9月9日にシングル「こころ」をリリースしたメメタァが、東名阪3カ所のツアーに出る。今ツアーを"一瞬に全てをかける等身大の僕ら"と表し、各地でゲストを迎えながらのツアー初日を9月24日(日)に新宿ロフトで迎える。そのゲストはKALMA──年齢差もあれば、北海道を拠点に活動を続けてきたKALMAとそもそも繋がりがあるのか? と思った方、2組の最初の接点から始まったお話をお読みいただけばこの日のライブにがぜん興味が湧くはず!
ということで、ツーマンライブをいよいよ約10日後に控え、新宿ロフトに両バンドのフロントマン・西沢成悟(メメタァ/Vo&G)と畑山悠月(KALMA/Vo&G)、サンライズ太陽(メメタァ/Dr)がやってきて、長年メメタァとタッグを組み新宿ロフトでの企画や公演を担当してきたブッキング担当・樋口寛子も加わり語らった。その会話を通して、2組それぞれのバンドとして見えていなかった魅力も垣間見えた気がしている。(Edit:高橋ちえ / Photo:木下マリ)
“メメタァ聴いてます”ってDM、嬉しかったな(西沢成悟/メメタァ)
成悟:メメタァが最初にKALMAと一緒だったのはね、名古屋のサーキットイベント。『でらロックフェスティバル2019』に出てたの。
悠月:それ、18歳で高3のときとかですね。
成悟:何で覚えてるかっていうと、(KALMAが)9分押してたのよ。
悠月:当時、高校生でそもそも“押しちゃいけない”みたいなことも全然知らなかったんですよ。
太陽:気持ちさえ込めれば良いって思ってたんだ!
悠月:そうです。だって、学校の先生だってチャイムが鳴っても授業するときとかあるじゃないですか(一同笑)。だから、楽しかったら良いみたいな感じだったんですよね。そのときも楽しすぎて時計とかも見てなかったし、ライブ後にメッチャ怒られまして、持ち時間にこんなにも厳しいものなんだと。いま思えば、全方面にご迷惑をかけてますよね。
成悟:KALMAの次(のアクト)が、友達のベランパレードっていうバンドだったから覚えてるんですけどね。それでその年の11月に、渋谷LUSHで対バンをして。
太陽:その対バンはメッチャ覚えてる。KALMAがトップバッターで、“次の日が学校だ”って言ってて。でもあの日もさ、確か15分ぐらい押してるんだよ(笑)。高校生だったしみんなで許してたんだよ、“アドレナリンが出たんだろうな”って。
悠月:普通に世間知らずの、クソ高校生バンドでしたね(笑)。
成悟:でも、押したりもするよね。気持ちが溢れちゃうと。
悠月:ワタナベシンゴ(THE BOYS & GIRLS)という人が札幌にいてすごく喋るんで、(影響を受けて)MCが長くなっちゃうんですよね。
成悟:その、渋谷LUSHでのライブのときにリリースがあったとかでCD店周りもしてて、すごいなぁ、そのうち絶対に来る(=ブレイクする)んだろうなって思ってて。
太陽:背筋がピーンとしたんだよな(笑)。今年の『ムロフェス』で、渋谷LUSHでの対バン以来でちゃんとライブを見たんだけどあのときとは全然違ってて、メチャクチャカッコ良くなってる! って思った。悠月が大人になってる! って(笑)。メンバー1人1人と連絡は取っているけど、特に悠月は音源が出来たらLINEをくれたりとかしていて。今回やっと、初めてツーマンで対バンだからね。嬉しいなぁ。
悠月:本当ですね、嬉しいです! 新宿ロフトはこの日、初めてライブをやるんですけどマジで…情けないです。
太陽:おいおい、どうした!?(笑)
悠月:バンドが今年で8年目なんですけど、なのに未だ新宿ロフトでやったことがなかったんです。
樋口:私、去年の『スペースシャワー列伝』でライブを拝見してたので今回、メメタァの対バンでKALMAというお名前を見たときに、ただただ楽しみだなと思っていて。新宿ロフトはどんなイメージとか、あります?
悠月:バンドとしての登竜門みたいな老舗のライブハウスだし、本当にいつかやりたいと思ってました。
──バンドとしてのKALMAについても少し触れさせてもらいたいのですが、かつて高校のときから上京してはライブをする、そんな中でメメタァとも一緒になる機会があったということですよね?
悠月:そうです。札幌で高校生だったんですけど、ライブに関してはメッチャいろいろと経験をさせてもらってました。札幌でのライブは平日の学校終わりで、東京は週末に行く、みたいにやってました。
太陽:学校はちゃんと卒業できたの?
悠月:本当にギリギリでしたけど、できました。ベースの(斉藤)陸斗は頭が良かったのでテストもちゃんとやってましたけど、僕は本当に勉強がしたくなくて学年で下から2番目とかで。ヤバかったんですけど、担任の先生はバンドをやっていることも知っているのに一切バンドのことは言ってこなかったんですよ。最後の最後のタイミングで“お前、(成績で)1があるから卒業できないかもしれないぞ。お前がバンドをやってるのは知ってるし、応援するから”って励ましてくれて…何とか、卒業はできましたね。だからそんなお陰もあって、ライブもやれてました。マジで青春でしたね、東京でライブをして次の日の朝イチ3人で羽田空港から帰って、着いてから制服に着替えて(笑)。
樋口:えぇー、そうだったんだ。それはすごいな!
悠月:キツかったですけど楽しい部分が勝ってたし、すごく純粋に何も気にせずに音楽を楽しめてましたね。最近、ありがたいことにちょっとずつお客さんも増える中でライブをしていて、昔に比べて1人1人に唄うというよりかはそこにいる全員に唄ってる感じだなと思ったんです、自分が。そういうときにメメタァの曲をサブスクとかで聴くと、成悟さんは絶対に、1人1人に向けて唄っている。それが当たり前なのに…ってメメタァの曲を聴いて、すごく思わされたことがあったんです。自分は1人1人の目を見て唄う余裕がなくなってる、でもメメタァは“1人1人に向けてちゃんと唄うんだぞ”って、唄ってるなぁっていうのを最近、すごく感じてました。
成悟:そう言ってもらえると嬉しいなぁ。DMをくれたこともあるよね、“メメタァ聴いてます”って。
太陽:悠月は昔っから“メメタァ聴いてます!”って、こと細かにLINEをくれるんですよね。ガチで(2組の)接点がないって思われてるけど意外にあるんだよね。俺ら、友達だよ!(笑)