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INTERVIEW

トップインタビュー【新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念インタビュー】四星球 vs デラックス×デラックス - パンクも昭和歌謡もエンタメも泣き笑いも全てがごちゃ混ぜな超弩級ガチンコツーマンを東洋一の歓楽街で敢行!

パンクも昭和歌謡もエンタメも泣き笑いも全てがごちゃ混ぜな超弩級ガチンコツーマンを東洋一の歓楽街で敢行!

2024.08.27

新宿LOFTの周年にピッタリなツーマン(北島康雄/四星球)

──四星球は全国のライブハウスを周るようになってから相当経ちますよね。

康雄:大学の軽音部で結成して、大学3年の時からなので20年近くですね。

アサガオ私たちも大学のロック部・ロックサークルで出会って(結成)ですね。私たち、四国はまだ、ライブで行ったことがないんですよ。来年のツアーで初めて愛媛と香川に行くんですけど、楽しみですね。

康雄:愛媛の人は(デラデラを)好きそうな気がするな〜。僕のイメージでは愛媛と香川が割と都会で、愛媛は誇り高い感じで都会的なものに良い反応を示すし、柔軟なのは香川かな。高知県は四国4県の中ではよくお酒を飲むから沖縄に近い(笑)、だから沖縄のバンドさんを受け入れやすいのは高知県かな。一時期、高知に住んでたジャアバーボンズ(沖縄出身)も合ってるなぁと思ってましたし、それで徳島にもよく来てましたし。徳島は阿波踊りがあるのでお祭りが好き、みたいな。そういう4県のイメージですね。

アサガオなるほどですね〜。地方に行くと“シャイな県民性”とかがよく言われたりしますけど、沖縄も結構シャイな人が多いんですよ。

康雄:そう! 意外にそうですよね!

アサガオだから我々も、意外とシャイな県民性の街でも受け入れられるところがあったり。同じ、若しくは近しいセットリストなはずなのに、受け取り方が全然違ったりとか。県民性ってあるんだなということも感じたりしていて。

康雄:県民性ってメッチャありますよね。僕がまだ20代の頃に言われたことの一つは、“東北ではゆっくり喋らなアカン”みたいな。20年近く前になるし今みたいにSNSも発達してない時で、今でこそ地方性みたいなのは無くなってきてると思うんですけど、昔はもっとあった気がしますね。テレビとラジオが全てだった時代でしたし。

アサガオそうですよね。我々のお客さんの層にしても30〜40代の方が多くて、県民性が色濃く残ってる世代だと思うんですよね、というのもあって、私たちも県民性を感じる部分が多いのかなとは思ってますね。

康雄:それでまた面白いと思うのは、(デラデラは)自分の世代より上・40代のお客さんとかに向けてライブをするわけじゃないですか。僕が20代の頃に先輩のバンド…例えばニューロティカとかとツアーを回らせてもらうと40代のお客さんとかがいるんですけど、20代の時に40代の人に向けて(MC等で)言えることがないなぁって思ってたんですよ。今の若いバンドの子とかはガツガツ言えてるけど、当時、どうしたら良いんだろうなって悩んだ…と言うか、突破口がなくて。

アサガオその世代がずーっと、我々を応援してくれてまして。

康雄:だからもはや、世代を超えたところでやっていらっしゃるのでしょうね。

アサガオ“どの世代でも楽しめる”みたいなところは私も意識しているところで。家族でも来られる、学生さんだったら親に“一緒にライブに行こう”って言いやすいバンドになりたいですし、実際に孫/お母さん/お祖母ちゃんの三世代でライブに来てくれたりとか、地元のお祭りに出ることも多かったので、全体を捉えるという意識をすごくしてたかなとは思いますね。

康雄:年齢で括るのは失礼な話になりますけども、今の段階でそれはすごいなと思いますね。僕らの世代で周りを見たら、20代の時にそういうバンドはいなかったかなぁと。例えばですけど、この先ずーっと何年も、年取っても、バンドをしていきたいなって思うようになってから、全世代に向けてやり始めると思うんですよね…僕はコロナ禍で、この先もバンドをやっていこうって思うようになったんですね。そう思ったら、子どもに喜んでもらわんと難しいな、というところに行き着きまして。例えば10代〜20代のバンドに向けてやるのは、その時・その時代の新しいことをしてないと難しくなっていくけども、子どもって普遍性があって、いつの時代の子どもでも通って喜べる曲っていうのがある。僕らって衣装とか演出で割と攻めた、奇抜なライブもするんですけども、コンプライアンスが厳しくなってきてる。ブリーフで法被姿に引くのは大人で、キャッキャと笑えるのは子どもの世界だったりして、子どもが笑えば大人も笑う…それに気づけたのがここ何年か、で。どこを狙って、結果として全世代に向けてるかだと思うんですけど、それを既に感覚的にやられてるのが、すごいなと思いますわ。

アサガオ分母が大きいほうが良いって考えると全世代だと思ってますし、10〜20代が憧れたり流行ってるものや、最先端・今尖っている何かを作り出すというのも分かるんですけども、先ほど仰っていた普遍的・良いものは良いっていうものをずっと感じて生きてきたので。私たちで言うと例えば、昭和歌謡をやっているんですね。私の祖母がカラオケ教室に通っていたんですけど、すごく懐かしい気持ちになったんです。全然、世代じゃないし、その時代に生きてないのに。時代という要素もあると思うんですけども、日本人というDNAに直接訴える何か…メロディだったり音の心地良さとか、昭和歌謡にはその魅力があるんだなって。平成でも令和でも関係なくリバイバルするし、我々が改めて、そういう名曲を蘇らせる存在になれたら嬉しいですし、それをやり続けることによって未来の全世代にも向けて行ける、というのを思っていて。

康雄:おぉ〜、なるほど!

アサガオだからこそ、小さい子たちも我々のパフォーマンスを真似てダンスをしたりとか、仕事が上手くいかなくて辛い50代のサラリーマンの方が“パワーもらったよ!”って言ってくれたりとか。いろんな世代が我々のエンタメをパワーに変えている感じで、そのために我々はやっているんだなということを最近、実感してきてますね。日本人ってモヤモヤを皆、抱えてるじゃないですか。コンプレックスを抱えてる女の子もおじさんもたくさんいますし、そのモヤモヤを全部ライブハウスに持ち込んでも全部、我々が爆音とパフォーマンスで吹き飛ばして。空っぽになった身体に、音楽を注ぎ込んでお腹いっぱいにして帰す。これは世代とか関係なくやり続けられることなのかな、とは思ってて。

康雄:素晴らしいですね。

アサガオ最初はバンドの運営に必死だったので“どの世代がお客さんとして通ってくれるのかな”って、目の前の収益を考えすぎてやっていた時期もあったんですけど、やっていくほど“そうじゃないな”と思ったんですね。小手先の感じは自分が透けて見えて(笑)。音楽ってもっと漠然とした、誰も説明ができない不思議な力があるものだから、私が個人で思い悩んでどうこうできる代物じゃないし、でもそれで我々はご飯を食べていこうとしてる。だからこそもっと大きく捉えないといけないなって気づきまして。そこからちょっと変わって来たかもしれないですけどね。

康雄:素晴らしいのは、そこにちゃんと若さがある。そして希望めいたものもある。それがすごく良いなと思いますね。音楽で生きていくということすらも今は楽しめてショーになっているのかな、と。ショーとして生き様をライブに反映していく人が多分、残っていくんだろうなと思うので。

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LIVE INFOライブ情報

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新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念『music with you!』
【日程・会場】2024年9月19日(木)新宿LOFT
【時間】開場18:15 / 開演19:00
【チケット】通常¥4,200・学生¥2,500 / 当日未定(いずれもドリンク代別¥600)
*チケットはイープラスにて9月18日(木)18:00まで発売
【問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382
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