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INTERVIEW

トップインタビューシーナ&ロケッツ - 結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

2023.11.08

メンバーが一人でも生き残っていること自体が奇跡

──他にも、当日の現場でのみ明かされる豪華なゲストが2人いらっしゃいますが、それは来場された人だけのお楽しみということで。行こうかどうか迷っている人は絶対に行ったほうがいいと言いたいですね。

純子:寺井さんの映画の中で、シーナ&ロケッツのやってきたライブのことを「ひとつひとつのライブ全部が事件だった」とコメントしてくれた方がいて、私はその言葉がとても嬉しかったんです。私もLUCYも全く同じ気持ちだったし、お父さんとお母さんがやるライブはいつも凄いと感じていました。今回の46周年記念ライブも間違いなく凄いものになるはずだし、ぜひ観ていただきたいです。

LUCY:バンドの世界には再結成や解散を打ち出して商売に繋げるやり方がありますけど、シーナ&ロケッツは45年間ずっと歩みを止めずに来たんです。お父さんは周囲に心配をかけたくないからと病気のことは一切公表せず、シーナ&ロケッツをずっと続けると宣言していました。明日も明後日もライブがあるし、1年後でも100年後でもバンドをやり続けるぜ! という心意気だったので、熱心なお客さんですら「シナロケはいつでも観られるからまた今度でいいや」みたいな感じになっていたと思うんです。私はそれを近くで見ていて、凄く悔しかったんですよ。特に去年、病気が発覚して以降は「お父さん、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだよ?!」という思いがずっとあって。

純子:「また今度行くね」と言われると、その“今度”がもうないかもしれないのに! と言いたくなるのを堪えるのに必死でしたからね。

LUCY:「シーナのいないシナロケは観られない」と言われたこともあったけど、お父さんが病を押して精一杯やってるんだから観てよ! と凄く思っていたし。

純子:そうやってお父さんもお母さんも一本のライブの重みを感じながらやってきたのに、それをストレートに伝えられないもどかしさと悔しさが絶えずありました。

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コロナ禍に見舞われた2020年

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高塔山ロックフェス(2023年10月21日)

LUCY:シナロケのライブは、中音が外音と変わらないくらいの凄まじい爆音なんです。もっと要領良くやれば、中音を整理して音を下げながら演奏して、それを爆音で聴かせる方法もあるのかもしれないけど、シナロケは常に裏表なく爆音一発勝負なんですよ。その状況下で唄うのはとても大変なことだけど、シーナがそうだったように、私は「自分の歌が聞こえないから中音を下げて」とは絶対に言わないようにしたんです。それを言ったら負けだし、シーナは絶対にそんなことを言わなかったので私もそのスタンスに倣ったんです。聞こえなくても何でも聞こえる音量で自分が唄えばいい、それで自分を出しきればいい。その思いで唄ってきたし、そうやって身を削りながらやってきたから一本のライブに懸ける重みが要領良くやれる人たちとは違うんです。

純子:いつも格好いいライブをやっていると、それがいつしか当たり前の基準になっちゃうんですよね。私は昔からお母さんのことをなんて凄いボーカリストなんだろうと思っていたし、いつのことだったか、ライブが終わった後に「今日のライブも本当に格好良かったよ!」とお母さんに言ったら「嬉しい…」と泣かれたことがあったんです。お母さんやお父さんくらいになると格好いいことが当たり前で、何をやっても「当たり前」に片付けられてしまうところがあったんですよね。私がまだマネージャーをやる前、20代の前半だった頃にシナロケがウィルコと一緒に回ったツアーのレポート記事が『DOLL』に載ったことがあったんです。そこで大御所だからこそ格好いいんだみたいなことが書かれてあって、私はその“大御所”なんて言葉で体よく片付けられた感じにブチ切れて(笑)、『DOLL』の編集部に抗議の電話をしたんですよ。そのときに編集長の森脇美貴夫さんに代わってもらって、「このライターが書いていることは格好良さが全然伝わらないし、“大御所”という言葉で片付けるなんてロックに対する冒涜ですよ!」と怒りをぶち撒けたんです。そしたら森脇さんが「君みたいな本当のロック好きがわざわざ電話してくれて僕は嬉しいよ」と言ってくださって、最後は良い塩梅に宥められたんです(笑)。いま思えば当時のシナロケはまだ結成20周年くらいの時期だったのに、その時点ですら“大御所”や“大物”なんて言葉で安易に片付けられる風潮が本当に許せなかったんですよね。

LUCY:バンドはいつなくなってもおかしくないし、実際、私が大好きだったバンドは古今東西で一つも残ってないんです。今にして思えばもっとCDを買っておけば良かった、ライブを観れば良かったと後悔しかないし、バンドはメンバーが一人でも生き残っていること自体が奇跡みたいなものなんです。

奈良:そういうバンドの在り方もそうだけど、日本のエンターテイメントは全体的に演者に対する扱いが軽すぎるんですよ。その昔、ハリウッドで仕事をした後の(松田)優作さんから「日米じゃ演者に対する扱いが全然違うよ」と話を聞いて、優作さんがお金を出してくれてニューヨークへ行ったことがあるんです。そこで目の当たりにしたのは、たとえば日本で俳優がボクサーの役をやるなら自分のギャランティの中からボクシングを習得する費用を捻出するけど、向こうは最初からギャラとは別にその費用が全額保障されていることだったんです。撮影中もその俳優のために大きなバスが個別に用意されて、そこで一流の料理人が栄養管理をしながら最善のメニューを提供する。全世界を相手にするマーケットだから根本的にスケールが違うのかもしれないけど、エンターテイメントの在り方に対する意識が日本とはあまりに違いすぎるのを感じずにはいられませんでしたね。そういうプロ意識みたいなものは、シーナも徹底していました。僕がずっと忘れられないのは、「私は1時間半の女優やけんね」というシーナの言葉なんです。明日は明日の自分が別にあるし、ステージに立つ一期一会の瞬間と常に真剣に向き合っていた。だから「また今度でいいや」という観る側の視点とは別次元でずっと進化し続けていたんじゃないですかね。

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LIVE INFOライブ情報

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SHEENA's 46th BIRTHDAY LIVE ─シーナ&ロケッツ  46回目のバースディライブ─
【出演】
シーナ&ロケッツ[LUCY MIRROR / 奈良敏博 / 川嶋一秀 / 澄田健]
SPECIAL GUEST:永井“ホトケ”隆 / 鈴木茂 / アキマツネオ / 長谷川正Plastic Tree)/ Johnny Diamond首振りDolls)/ 甲本ヒロト  ほか
【日時・会場】
2023年11月23日(木・祝)新宿LOFT
開場 18:00 / 開演 19:00
【料金】
前売¥5,500 / 当日¥6,000(共にドリンク代別)
【主催】ロケットダクション
【後援】ソニーミュージック、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント・スピードスターレコーズ
【前売りチケット】
シーナ&ロケッツ オフィシャルチケットセンター
◉一般発売(PIALAWSONe+
【問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

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