メメタァのライブで、ダイブが!!!
樋口:『メメフェス』、3マン、ツーマンと来て『年末大感謝祭』で、私自身の1年を振り返る上でもメメタァは外せないバンドの一つで、今年の締めくくりは皆と自由に話したいなと思って。KALMAとの対談で言ってたけど、最初に出会ったときにKALMAは高校生だったんだって?
成悟:そうなんですよ、それでちゃんと対バンしたのはあの日が初めてで。今までメメタァのライブでダイブとかが起きたことがなかったんですけど…。
樋口:(声を大にして)分かる! この日、ビックリしたもん! 『年末大感謝祭』もダイブ止めのスタッフがいるかも、とか言ったりしてるんだよ(笑)。
太陽:(ダイブが起こるのが)今年の夏フェスを過ぎたあたりからなんですよね。
カワギシ:ダイブ、起きるんだ!? って思ったもんね(笑)。
成悟:大阪のライブハウスに5年ぶりぐらいで深夜に出たんですけど、僕らの前までは結構ダイブをやる出演者で、僕らの出番のときにダイブキャッチのスタッフさんが一旦、休憩に入ったんですよ。ライブ始まって、あっ! って、すぐ戻ってきましたね(笑)。
太陽:今年はメメタァのライブも転換点で変わりましたね、お客さんの勢いとかも変わったし。
樋口:自分たちでも何か、変わったことってあったのかな?
成悟:ボーカルとしてもう少ししっかりしないと、俺が前に居続けないと、バンドを率いれないなと思って。4人でやっているバンドだけど、俺が引っ張ってるっていう感じをもう少し出したいなというのが今年、もしかしたら良い感じになったかもしれないですね。
太陽:俺は成悟のことが大好きでメメタァにも入ってるけど、後ろで叩いてても分かるんですよ。対バンしたバンドマンが今年増えて、MCにしても覚悟があるなと感じるようになったし、一人の人間としても成悟についていきたいって思わせることが増えたなと感じてますね。
カワギシ:いい意味で(成悟が)わがままになったなと思ってて。ちょっとずつ進化している感じを確かに今年は、すごく分かりやすく感じてました。本人には言ってなかったですけど。(太陽を見ながら)MCでちょいちょい、泣いてるもんね(笑)。
太陽:俺、今年は結構、泣いてる(一同笑)。
樋口:それは単に歳を重ねて涙もろくなってるからじゃないの?(笑)
カワギシ:俺たちのほうに刺さってるんじゃないか、っていう言葉を言ったりするときがあるもんね。
工藤:うん、それはあるね。個人的には俺は、(成悟は)変わってない思うっていう感覚で。“お前はもともと、こういうものを持ってんだから出してけよ!”っていうのが今年、できたんじゃないかなって思ってる。
カワギシ:あぁ、確かに。元の人間をさらけ出してきた感じなのかも!
成悟:うん、多少ね(一同笑)。「ブルースドライバー」って曲を今年5月に出したんですけど、この曲でダイブが起こるんですよ。前に、“最も個人的なことが最もクリエイティブなこと”って、映画『パラサイト』の(ポン・ジュノ)監督が言っていて。もっとプライベートで良いんだ、俺がどういう人間なのかとかどう思ってるかというほうが、(楽曲を)聴く意味があるんだろうなと。そういうマインドもありましたね。
樋口:今の成悟くんの話を聞いて、フジファブリックが『CHRONICLE』(2009年)を出したときのことを思い出したよ。すごく赤裸々にさらけ出していて。
成悟:そうですよね、僕も好きですけど、あのアルバムは確かにすごかったですよね。
樋口:そして名盤として今も残ってるしね。でもメメタァはこの1年を振り返って、全体的に良い1年だったんじゃないのかな?
成悟:そうですね、良い1年でした。濃い〜です!
カワギシ:数年前は出られなかったイベントに出たり、できなかったことが一気に、ガッ! とできて。
太陽:だからコロナが明けたんだっていうこともようやく実感できたし、コロナがあっても続けてきて良かったな、って思いましたね。
成悟:出たいイベントに出たり一緒に演りたい人とステージに立ったりできたけど、でもそれで、さらに挑戦したいことや戦わなきゃいけないっていう姿勢でライブをしなくちゃいけないっていう瞬間がすごく多くて。前に進んでるんですけどさらに超えていかなくちゃいけないものとか、もっと頑張らなくちゃって思うことも多かったですね。
樋口:でもそれは、これまでに比べて課題だったり目標のレベルと言うか、自分たちに求めるものが上がってるってことだよね? 去年の対談のときと比べても、話してる内容の質が上がって会話が変わっている感じがするよ!
成悟:前、樋口さんに“ヒット曲を作りなさい”って言われたことがあって。
樋口:それは賛否両論あると思うんだけどね。
成悟:出たかったフェスとかライブに出て、ヒット曲があるというのはこういうことか…って。より、自分の中で意味が分かるようになって、ヒット曲があるって強いな、って。
太陽:それ、3マンのときに「なにやってもうまくいかない」(meiyo/2021年)のお客さんの盛り上がりを見たときにもすごく思いました。
樋口:それはお客さんも絶対に(ライブで)この曲を演って欲しい、って求められる1曲があるってことだからね。そういう曲が1曲ある、しかもそれは今や世界でも聴いてもらえるわけだからね。
成悟:今まではメンバー4人、まず“良いライブをしよう”って、良いライブをするために曲を作るっていう視点だったのが、“どうやってこの曲を聴いてもらうか”っていう別の視点ができた1年でもありましたね。