Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューシーナ&ロケッツ - 結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

結成46周年突入とシーナの誕生日を祝して今年も新宿LOFTでロケット発射! それでもなおバンドの歩みを止めない意志と原動力

2023.11.08

鮎川がリリース・プランからジャケットまでを計画していた『1979 DEMO』

──10月にリリースされた、セカンド・アルバム『真空パック』(1979年発表)のデモテープ音源『1979 DEMO』について聞かせてください。8月に放送されたDOMMUNEの特番を見て驚いたのですが、鮎川さんが生前、リリース・プランからジャケットまで全部作ってあったそうですね。

純子:そうなんです。今まで録りためてある音源のメモがノートにまとめられていて、『1979 DEMO』はその中のプロジェクトの一つなんですよ。お父さんの中でリリースしたいリストがあって、そのデータを共有していたんです。他にもファーストの『#1』(1979年発表)や初期の音源があったり、それをどの順番で出すかというプランまでお父さんは考えていました。

LUCY:私がシナロケで唄い始めてから2019年にGOKスタジオで録った音源があって、お父さんは生前、まずはそれを出そうとしていたんです。そのスタジオライブでかなり良いテイクがあるんですけど、そのときに2日間で70曲くらい録ってしまったのでボリューム的に問題があって。3枚組にするとヘヴィだし、かと言ってその中から選出するのも難しくて。

純子:仮に2枚組にしても、2枚目は聴かれないことが多いですからね。それで1枚に絞り切ろうと考えていた矢先にコロナ禍になってしまったんです。

big_cd-1979demo-ayukawa4_1.png

『真空パック』のデモ音源集『1979 DEMO』

──そのスタジオライブ音源よりも先に『真空パック』のデモ音源をリリースしたのはなぜだったんですか。

純子:寺井さんの映画の中で当時のデモ音源の一部が使われたのもあったので。

LUCY:寺井さんが家に来て、その音源を発掘したんですよ。

純子:うちの家で何度か追加インタビューを受けたとき、いつか必ず出したいとお父さんが整理していた特別な音源が入った段ボールを寺井さんが見つけたんです。そこで『真空パック』のデモ音源の存在に気づいて、「これは凄い! 映画用に貸してください!」と頼まれたんです。

LUCY:「1日で返しますから!」ってね(笑)。

純子:お父さんが収集していたカセットテープやDAT、Hi8テープがとにかく膨大にあって、その中から寺井さんがいくつかピックアップして映画の中で使ってもらったんです。

──鮎川さん自身が相当なレコードマニアだったし、大変な収集癖を持つコレクター気質だったんでしょうね。

純子:そうなんです。だから想像を絶する量のアーカイヴ資料が残されていて、私たちが生きているあいだに出せるのだろうか? と武者震いしています(笑)。

奈良:サンハウス時代のデモもあるはずだし、シーナが初めて唄った曲のテープもあるはずですよ。マコちゃんがニコッと笑って「これよ」と見せてくれたことがあったし。

純子:残された音源の半分くらいはお父さんが自分でマスタリングまでしてあるんですけど、ファンの人がどこまで付いて来れるのかな? と思いますね(笑)。

20230502live2.jpg

下北沢シャングリラで行なわれた『鮎川誠 追悼ライブ音楽葬』(2023年5月2日)

──奈良さんの『1979 DEMO』を聴いた感想を伺いたいのですが。

奈良:最高にいいと思いますよ。このとき自分は参加していないけど、とにかく曲が全然古くないもんね。

純子:映画でも使われた、「ユー・メイ・ドリーム」のデモ版である「ユメ ユメ ユメ」というタイトルのテイクがあるんです。細野(晴臣)さんが作ったBメロのブレイクっぽいところがなくて、歌詞もちょっと違う感じなんですけど、それはそれで凄いグッとくるテイクなんです。

奈良:とてもいいよね。あと、「レイジー・クレイジー・ブルース」に「レイジー・クレイジー・レギー」というタイトルのレゲエ・バージョンがあったのはびっくりしましたよ。

LUCY:『1979 DEMO』は今まで出した音源の中で一番音がいいんじゃないかと思うくらい瑞々しくて最高だし、お父さんのギターってテープが合うと思うんです。この音源を聴くと、今のデジタル環境がどれだけ音を殺しているかを改めて感じますね。

奈良:テープはやっぱり音がいいんですよ。音の深い部分まで記録できてるし、デジタルは音の上と下を切っちゃうから。

LUCY:GOKスタジオでの音源が良いのもアナログ・レコーディングだったからなんです。大きなテープを回して録るやり方だったから。

──『1979 DEMO』に続くアーカイヴ・シリーズは今後また期待して良いですか。

純子:本当は去年の年末にリリースしようと準備していた作品があって、それはお父さんが自分の原盤で出したいと考えていた『#1』なんです。マスタリングが去年の12月30日の夜に上がってきたので、年始はずっとその音をチェックして聴き込んでいました。なので本来は『#1』を最初に出したかったんですけど、寺井さんの映画の件もあって『1979 DEMO』を先に出すことにしたんです。

LUCY:世に出回っている『#1』の再発盤は、マスターテープの盗品が使われているんです。マスターを盗んだ人がヴィヴィド・サウンドさんに売ったんですよ。

純子:ヴィヴィドさんはマスターが盗品だと知らずにその人にお金を支払ったと聞いています。だけどお父さんもお母さんも何も聞かされていなくて、これまで印税さえ一度も貰ったことがなくて、大ヒットした「レモンティー」だって実は今まで1円も貰ってないんですよ。大切なファースト・アルバムなのに、再発盤は曲順が違ったり、収録テイクが違うものだったり、オリジナルのエルボン盤とは異なる形で勝手に何度も再発されていることに困惑していたんです。その事態を正すためにも、お父さんは自分の原盤で正規盤を出し直したいと強く望んでいたんですよ。

4P-2.jpg

このアーティストの関連記事

LIVE INFOライブ情報

20231123-4769.jpeg

SHEENA's 46th BIRTHDAY LIVE ─シーナ&ロケッツ  46回目のバースディライブ─
【出演】
シーナ&ロケッツ[LUCY MIRROR / 奈良敏博 / 川嶋一秀 / 澄田健]
SPECIAL GUEST:永井“ホトケ”隆 / 鈴木茂 / アキマツネオ / 長谷川正Plastic Tree)/ Johnny Diamond首振りDolls)/ 甲本ヒロト  ほか
【日時・会場】
2023年11月23日(木・祝)新宿LOFT
開場 18:00 / 開演 19:00
【料金】
前売¥5,500 / 当日¥6,000(共にドリンク代別)
【主催】ロケットダクション
【後援】ソニーミュージック、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント・スピードスターレコーズ
【前売りチケット】
シーナ&ロケッツ オフィシャルチケットセンター
◉一般発売(PIALAWSONe+
【問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻