
菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet ※本文中は9mmと表記/vo&g):9mmとKEYTALKって、ちゃんと対バンをしたことが今までなかったから、多分ファンの人たちも“あ、やっとやるんだ!”みたいな感じなのかも(笑)。イベントではしょっちゅう一緒になってたけどやっと今回、ここで。毎年、必ずフェスでは会うし近いところにはいるんですけどね。
八木優樹(KEYTALK/dr):そうですね。僕の周りでも“9mmと新宿LOFTでやるの?”ってメチャクチャ言われて。かみじょうさんのドラムセットがLOFTにある、っていうことを想像するだけでもうワクワクしますね。
かみじょうちひろ(9mm Parabellum Bullet/dr):スタッフさん、大変そうだね(笑)。
八木:LOFTのスタッフさんも“大丈夫かな?”って言ってました(笑)。(以前に)ライブハウスだと、O-EAST(渋谷)でのイベントでご一緒させていただいた気がします。
菅原:2014年(9mmの自主企画『カオスの百年vol.10』w/ TOTALFAT, KEYTALK)だね。
かみじょう:対バンはしてなくても、(飲んでいたりプライベートで)八木のことはいっぱい見かけてて、そっちのイメージのほうが強いからね(笑)。
八木:ちゃんと、バンドもやってまして(一同笑)。
──では遡って、2バンドの本当に最初の接点っていつでしょうね?
菅原:俺たちと(首藤)義勝(KEYTALK/vo&b)は元のレーベルが一緒で、そこがスタート地点ではあるけど、KEYTALKと9mmだと…?
かみじょう:2007年に今のこのメンバー、になったんだよね? 対談するからちゃんと調べてきたんだよね(笑)。それでKEYTALKっていう名前は、上原ひろみさんの楽曲から来てるって。【補足:KEYTALKというバンド名での活動は2009年〜】
八木:詳しいですね〜(笑)。
かみじょう:2007年ってことは、俺らがメジャーデビューした年なんだ。
菅原:最初にいつ会ったかっていうのはもう分かんないね(笑)。KEYTALKがフェスに出始めた頃には“義勝がやってるバンドだ”って挨拶したりして出会ってるからね。
八木:ぬるっと、出会ってる気がします。僕も9mm前レーベルのフェスとかに行ったりしてたので、もしかしたらそこでお会いしたりしてるかもしれないですね。
菅原:ね。バンドとしてぶつかるのは、本当に10何年越しなんですよ。俺たち今年、そういうのが結構あって。この間は、俺と歳が同じ(北島)康雄ちゃん(/シンガー)の四星球と一緒だったり、7月はザ50回転ズと一緒にやったり。俺たちが結成20周年なんですけど、活動してる歴史で同じように名前も聞くしフェスにも出てるし、何なら友達なのに対バンしたことがなかった人たちって結構いて。意外と、いるよね?
八木:いますね。
菅原:すごく近くにいるはずなのに、意外とKEYTALKもそんなバンドだった(笑)。
──そんなお互いのバンドをどう見ているのでしょう?
八木:僕が9mmを知ったのは19歳ぐらいです。その当時、ジャズとかフュージョンにハマってて日本のロックバンドをあまり聴いてなかった時で。音大に通ってたし、周りもそういう人が多かったんですよ。そんな中で、“今、ロッキンにヤバいバンドが出てるから見たほうがいい!”って、それで見たのが9mmでした。2007〜2008年頃だと思います。もうライブがとにかく尖ってて、前のめりで。
菅原:うんうん、そうだね。
八木:それで音源を聴いたら音源も…。
菅原:前のめりでしょ(一同笑)。俺たち、今も昔の曲を変わらず演奏するんだけど“何でこんなことをしたんだ?”って思ったりするもんね。速くするとか突っ込むことでしか演奏の勢いを出せなかったんだよ。
かみじょう:難しいことができないから、速くして誤魔化すっていうね。
八木:いや、曲はムズいっすよ!!(笑)
菅原:BPMを上げるっていう、若気の至りだなって思うんだけど。
八木:USインディーを聴くきっかけにもなったバンドが9mmでした。USインディーみたいなコード感・音づかいをされていて、それを分かりやすく僕らに伝えてくれたバンドだと思ってます。
菅原:滝(善充/g)がFugaziとかを好きだからね。その辺のコード感で、ビートはもっと分かりやすく、パンクとかメタルとかで。
八木:それにちょっと、歌謡感もあって。発明をされたバンドです、9mmは。
菅原:うん、発明感はあるよね。